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SUV EV全盛期来るか?? 価格は500万円? どうなるトヨタbZ4Xとスバルソルテラ

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SUV EV全盛期来るか?? 価格は500万円? どうなるトヨタbZ4Xとスバルソルテラ

日本車メーカーではレクサスUX300eや日産アリアなどのSUV EVがデビューしているが、2022年以降、SUV EVのデビューラッシュが続く。

なかでも注目はトヨタスバルの協業によって2022年に発売予定のトヨタbZ4Xとスバルソルテラだ。bZ4Xは2020年4月の上海モーターショーで公開され、詳細なスペックこそ公表されなかったが、エクステリアやインテリアなどの写真が明らかになった。いっぽう、スバルソルテラは、2021年8月31日にティザーサイトに一部の写真がようやく公開されている。

激動のなかをどう進む? 国産メーカー各社のこれからのEV戦略を読む

トヨタとスバルの協業といえば、新型のGR86BRZでは足回りなどでの双方の仕立て方に違いが表れ始めたように、EVに関してそれぞれがどのように個性を主張するのか?

マーケットを賑わせ始めたSUV EVの狙い所とともに、予想される仕様を見定めてみよう。

文/岩尾信哉
写真/トヨタ、スバル、メルセデス・ベンツBMW、VW、プジョー、ボルボ、ジャガーテスラ、Newspress

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■2022年登場予定 EVクロスオーバーのトヨタbZ4Xとスバルソルテラ

2021年4月19日、上海モーターショーにて世界初披露されたトヨタbZ4X。ボディサイズは公表されていないが、C~DセグメントのSUVとみられる。2022年央のグローバル投入を目指す

ステアリングバイワイヤ機構を採用した特殊なカタチのステアリングホイール。旋回時にハンドルを持ち替える必要がなく、メーターの視認性も向上する

EV専用プラットフォーム(e-TNGA)を採用。センタートンネルがなく、後席の足元空間はフラットに

2021年8月31日にスバルが公開したソルテラのティザー写真

レヴォーグやWRXを彷彿とさせるテールランプがスバルらしい

従来型の円形ステアリングを搭載するインテリア

去る4月の上海モーターショーでコンセプトカーとして発表されたbZ4Xと、コンセプトカーとしても正式にはまだ姿を見せていないソルテラは、どうやらミドルクラス(北米ではコンパクトクラスともいえる)のSUV EVとして登場するようだ。まずは両社のリリースから概要を探っていこう。

スバルの今年5月発表のプレスリリースには、「2022 年の発売に向けて開発を進めるEVの名称を「SOLTERRA(ソルテラ)」に決定しました。「SOLTERRA(ソルテラ)」は、EV専用プラットフォームe-SUBARU GLOBAL PLATFORM(イー・スバル・グローバル・プラットフォーム)を採用した初めてのSUBARU車で、CセグメントクラスSUVモデルのEVです」とある。

いっぽうトヨタは、bZ4Xの発表時のリリースにおいて「トヨタ、スバルで共同開発したe-TNGA EV専用プラットフォームを採用。電動化を得意とするトヨタ、すぐれたAWD技術を持つSUBARUが互いに強みを持ち寄り、快適かつ楽しめる走りを実現するEV」としている。

正式な発表・発売の時期については、スバルは「SOLTERRA(ソルテラ)」は、アセント(註:北米市場向けの3列シートを備える上級SUV)、アウトバック、フォレスターXVからなるSUVラインアップに加わる新たな選択肢」として、「2022年年央までに日本、米国・カナダ、欧州、中国等で発売予定」とのこと。

対して、トヨタはbZ4Xを「日本と中国で生産予定とし、2022年年央までにグローバルでの販売を開始する計画」であることを明らかにしており、「電動車のフルラインアップ化の一環として2025年までにEV15車種を導入する計画を推進中で、そのうち新シリーズ 、トヨタbZについては7車種を導入する計画」としている。

これらの発表内容から何が読み取れるかといえば、駆動方式は基本的に4WDを想定しており。トヨタはbZ4Xの特徴として「Dセグメント並みの室内空間」としているから、CセグメントながらよりDセグメントに近いボディサイズという解釈ができる。

スバルが従来のラインナップにEVを追加することを目的としているのに対して、トヨタは欧州メーカーに倣うようにEVブランドの構築を目指したプランの一環として捉えていることがわかる。

2020年10月から日本で販売されているレクサスUX300eの透視図。レクサス初のピュアEVとして登場。CセグのEVとしては出力の大きいモーターを搭載しており、レクサスらしい走りと快適性を実現している

2021年3月に発表されたレクサスLF-Z Electrified。最高出力は544ps/700Nm、バッテリー容量は90kWh。航続距離は600km、0-100kmh加速は3.0秒とスーパーカー並みの高性能を発揮する。2023年頃発売予定

2021年3月に発表されたトヨタアイゴXプロローグ。パワートレインは明らかにされていないがHVやPHEV、BEVがラインナップされるのは間違いない。ボディサイズは全長3700×全高1500mm、ホイールベース2430mm

■サイズはRAV4に近い?

