現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > いすゞ「高級SUV」がスゴい! 同じ車に「9コ」の名前がある!? 便利すぎて「OEM供給」されまくった「車名多すぎモデル」とは

ここから本文です

いすゞ「高級SUV」がスゴい! 同じ車に「9コ」の名前がある!? 便利すぎて「OEM供給」されまくった「車名多すぎモデル」とは

掲載 10
いすゞ「高級SUV」がスゴい! 同じ車に「9コ」の名前がある!? 便利すぎて「OEM供給」されまくった「車名多すぎモデル」とは

■全く同じクルマなのに… 国内外のブランド名を冠して展開

 かつて販売されていたいすゞのSUV「ビッグホーン」は、スバルやホンダにも提供されていたことがあります。
 
 しかし、世界中のメーカーにも異なるブランド・車名で数多く供給され、たくさんの「名前」を持っていたのです。

【画像】超カッコイイ! これが「いすゞの高級SUV」です! 画像で見る(30枚以上)

 日本を代表するトラック・バスメーカーのいすゞも、かつては乗用車の販売を2002年まで行っていました。同社のモデルの中には、現在でいうSUVも多数販売されており、その代表格が本格的なクロスカントリー(クロカン)4WD車の「ビッグホーン」です。

 かつて4輪駆動車といえば、三菱「ジープ」やトヨタ「ランドクルーザー40」のように、悪路走破性や特殊な業務ユースを優先した硬派なクルマでしたが、1970年代末に「RVブーム」が沸き起こります。

 これに合わせ、いすゞは乗用車の快適性を盛り込んだクロカン「ロデオ・ビッグホーン」を1981年に発売。高まる個人向けのレジャー用途に対応しました。

 1984年には車名を「ビッグホーン」に変更。その後、「イルムシャー」や「スペシャルエディション・バイ・ロータス」など、海外チューナーやメーカー名を冠したモデルも発売され、話題を呼びました。

 1991年には、高性能・高品質を謳った2代目ビッグホーンを発売します。

 ひとまわり大きくなって3ナンバー化されたボディは、洗練されたデザインと上品さを持っていました。エンジンには、200psを発生するパワフルな3.2リッターV型6気筒(のちに3.5リッター化され、230psへ)も用意。内装も高級化が図られていました。

 2002年にいすゞが乗用車市場から撤退する際、惜しまれながらビッグホーンも姿を消しました。

 そんなビッグホーンの特徴の一つに、「複数のブランドで売られていた」ことがあります。

 初代・2代目含め、ビッグホーンはスバル「ビッグホーン」、ホンダ「ホライズン」など多くのブランド・車名を別に持っていたのです。

 いずれも、外観はほぼそのままのOEM車ですが、いすゞのクルマがスバルやホンダに供給されていたことは興味深いです。このようなOEMが行われた理由は、ズバリ「ラインナップの強化」でした。

 1980年代の国内RVブームで、クロカンや1BOXワゴン、ステーションワゴンなどを含めたRVはすっかり市民権を獲得。

 特にトヨタ「ハイラックスサーフ」や日産「テラノ」、三菱「パジェロ」などの都会派クロカンは人気が高く、各社はラインナップの拡充に力を入れるようになりました。

 しかし、クロカンのベースとなるラダーフレーム構造のトラックを持たない、もしくはクロカン開発のノウハウがないメーカーでは自社開発が難しく、また販売ボリュームを考えると他社からの供給でまかなったほうがよい、という判断になるのは必然と言えました。

 そこでスバルは、1988年に初代ビッグホーンを導入。同社は4輪駆動車の乗用車を作るメーカーとして名を馳せていましたが、クロカンは持っていなかったのです。

 ビッグホーンに設定されていた「イルムシャー」グレードがそのまま販売されただけでなく、車名も「ビッグホーン」のままだったのは、国内のOEMとして異例の出来事でした。

 1992年には2代目がデビュー。2代目では、すべて“ハンドリング・バイ・ロータス版”のみでした。しかし、1993年には早くもラインナップからドロップしています。

■海外メーカーのブランドも名乗った?

