GLKがビッグマイナー 350 4マチックに乗った
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:メルセデス・ベンツ日本
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:メルセデス・ベンツ日本
SUVがすべて4輪駆動だと早合点しないほうがいい。メルセデスのGLKにはCクラスと同じように後輪だけで駆動するFRモデルが存在するからだ。GLKにFRが用意されたきっかけは右ハンドル車が設定できなかったことが原因している。
縦置きされたギアボックスから前輪へ駆動力を伝えるトランスファーのシャフトが、進行方向に向かって右側からフロントデフを介して前輪を駆動する。しかしGLKの車高ではステアリングのシャフトと干渉し、どうしても右ハンドルのパッケージが成り立たなかったとメルセデスはコメントしていた。
そのために日本や英連邦の国では右ハンドルのGLKが存在しなかったのである。問題解決のためにFRに限定したGLKの右ハンドル車なら、日本とイギリスで市販できると考えたことがあったそうだ。しかしライバルであるBMW X3やアウディ Q5は立派に右ハンドルのAWDが存在するので、GLKは日本市場ではハンディを背負っていた。
しかし、09年にドイツではディーゼルに限ってFRモデルが追加販売された。二輪駆動とすることでディーゼルのコストアップを緩和したのだ。実際、FRでもメルセデスのトラクション性能は優れているので充分に通用するし、燃費ではFRのほうが有利なのだ。
GLKの担当者に「右ハンドルがないし価格が高いので日本で苦戦している」と伝えると「FRでも売れるか?」と聞かれた。しかし前述の通りライバル車には右ハンドルのAWDが存在する。私は「なんとしてでも右ハンドルのAWDが必要である」と答えたのである。
ただ、アメリカの西海岸で生まれたSUVはもともと後輪駆動(FR)のピックアップトラックに端を発しているので、サマータイヤを履いてFRとして市販することは日本のメルセデスにとっても良いアイディアかもしれない。
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