スバルと共同開発されたEV専用プラットフォームとなるe-TNGAを採用。スバルがモーターとアクスルの位置は固定する一方でホイールベースや前後オーバーハングは可変式とし、さまざまなモデルバリエーションが展開できる。BセグからDセグまで幅広いEVが作られることだろう

さらに想像力を膨らませて、bZ4X/ソルテラのボディサイズを、両社の既存のSUVモデルから類推してみよう。

まずはトヨタのCセグメントのイメージとして、日本で販売されているSUVを思い浮かべると、プリウスなどに採用されているGA-Cプラットフォームを使用するC-HR(全長:4385mm)とレクサスUX(全長:4495mm)がある。ホイールベースは2640mmと共通だ。

対して、カムリなどGA-Kプラットフォームを採用するRAV4(PHV)を見ると、全長が4600mm、ホイールベースが2690mm。(全幅:1855mm、全高:1690mm)となる。

いっぽう、スバルのC/DセグメントのSUVであるフォレスターは、全長が4640mmとされ、ホイールベースが2670mm(全幅:1815mm、全高:1715mm)となっている。

ここでEV専用プラットフォームであるe-TNGAとe-SGPの成り立ちを考えてみると、トヨタはe-TNGAを主にC/Dセグメントを対象に使用するとしている。

EV専用プラットフォームとして、前中後の3つに分割して、前アクスル部は完全固定したうえで、ホイールベースと前後トレッド/オーバーハングの寸法が変更可能。個々のモデルのボディサイズやカテゴリーの変化や駆動方式の変更に対応すべくモジュール化が図られている。

このように今回の共同開発車に関するプラットフォームの役割としては、サイズ的にはGA-Kの守備範囲に収まるのではないかと想像できる。理由としては、ボディサイズが北米トヨタのアナウンスでは「RAV4に近い」とされていることがある。

■SUV EVに求められるスペックとは?

ここからはすでに登場している他メーカーのSUV EVの成り立ちからbZ4Xとソルテラのスペック、具体的にはモーターのパワー出力やリチウムオンバッテリーの容量、航続距離などを占ってみよう。なお、航続距離についてはWLTCモードとなる。

今冬発売予定のDセグクロスオーバー、日産アリア。価格は660万~790万200円。ラインナップはB6のFF(217.5ps/450km)、B9のFF(242ps/610km)、B6の4WD(340ps/430km)、B9の4WD(394.3ps/580km)の4つ

すでに日本メーカーとして先行して発表された、日産のコンパクトSUVであるアリアを見てみると、アリアは全長:4595mm(全幅:1850mm、全高:1655mm)に対して、ホイールベースが2775mmと全長からすると長めに設定され、前後オーバーハングを削り取ったスタイリングを特徴とする。

駆動方式は後輪駆動と「e-4ORCE」と呼ばれる四輪駆動システムを設定して、2種の駆動方式と2種の出力仕様を用意。標準で63kWh、上級で87kWhの2種類のバッテリーと組み合わせている。

航続距離はバッテリー容量87kWhの4WDの約430kmから同63kWhのRWD仕様の約610kmまで結構な幅がある。モーターの出力/トルクと一充電航続距離は以下の通り。

■日産アリアのパワートレイン
■160kW/215ps(178kW/235ps)、300Nm
■250kW/340ps(290kW/395ps)、560(600)Nm
※(カッコ内は4WD)
航続距離:450/610km(RWD)、430/580km(4WD)
(※数値はWLTC社内値)

こうしてみると、アリアがパワーや航続距離について、そつなくカバーすることを目指してスペックが煮詰められたことが見えてくる。予想されるbZ4Xとソルテラは、アリアと比べるとボディサイズでは上回り、パワーではアリアとほぼ同等になるのではないか。

■バッテリーや航続距離のボーダーラインは?

トヨタとスバルの共同開発のEV概要

先に指摘したように、海外ではすでに激戦区と化したコンパクトSUV EVとして投入されるはずのbZ4とソルテラのスペックはどうなるのだろうか。

エクステリアはbZ4Xとソルテラを見ると、前後の意匠に違いはあれど、トヨタの今流のエッジを効かせたクロスオーバースタイルを採っている。そのうえで、ボディサイズについては全長が4600~4700mm、ホイールベースは2700mmあたりに落ち着くのではないか。

パワーは200ps以上を設定したうえでトップグレードを400psに近い程度に仕立てるなど、グレードによって幅を持たせるためには、バッテリー容量を60~90kWhに設定しておけば対応可能なはず。

評価のカギとなる航続距離は500km程度(できれば600km)まで届くかどうかだ。あとはバッテリーを含む車重とコスト(価格)との兼ね合いということになるだろう。

最後に商品性の話をすれば、たとえばアウディがQ4 e-トロンを「日常ユースに適した様々な用途に対応するオールラウンダー」と謳っているように、コンパクトSUVにはニーズとして街中などを含む使い勝手に優れていることが求められる。

このように新規参入するbZ4Xとソルテラには、EVとしての性能に加え、まずはクルマとしての確かな魅力が備わっていることを期待したい。

■トヨタ&スバルを待ち受ける海外メーカーのSUVはどんなものがある?

