STI、ニュル参戦。スバルファンのために戦う!
掲載 更新 carview! 写真:齋藤 正
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スバルのモータースポーツ部門を担うSTIは、独自のチューニングを施したインプレッサで今年5月12日(水)から16日(日)に開催されるドイツ・ニュルブルクリンク24時間耐久レースに挑戦する。3月某日、富士スピードウェイでシェイクダウンが行われた。
08年はクラス5位(総合57位)、09年はクラス5位(総合33位)と年々進化を見せているSTIは、昨年と同じSP3T(2000cc以下のターボ付車両)クラスに出場。昨年圧勝したVW・シロッコチームをライバルに見据え、クラス優勝を狙う。
チーム総数は28名。ドライバーは昨年と同じ清水和夫、吉田寿博の2名に加え、新たに全日本F3チャンピオンで昨年シロッコチームのドライバーを務めたカルロ・バンダムと、ドイツ人ドライバー(後日発表)を迎える。また技術者の育成のため、チーム総数28名のうち、スバルのディーラーからメカニック4名を採用。なかには設計者も参加しており、「普段、図面しか見ていない人間が、現場で実際の動きを見るいいチャンス。同じ三角を描くにしても中身のある図面がかけるような技術者を育てたい」とSTIの車両実験部長でもある辰巳監督は語った。
レース参戦の目的は勝敗だけでなく、辰巳監督曰く「クルマ作りの勉強のため」だという。車体の剛性やサスペンションのジオメトリや剛性などを実験するために走らせ、得た結果を謙虚に受け止めて次のクルマ作りに生かしていく。最近でいうと、インプレッサWRX STIをベースにしたコンプリートカー「R205」の車両パーツのほとんどは実際にレース参戦車に採用して走っていたという。
今回のSTI製の装着パーツは、フロントリップスポイラー、スカートリップ、フロントフレキシブルタワーバー、サポートフロントキット、リヤサスペンションリンクセット、ラジエターキャップ、強化クラッチカバー、クラッチディスクソリッド6MT 4PAD、強化ドラフトシャフト、リヤアンダースポイラーなど多数。
今年の車両は、昨年よりも車高を30mmダウンし(ノーマル車よりマイナス70mm)、重量は60kgの軽量化を図った。ほかにも旋回性能の向上、エンジンパワーの向上、トランスミッションギヤ比の最適化などを改善。さらにABSの装着などドライバーが余裕を持って運転に集中できる環境を整えたとのこと。
「いよいよレース素人のSTI社員による手作りのレースが始まります。スバルファンが喜んでくれることを願いながらチャレンジしたい」
・目標は?
「ズバリ優勝しかない。昨年、1位のVW・シロッコチームは142ラップ、2位のアウディ・A3チームは139ラップを走ったので、今年は140ラップ走るようなストーリーを立てます。優勝を目指した結果が3位だろうと5位だろうとかまわない」
・課題は?
「課題のひとつはピットワーク。ピットイン15回の中で給油に時間がかかる。F1では5~7秒程度だが、うちは2分かかる。スタッフの意識をかえて本番までに1秒の大切さを教えていきたい」
「去年はシロッコに手も足もでなかった。いやというほど速さを見せ付けられた。何度後姿を見たかわからないから、今年はシロッコを脅かしたい。去年は初めてのパッケージで出場して完走したから、今年は金メダル目指して走りたい」
・課題は?
「自分自身の課題は、“気持ちを高めていられるか?”ということ」
「軽量化やABS装着など年々クルマが進化しているし、AWDというパッケージングから悪天候など天気次第ではいいところを争えると思う。昨年は日本で応援してくれる人が人が増えたので、今年も応援してもらえれば結果がついてくると思います」
参戦までの流れは、部品の新品交換や走行チェックなどを経て、3月末には車両をドイツへ送り出し、現地では本番コースで練習走行を行う。予選は5月13日(木)~14日(金)、決勝は5月15日(土)~16日(日)。「今年もカービューのブログで24時間中継をやる! シロッコとの差をツィットする!」と意気込みを見せる清水和夫氏の言葉通り、現地での模様は後日、特集を組んでお届け予定。
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