ついに花咲く時が来た!? カスタム系パレット登場

ついに花咲く時が来た！

幸運なことに、私は試乗タイムに某大物レーサーを運転席に迎えることができた。これで助手席や後席の乗り心地も存分に味わえる。最初はNAエンジンとCVTのコンビとなる、標準パレットの助手席に乗り込んだ。

副変速機構付CVTは、発進加速性能のアップと燃費アップを目的としていて、発進時にはより低い変速比、通常はより高い変速比を選択できるよう、前進２段の変速機構と従来のベルト式CVTを組み合わせたもの。ただし、乗っている身にそんな事情はまったく解るわけはなく、「穏やかにスーッと出ていくなぁ。音も静かになったみたい」とノン気に感心するばかり。不快な振動がまったくないのに驚き、後席に移っても、遥か前にいるドライバーとの会話が普通にできた。これはターボ＋CVTモデルに乗り替えても同じで、こちらの方がより重厚感があり、響くエンジン音もボーーと低い。

ひとしきり乗り心地を堪能した後は、大物レーサーからステアリングを奪った。実は、私はAT搭載のパレットでもほとんど走りに不満はなかったので、CVTの方が重量は重いだろうし、完成度としてはドッコイドッコイなんじゃないかな、などと思っていた。実際、SWのNAモデルでは、AT搭載のGSよりCVT搭載のXSの方が30kg重いし（CVTだけでは約20kgの増量）、ターボのTSだと60kg差だ。しかし、それを補って余りある威力を見せつけられる結果となった。全体的により軽快に、よりなめらかな挙動が体感できる。とくに印象的だったのは、NAの発進の時に、アクセルの踏み込み量が明らかに減ったことだ。そぉっと踏んでもスッと出る。そしてターボは全域でパワー感が増し、軽最強との呼び声高いスティングレーのターボから乗り換えても、遜色ないと思えるほどだ。

この走りを手に入れながら、SWのXS、標準のLとXはエコカー減税適合となったのだがら頭が下がる。また近々、パレットは日産から「ルークス」という名でデビューが決まっている。すでに実車を見てきたが、日産のミニバン兄弟の末っ子、といった風格あり。これらの新たな魅力を満載して、パレットはついに開花の時を迎えたようである。

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