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ポルシェの電気自動車タイカン。意味は子馬だが価格はサラブレッド

EVでは珍しいトランスミッションを搭載

タイカンには「ターボ」と「ターボ S」の2種類のバリエーションが用意される。共にベース出力は625psだが、オーバーブースト(ローンチコントロール)ではターボが最大出力680ps、最大トルク850Nm、ターボ Sは最大出力761ps、最大トルク1050Nmを発生する。

両モデル共に2基の電気モーターを搭載する4WDで、リアにはハイとローギアの2速トランスミッションを持つ。リアの1速は理論的には130Km/hまで届くが、実際は85km/hでシフトアップする。セカンドギアは高速付近でエネルギーの節約をする。このギアはポルシェとZF の共同開発で、重さは70kgもある。なぜ2速かと言えば、確かに電気モーターは0回転から高トルクを発しする。しかし1万6000回転も回る電気モーターにローギアを組み合わせればスタート直後の加速力がさらに向上するのと、2速のギア比を高めることで電費も向上するからだ。

その結果0-100km/hはターボが3.2秒、ターボ Sはなんと2.8秒で到達する。一方、最高速度は共に260km/hでリミッターが働く。「600ps以上で300km/h以下?」と 落胆する人もいるかも知れないが、ポルシェはこの速度が実質的な巡行最高速度で、航続距離もこの速度では極端に縮まらないと強調する。

またドライブモードは「レンジ」、「ノーマル」、「スポーツ」、「スポーツ プラス」となっており、ステアリングコラムにあるロータリースイッチで選択する。またBEVで必須の20km/hまでの人工警告音(AVAS)は当然のことながら、オプションで人工モーターサウンドが用意されている。残念ながらこの日には聞けなかったが、担当者によれば「今さらV8エンジンはありません。また歯医者の“キーン”という電気モーターの音もNGです。パワートレーンから、相応のサウンドは作り出しています」と説明があった。

この発表会が行われた週末、ポルシェのテストドライバーのラルス・ケルンがドライブするタイカンは、ニュルブルクリンク北コースで7分42秒という、4ドアEVスポーツカーとしては最速のラップタイムを記録した。

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