ゴルフGTIクラブスポーツに試乗。雨中のサーキットで実力を確認
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:篠原 晃一
ハイパワーFFゆえに、ウエットのサーキットでわずかでもステアリングが切れた状態でスロットルを踏み込むと、アンダーステアをハッキリと感じる。普通のFF車なら、そこでステアリングを切り増すなり、スロットルかブレーキでタックインを誘うなり、最後の手段としては前輪グリップが回復するレベルまで減速する……といった処置が必要である。
だが、クラブスポーツの場合は、それでもかまわずスロットルを踏み込んで解決してしまうケースが多い。アンダーステア感はそのままに、ステアリングを切った方向に強力にけん引されて、最終的にスロットルを戻さずに曲がってしまうのだ。
それはときに「クルマが斜めに走ってる?」と錯覚するほどの強力なけん引力だ。クラブスポーツも前輪より後輪のスタビリティが優勢の安定志向の基本特性っぽいが、少なくとも今回のようなウェットサーキットでは、前輪のけん引力に後輪が引きずられるように曲がっていく独特の感覚がある。
おそらく、これが電子制御LSD効果なのだろう。ノーマルGTIの“XDS+”はあくまで空転しかけた駆動輪にブレーキをかける疑似LSDであり、その効果は限定的でわずかな減速感も伴う。対してクラブスポーツの電子制御LSDは、正真正銘のデフロック機能。しかも、普段乗りになんら神経質さも不具合も感じさせないのが機械式LSDとの決定的なちがいだ。
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