最後に、世界市場で販売される予定のbZ4X/ソルテラなので、すでに世に送り出されているドイツ3メーカーの主なSUV EVのスペックについて、おおまかながらおさらいしてみよう。

●メルセデス・ベンツEQC

GLCのプラットフォームをベースにしたメルセデス・ベンツEQC。駆動方式は4WDのみ。最高出力408ps/765Nm、航続距離400km、リチウムイオン電池容量は80kWh

メルセデス・ベンツはクロスオーバーSUVで先行した観があるが、EQブランドをコンセプト段階を含め、A/B/C/E/G/S/VとEQの”フルラインナップ化“を着々と進めている。このうち、コンセプト段階ながら去る9月に開催されたIAAミュンヘンでは、コンセプトSUVとしてGクラスのEV版といえる「EQG」を登場させたことも注目だ。

EQブランドの先陣を切ったEQCは既存のSUVであるGLCのプラットフォームを基本とした4WDとして仕立てられ、日本仕様の航続距離は400kmとされている。

・メルセデス・ベンツEQC:最高出力408ps/最大トルク765Nm、航続距離:400km、電池容量:80kWh 4WD
全長:4760×全幅1885×全高1625mm、ホイールベース:2875mm
(数値は日本仕様)

●アウディQ4 e-トロン

2021年4月に発表されたアウディQ4 e-トロン。ボディサイズは全長4590×全幅1865×全高1632mmとQ5とQ3の中間に収まる。電池容量は51.5~76.6kWh

アウディは現状で、EVの「e-トロン」モデルとして、クロスオーバーモデルのe-トロンとともに、クーペスタイル・セダンのGTを設定。

2021年4月に発表した欧州Q4 e-トロン(とQ4 スポーツバックe-トロン)は、アウディ曰く「コンパクトSUV」とされ、Q5とQ3の中間のボディサイズに収めている。

・アウディQ4 e-トロン:最高出力170~299ps/最大トルク310~460Nm RWD/4WD、電池容量:51.5~76.6kWh、航続距離:447~521km(Q4 e-トロン)※数値は35~50クワトロ
全長4590×全幅1865×全高1632mm/1615mm(スポーツバック)、ホイールベース:2760mm
(数値は欧州公表値)

●BMW iX3

中国で生産されるX3ベースのSUV、iX3。iXの全長は4953mmだがiX3は4734mm。航続距離460km、電池容量は80kWh

BMWは日本市場に向けにSUV EVとしてラージクラス(全長:4953mm、ホイールベース:3000mm)の「iX」とともに、コンパクトSUVの範疇に入るX3をベースとした「iX3」を導入予定としている。

bZ4Xとソルテラの比較対象となるはずだが、欧州市場で2020年7月に登場、2021年8月に小変更を受け、いずれはRWDに加え、4WDもラインナップに加わってくるかもしれない。生産されるのが中国というのは、iX3の主戦場であることを意識した手法といえる。

・BMW iX3:最高出力286ps/400Nm、電池容量:80kWh、航続距離:460km(RWD)
全長4734×全幅1891×全高1668mm、ホイールベース:2864mm
(数値は欧州仕様)

フォルクスワーゲンID.4

ID.3と共通のEV専用プラットフォームを採用するID.4。電池容量は77kWh、航続距離520km

フォルクスワーゲンがEVブランドとして展開するIDシリーズにID.3に続くコンパクト・モデルとして投入したのが、クロスオーバーSUVであるID.4。

全長は4580mmとアウディのQ4 e-トロンに近いのも同じグループの製品とはいえ、このあたりが欧州ではSUV EVの売れ筋であることを感じさせる。基本は後輪駆動ながら、前後モーター駆動で299psの4WD仕様となる「GTX」も要注目だ。

・VW ID.4:最高出力204ps/最大トルク310Nm、電池容量77kWh、航続距離520km(RWD)
全長:4584×全幅1852×全高1612mm、ホイールベース:2766mm
(数値は欧州仕様)

【画像ギャラリー】2022年は新車ラッシュ!! EV激戦区に乱立するSUVラインナップ

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みんなのコメント

7件
  • なんか文章に誤差脱字が多すぎて信頼できない内容。
  • 日産のアリアって2WDって前輪駆動じゃないんですか?本文でも1度は、FFと書いてるのに、その後にはRWDと書いてませんか?
    あと、アリアのスペック紹介の部分も注意書きで( )内は4WDとしてますが、変じゃないですか?
    どなたか詳しい方がいれば教えてください。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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