 続いてビッグホーンを自社製品に組み込んだのは、ホンダでした。

 実はホンダも、折からのRVブームに対する持ち駒がなく、1993年には、ローバー・グループのランドローバーから「ディスカバリー」のOEM車「クロスロード」を発売。

 そのほか、いすゞが1990年に発売した3ドアのスポーティなRV「ミュー」も、ホンダ「ジャズ」として1993年から販売していました。

 続く1994年には、2代目ビッグホーンがホライズンと名付けられ、ホンダバッジが貼られることに。

 こちらも、スバル版と同様にハンドリング・バイ・ロータス版のみが用意されました。いっぽう、アメリカのアキュラブランドでは、ホライズンをSLXと称して販売していました。

 しかし販売期間は長くなく、クロスロードは1997年、ジャズは1996年、そしてホライズンとSLXは1999年でカタログから姿を消しています。

 正直なところ、これらOEM車の販売台数は多くはありませんでしたが、扱うことで得たRV車のノウハウは、「ステップワゴン」「CR-V」「オデッセイ」など、一連の「クリエイティブ・ムーバー」を生み出す原動力や契機になったと考えることもできます。

 余談になりますが、かつてホンダはジープ「チェロキー」も取り扱っていました。しかも右ハンドル・低価格でヒット作となっています。これも、意外な事実といえます。

 そして実は、ビッグホーンが別ブランドで売られた事例は、国内にとどまらなかったのでした。

 当時のいすゞはGMグループに属していたため、初代・2代目ともにクロカンを持たないグループ内ブランドで販売されたのです。

 ドイツのオペル/イギリスのボクスホール(イギリスでは、オペルをボクスホールとして販売)「モントレー」も、クロカンを持たなかったオペル/ボクスホールのラインナップを補完するモデルでした。

 そのほかインドネシアや南米ではシボレー「トゥルーパー」、豪州向けのホールデンでは「ジャッカル/モントレー」、韓国や東南アジアではサンヨン(双龍)「コランド・ファミリー」(初代ビッグホーンのみ)などと名付けられました。

