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実現間近の通信技術5Gにどうして自動車業界は及び腰なのか?

実現間近の通信技術5Gにどうして自動車業界は及び腰なのか?

総務省 移動通信課 杉野 勲氏のプレゼンテーション「2020年に向けた5G及びITS・自動走行に関する総務省の取組等について」より引用

5G通信の弱点はどこにあるのか?

ところで4Gにしろ、5Gにしろ、携帯電話は無線通信なので、ある一定の周波数帯域を使うことになっている。この帯域は通信会社が自由に使えるわけではなく、政府から割り当てられるのが基本だ。4Gやスマホはだいたい6GHz以下の帯域を使っているが、最近はその帯域は混雑し始めている。クルマと同じで高速道路でも通行量が増えるとスピードは低下する。さらに繋がりにくい問題も起きやすい。そこで、5Gはより周波数が高いミリ波という帯域(30~300GHz)を使う。これらの帯域はこれまでモバイル機器に使用されたことがないから、そこが開放されるとユーザーは大きなメリットが得られる。しかし、ミリ波はビルなどの障害物を通過することが難しく(通常)、植物や雨にも吸収されてしまう。空いている周波数帯は障害物に弱いのだ。

こうした課題を解決するのがスモールセル基地局でのネットワークだ。半径数百メートル以下のエリアを設定し、低出力で小さなミニ基地局を多数つくり、それぞれが連携することで障害物を避けて通信を届ける仕組みだ。特に都市部では有効でスマホ・ユーザーの移動とともにコネクションが最寄りのミニ基地局に切り替わり、通信を保持できる。これは都市部のクルマでは有効だろう。

こんな夢のような通信技術だが、自動車メーカーは5Gに距離をおいている。情報通信技術は1年はおろか数ヶ月単位のスピードで進化するが、自動車は開発に数年はかかるので、どうしてもテクノロジーの後追いになってしまうからだ。今後、数年から10年後の実用化が期待される5Gだが、自動運転でどのように使うのかといった具体的なアイディアは出ていない。

それに、自動運転で事故を起こすとメーカーの責任になるとなれば、5Gとはいえ通信技術への信頼性はまだ低い。あくまでも自律センサー(車載するカメラやライダー)で認知判断操作するのが基本になっている。

しかし、高速大容量は魅力的だ。自動運転システムを開発するためにシミュレーションが重要になるが、そのためにはリアルなデータが必要だ。走行中の膨大なデータをクラウド経由で収集したり、詳細な地図をリアルタイムで更新する技術でも5Gは期待されている。今後、洗練された自動運転システムの実現には5Gは欠かせないはずだ。自動車セクターと通信会社の連携がさらに重要となるだろう。

(人気評論家コラム 文:清水和夫)

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