「そうじゃないでしょ？ 日産」と思ったエルグランドのCMについて

締めのひと言がすべてを台無しにした

「ミニバンで峠アピールとか、バカじゃねえの？」的な意見があるいっぽう、「エルグランドは確かに競合よりも走りの質は高いんだから、こういう訴求をしてみるのも悪くない」という声も散見された。

筆者の意見は後者に近い。

最初は「……マジか？」と一瞬思ったが、終盤近くまでちゃんと観てみれば、「うむ、その気になればこんな走りもできることを証明されると、そこらへんの国道や高速道路を普通に運転するときも安心できるよな」と、大いに納得した。

だが、最後がいけなかった。

近藤さんが言う。

「これは、みんなに乗ってもらいたいね。乗ってね、ちょっと運転したらね、良さが一発でわかる」

ここまではいい。おそらくはエルグランドという車に対する近藤さんの偽らざる評価であり、「いいモノを人に勧めたい」という心の現れであるはずだ。

だが、その後にゴシック体でドーンッと現れる「締めのひと言」がすべてを台無しにした。

黒い背景に白ヌキの文字で、日産自動車が視聴者に問う。

「あなたは
エルグランドのポテンシャルを
引き出せるか」

……はああああああああ？

猛烈な「そうじゃねえだろ感」が炸裂している。