 つまりビッグホーンも、いすゞの乗用車「ジェミニ」「アスカ」のように、世界中のGMグループを支えるワールドワイド・モデルだったことがわかります。

 なおOEMとは異なりますが、いすゞ自体もビッグホーンの車名を仕向け地により変えており、例えば北米市場では「トゥルーパー」として売られていたことも記しておきます。

※ ※ ※

 時代の流れに応じて生まれたものの、逆にその流れのために消えてしまったクルマは少なくありません。

 RVブームやGMグループ各社のラインナップ強化のために誕生したビッグホーンの別名車も、まさにそんなクルマだったのではないでしょうか。

こんな記事も読まれています

いすゞ新型「7人乗りSUV」登場! スポーティ&タフな本格派「MU-X」の魅力とは! 人気の理由を「生産国」タイから解説!
いすゞ新型「7人乗りSUV」登場! スポーティ&タフな本格派「MU-X」の魅力とは! 人気の理由を「生産国」タイから解説!
くるまのニュース
トヨタ「“大人気”カクカクSUV」に大反響!「“昭和レトロ顔”ランクル」に“リスク懸念”も? 誕生40周年の「ナナマル」ってどんなクルマ?
トヨタ「“大人気”カクカクSUV」に大反響!「“昭和レトロ顔”ランクル」に“リスク懸念”も? 誕生40周年の「ナナマル」ってどんなクルマ?
くるまのニュース
ホンダの「バラード」まだあった!? 「シティ」や「アヴァンシア」まで現役… もはや懐かしい名称の海外モデルとは
ホンダの「バラード」まだあった!? 「シティ」や「アヴァンシア」まで現役… もはや懐かしい名称の海外モデルとは
くるまのニュース
時代を超えた「ご長寿モデル」! 登場から“60年以上”続く「すごいクルマ」も存在! 長く愛されている「国産ロングセラー車」3選
時代を超えた「ご長寿モデル」! 登場から“60年以上”続く「すごいクルマ」も存在! 長く愛されている「国産ロングセラー車」3選
くるまのニュース
日本でピックアップ熱が高まってるしメーカーさんここはひとつ導入どうですか? いすゞD-Maxにホンダ・リッジラインにマツダBT-50……海外は日本メーカーの魅力的なトラックだらけだった
日本でピックアップ熱が高まってるしメーカーさんここはひとつ導入どうですか? いすゞD-Maxにホンダ・リッジラインにマツダBT-50……海外は日本メーカーの魅力的なトラックだらけだった
WEB CARTOP
日産「“超豪華”4人乗りオープンカー」登場! 世界初の「“斬新”SUV」!? 700万円超え”最上級仕様“の「ムラーノ クロスカブリオレ」米で高額落札
日産「“超豪華”4人乗りオープンカー」登場! 世界初の「“斬新”SUV」!? 700万円超え”最上級仕様“の「ムラーノ クロスカブリオレ」米で高額落札
くるまのニュース
940万円のホンダ「プレリュード」出現!? 5速MT搭載の「スペシャリティモデル」がスゴい! 23年落ちなのになぜ「新車価格」超えた? “極上車”が米で高額落札
940万円のホンダ「プレリュード」出現!? 5速MT搭載の「スペシャリティモデル」がスゴい! 23年落ちなのになぜ「新車価格」超えた? “極上車”が米で高額落札
くるまのニュース
「まさかお前が…!?」 セダンやクーペから「“SUV”に変身していた」意外な国産車3選
「まさかお前が…!?」 セダンやクーペから「“SUV”に変身していた」意外な国産車3選
くるまのニュース
トヨタ新型「FJクルーザー」!? 復活待望の“旧車デザイン”な「本格4WD」! 丸目&タフデザインの「次期型モデル」予想CGに反響も
トヨタ新型「FJクルーザー」!? 復活待望の“旧車デザイン”な「本格4WD」! 丸目&タフデザインの「次期型モデル」予想CGに反響も
くるまのニュース
いすゞ「ビークロス」がなぜ今話題に!? カニエ・ウェスト改めYeも愛車として迎え入れたカルトカーの販売台数は?
いすゞ「ビークロス」がなぜ今話題に!? カニエ・ウェスト改めYeも愛車として迎え入れたカルトカーの販売台数は?
Auto Messe Web
全長5m超え! トヨタ新型「ハイランダー」発表! 豪華装備×快適機能搭載!? 廉価版は約70万値下げも… 中国市場に投入
全長5m超え! トヨタ新型「ハイランダー」発表! 豪華装備×快適機能搭載!? 廉価版は約70万値下げも… 中国市場に投入
くるまのニュース
CX-8より大幅レベルアップか!? 新型CX-80は超絶快適なハズ!! 長距離も全然イケる快適3列シートSUV7選
CX-8より大幅レベルアップか!? 新型CX-80は超絶快適なハズ!! 長距離も全然イケる快適3列シートSUV7選
ベストカーWeb
トヨタ新型「FJクルーザー」…じゃないの!? 新型「本格SUV」公開! “既視感ありまくり”デザインが大反響! カクカクすぎる「V23」中国で登場し熱視線集まる
トヨタ新型「FJクルーザー」…じゃないの!? 新型「本格SUV」公開! “既視感ありまくり”デザインが大反響! カクカクすぎる「V23」中国で登場し熱視線集まる
くるまのニュース
トヨタ新型「RAV4」そろそろ登場!? もっと無骨に“大変身”&新パワートレイン搭載も? デビュー6年目の「超人気SUV」次期型どうなるのか
トヨタ新型「RAV4」そろそろ登場!? もっと無骨に“大変身”&新パワートレイン搭載も? デビュー6年目の「超人気SUV」次期型どうなるのか
くるまのニュース
スタイリッシュな新型「4ドアセダン」発売! 1000台限定で「495万円から!?」 日本の道で試したBYD「SEAL」の実力とは
スタイリッシュな新型「4ドアセダン」発売! 1000台限定で「495万円から!?」 日本の道で試したBYD「SEAL」の実力とは
くるまのニュース
トヨタ“新型”「ハリアー」まもなく登場!? 大人気の「高級SUV」は高出力化&内外装変更か? デビュー4年目の「上品モデル」どうなるのか
トヨタ“新型”「ハリアー」まもなく登場!? 大人気の「高級SUV」は高出力化&内外装変更か? デビュー4年目の「上品モデル」どうなるのか
くるまのニュース
289万円!ホンダ新型「5ドアハッチバック」発表に反響多数!?「中々かっこいい」「こういうの売れそう」の声! スポーティな「RS」もある顔面変わった「シティ」マレーシアで予約開始
289万円!ホンダ新型「5ドアハッチバック」発表に反響多数!?「中々かっこいい」「こういうの売れそう」の声! スポーティな「RS」もある顔面変わった「シティ」マレーシアで予約開始
くるまのニュース
866万円の「2人乗り軽自動車」発売! 同時に1146万円の「2.0L仕様」も登場!? レトロな丸目デザインの「現代版SUPER SEVEN」とは
866万円の「2人乗り軽自動車」発売! 同時に1146万円の「2.0L仕様」も登場!? レトロな丸目デザインの「現代版SUPER SEVEN」とは
くるまのニュース

みんなのコメント

10件
  • lan********
    この「ビッグホーン」って「デカい男性器」を意味する言葉だったので、英語圏では名前を変えざるを得なかった、という実情もある。硬派でマニア受けするいい車だったんだけどなあ。
  • avi********
    さすがに部品がもうない、
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

264.5390.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

75.0248.0万円

中古車を検索
ビッグホーンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

264.5390.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

75.0248.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村