シビックが売れてもブランドの悩みは尽きない。モノ作りはビジネスなのか夢なのか?
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ
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そういや先日10代目「シビック」の試乗会に行ってきました。一時小沢が売れない! と断言、いろいろ言われた話題のモデルです(苦笑)。受注2ヵ月で約1万2000台と結構売れてるようですが、もちろん本当の勝負はこれからであり「いつまで続くかです」と言わせていただきましたが、とりあえず改めて乗ってみると普通にいい。
ハイブリッドでもないし、ミニバンでもなく、時流の要素はまったくありません。でも、走りや使い勝手は十分いいんですわ、豪華ではないけど。インテリアは普通に質感高いし、ハンドルは切れるし、エンジンは快楽的ではないものの良く回る。具体的には「ホンダファンに良く売れてる」んだそうな。
ではなにが足りないのか? 台数なのか? そもそも売れる売れないの問題なのか?
そこはやっぱりマツダやスバルと比べると分かり易く、つくづく会社でありブランド全体から伝わってくるメッセージでありインパクトの問題なんですな。マツダは最近“マツダプレミアム”という独自プレミアム路線を打ち出し、明らかに質やオリジナリティで勝負しているし、スバルはアイサイトに代表される先進安全と個性の塊の水平対向エンジンがやっぱりキモで要は“独自の安心と個性の他にないブランド”。
一方、ホンダはスポーツカーも作ってるし、「N-BOX」も売れてるし、アメリカじゃシビックも「アコード」も売れています。ビジネス的に文句を付ける筋合いは全くなく、でもどこか印象に残らないのも事実。ある意味、ホンダはいつの間にか器用貧乏的な悩みを抱えていた…みたいな感じですか?
加えマツダやスバルには幸か不幸か切迫した危機の歴史があって、マツダはフォード統治時代にやたら苦労し、その反動もあっての今だし、スバルも軽を捨て、アメリカ市場に注力する大ナタがあっての今があるわけです。個性の裏には苦労があり、それがまたストーリー的に盛り上がるという。
比べると逆にホンダは凄かったとも言えるわけです。いち早くアメリカに進出、シビック、アコードが売れて、日本でも長年低迷していた軽がNシリーズで大逆転! マツダもスバルもできなかったことをやり遂げたホンダは凄いのです。その凄さの結果が今なのです。
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