新型コルベットZ06試乗 V8過給 650ps/881Nm
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:GMジャパン
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:GMジャパン
サーキットで腕を磨きたいなら絶対にZ07パフォーマンスパッケージ+7MTをおすすめするが、トラックモードで走る限り、650psのパワードリフトはマスターしたい。マグネライドダンパーのセッティングもよくできているが、ミシュラン パイロット スポーツ カップ2は限界ではピーキーだ。レース用タイヤのように限界を超えると一気にリバースしやすい。
ミッドシップやリヤエンジンのスーパーカーと違って、FRのモンスターマシンは暴れ出したらどう猛だ。Z06を調教できる腕を磨きたい。コイツを乗りこなすことができたら、ポルシェやフェラーリは屁の河童だ。
Z06クーペはリムーバブルトップ(タルガトップ)なのでルーフパネルを外して走ることができるから、ロードゴーイング派にも愉しめるスポーツカーだ。この場合はノーマルタイヤをおすすめする。浅溝のパイロット スポーツ カップ2では乗り心地も硬いし、ロードノイズも気になるし、出先で雨が降って高速走行できないのは最悪だ。ギアボックスはATでもMTでもいいだろう。サーキットとデス・バレーのドライブで分かったことは、日産 GT-Rやポルシェ 911 GT3にはない世界を持っていることだ。
「天気晴朗ナレドモ波高シ」という言葉は日露戦争の時に秋山真之中佐が大本営へ打電した文面だが、その意味の一つとして後世に伝えられたのは「艦隊の士気・気分は上々であるが、前途は困難なものになるであろう」というものだった。まさに最新のコルベットは世界に打って出るには開発者の士気も高く技術的にも商品性でも魅力がいっぱいだ。
そして、今までのコルベットとは一線を画するほど進化したZ06の実態をいかにスポーツカー派に知らせるのか。ポルシェやフェラーリが支配する世界に打って出るコルベットに勝機はあるのか。これからが楽しみな決戦である。
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