5分でわかる日本の交通取り締まりの問題点~清水和夫が本音を語る~
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫
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【提言1】事故低減効果のある場所で取り締まりを
「いつ・どこで・どのように」取り締まると、もっとも事故低減に効果があるのか。その評価は外部の中立的な立場で評価するべきだ。実際にクルマを使うドライバーや交通事故の被害者の意見を反映する必要もある。あまり危険だとは思われないような場所でスピード違反を取り締まると、捕まったドライバーは納得できない気持ちになる。この感覚は重要で「なぜ自分だけが?」と思うか「反省すべき」と思うかは、その後のドライバーの安全認識を大きく左右してしまう。警察が本当に事故を未然に防ぎたいなら、理不尽な取り締まりはかえって逆効果だ。形式的・マニュアル的な取り締まりは早急に見直したい。
【提言2】制限速度をもっと明確に認知させる
スピード違反を取り締まるだけでなく、制限速度を明確に知らせる必要がある。日本の高速道路は制限速度の標識が左側にしか存在しない。本来ならスピードが高い追い越し車線の右側、つまり中央分分離帯に設置すべきだ。これは道路管理者である国土交通省に提案したい。
【提言3】違反切符の前にイエローカードで警告を
警察は取り締まりだけでなく、ルールをいかに守らせるかを工夫する必要がある。いきなり違反切符を切るのではなく、違反の内容次第では、イエローカード的な警告を出すことを考えてもいいだろう。大切なことは国民と警察の信頼関係が築けるかどうかだろう。
【提言4】本当に必要なのは生活道路の速度制限
最近は生活道路における歩行者(自転車を含む)の死亡・重傷事故が増えている。市街地は多くの場合、時速30kmに制限されているが、こうした生活道路ではスピード違反の取り締まりが行われていないので、実際に守られているとは言い難い。実は欧米ではスピードが低い市街地でも積極的に速度取り締まりを行っている。クルマ同士の事故よりも歩行者事故のほうがずっと致死率が高く、しかも時速30kmを超えると致死率が高まることも知られている。従って、生活道路ではもっと積極的な取り締まりが必要だ。自動運転の実用化を目指して、道路には様々なセンサーが設置されてはじめている。こうした新しい技術を有効に使い、歩行者事故を抑止する取り締まりは急務だ。
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