アイサイトがさらに進化 スバル次世代技術発表
掲載 更新 carview! 写真:中野 英幸
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クルマが衝突を察知して自動でブレーキをかける"衝突回避ブレーキ"などの先進安全技術が、エコに続く新たなクルマ技術として話題を呼んでいる。中でもスバルの「アイサイト(ver.2)」は、スバル車の8割となる15万台に搭載されて大ヒット。日本ではこの種のシステムの代名詞になった感がある。
そんな中、スバルは10月2日に「アイサイト(ver.2)」の次世代バージョンを発表した。
現在、クルマや歩行者との衝突回避のために使われるセンシング・デバイスには、電波や音波を反射させてクルマなどを検知するミリ波レーダーや赤外線レーザーレーダーやソナーと、カメラ画像からクルマや人を識別する方法が主流だ。アイサイトに使われるのはカメラの画像認識技術で、複数のデバイスを組み合わせたドイツメーカーなどとは対照的に、ステレオカメラのみでローコストながら高い性能を実現してきた。
その性能は侮れない。例えば9月27日に発表されたIIHS(米国道路安全保険協会)のアセスメントではミッドサイズセダン&SUVの74車種中、1位のレガシィと2位のアウトバックのみが最高評価となる6ポイントを獲得。74台の中には安全技術に定評あるボルボやメルセデス・ベンツのモデルも含まれていると言えば、技術力の高さが伺える。
次世代アイサイトはどこが進化するのか? 実はステレオカメラのみで勝負しているところは変わらないのだが、高解像度になり、カメラの画角が広がり、望遠性能も上がり、解析技術も刷新され、検知性能が全面的に向上しているという。カメラがカラーになったことで信号やブレーキランプも識別するようになった。
こうした技術革新によって、次世代アイサイトは従来より早い段階から対象物を認識。その結果、プリクラッシュブレーキは30km/h→50km/hへ、プリクラッシュブレーキアシストは50km/h→70km/hへと守備範囲が広がり、効力が一層高まった。身長100cm以上の子供、自転車、バイクなどを識別できるところも認識性能の高さの証明だろう。
ライバルに先行を許していた操舵制御機能も追加された。高速道路のカーブではレーンの白線を読み取って車線中央を維持し(追従クルーズコントロール使用時)、直進状態でレーンをはみ出しそうになるとハンドルを制御して車線内に引き戻してくれる。
先行車の衝突を避ける際には、VDC(横滑り防止装置)によって旋回内輪にブレーキをかけることで、ドライバーのハンドル操作のアシストも行う。
さらに、AT操作やペダルの踏み違いの事故被害を軽減するAT誤発進制御には、後退時のAT誤後進制御も加わったほか、後退速度の上限をドライバーが選択できるリミッター機能も追加された。
次世代アイサイトが搭載されるのは、2014年に日本で発売される新コンセプトから。スバルのリサーチではアンケートを取ったアイサイト装着車購入ユーザーの2割が衝突回避ブレーキの作動を体験しているというから、リアルワールドでの効力は計り知れない。
一方、世界のプレミアムカーのトレンドは、デバイス複合型のより高度なシステムに移行しつつあるのも事実。次世代アイサイトのさらに次の世代のアイサイトの開発にも期待したい。
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