カイエン最強のターボPHEVが秒読み! 日本も発売する謎の頂点モデルに試乗
掲載 carview! 文:木村 好宏/写真:ポルシェAG 38
掲載 carview! 文:木村 好宏/写真:ポルシェAG 38
ポルシェが今年初めにフェイスリフトされた「カイエン」を発表した際に、トップモデルの「ターボGT」がさらにパワーアップされ、これまで640psだった4リッターV8ツインターボの最大出力は660psとなり、0-100km/hまでわずか3.3秒、最高速度は305km/hに達し、改めて最もパワフルで最速のカイエンとなったのは記憶に新しい。
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<写真:カイエン ターボGT>
問題はフェイスリフトされたこのパワフルなターボ GTの販売が、排ガス規制の緩い北米をはじめとする一部の市場に限られ、ユーロ7やそれに準ずる厳しい排気ガス基準が施行されているヨーロッパや日本での販売が予定されていないことである。
一方、ポルシェがこのターボGTに代わって排出基準の厳しい市場向けに、専用の後継モデルを開発しているとの情報が流れていた。このモデルはSUVとクーペの2種類のボディタイプが設定され、クーペにはGTパッケージが用意され、ターボ GTと同等のパフォーマンスを発揮するというのだ。
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そんな中、開発最終段階にあるこの新しいトップモデルのプロトタイプに特に許されて試乗することができた! 9月に開催されるミュンヘンモーターショーで予定されているワールドプレミアに先立つものだ。
このニューモデルのハイブリッドメカニズム(電気系)は今回フェイスリフトされたカイエンのプラグインハイブリッドモデル(E-ハイブリッド)をベースにしていて、130kWの電動モーターと25.9kWhの容量をもつリチウムイオンバッテリーを搭載する。
一方、エンジンはツインターボ搭載の4.0リッターV8 ガソリンエンジンがベースだが、ツインスクロールターボチャージャーではなく電動ウェイストゲートを備えたモノスクロールターボチャージャーを搭載している。
<写真:カイエン E-ハイブリッド>
ポルシェはこの内燃エンジンの正確な出力については明らかにしていないが、エスコートしてくれた広報部長のワインベルガー氏は「まだ暫定値の段階だが700馬力と900Nm以上の数値になるだろう。」と語った。
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フルデジタルパネルが並ぶキャビンに入り、スタートする。新しいプラグインハイブリッドシステムは非常にパワフルで、豪快かつスムーズに速度を上げて行く。増大したパワーにも関わらずスロットルに対する反応は滑らかだ。スポーツモードではチタン製エキゾーストから魅力的な迫力あるサウンドが響き渡る。
<写真:今回試乗したカイエンのプロトタイプPHEV>
8速ATのシフト特性も敏捷でスムーズ。285/40ZR 22と315/35ZR22のプロファイルをもつピレリ Pゼロコルサを履いた4WDシステムは、後輪重視の独特の走行フィールと確実なトラクションをもたらす。
ポルシェによると0-100km/h加速は「4.0秒未満」、最高速度は290km/hを超えるとされている。しかし内部情報によればオプションのGTパッケージとの組み合わせでは3.0秒台と300km/hを実現すると伝えられる。
豪快な加速と高速域での安定性に加えてハンドリングも魅力的だ。センター付近がやや重いが正確無比なステアリングはフロントホイールのキャンバーを0.45度増加させ、リアステアを加えたことによるものだ。またGTパッケージはスタンダードよりも10mm低いシャシーセッティングになっている。
サスペンションはデュアルチャンバーエアスプリングと電制アンチロールスタビライザーを組み合わせたもので、優れたボディコントロールとスポーティなハンドリングを提供している。
運転モードをコンフォートに設定すると街中では特に快適なドライブを可能にする。GTパッケージの乗り心地は当然ながら硬めだが、迅速な可変ダンパーと優れたシャシーセッティングで悪路でも快適に通過できる。また現行PHEVの「E-ハイブリッド」(14.1kWh)の倍近い25.9kWhへと容量アップされたバッテリーによって「70km以上」というEV走行が可能と言われている(※現行E-ハイブリッドは44km)。
<写真:今回試乗したカイエンのプロトタイプPHEV>
この最新のPHEVカイエンにどのようなモデル名が与えられるかはまだ発表されていないが、このプロトタイプ試乗で示したダイナミックな能力は歴代カイエンのトップになるポテンシャルを十分に備えていると思った。量産モデルの試乗が楽しみである。
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