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650Sでサーキット走行。MP4-12Cとの違いは?

650Sが受けたモディファイとは?

650SのエンジンはMP4-12Cと同じ3.8L シングルプレーン(クランクのピンとジャーナルが平面上にレイアウトされる)のV8ツインターボだ。ブースト圧を高め、「シリンダーカット」技術を投入するなど、独自技術が投入されている。シリンダーカットはスポーツ・モードのシフトアップ時に機能する。2つのシリンダーの点火を瞬間的に止め、再点火するときに燃料をひと噴きすると、独特のエグゾースト音を発するというオタクっぽい技術だ。またトラック・モードでは「イナーシャ・プッシュ」が機能する。これはスロットルを戻さないでシフトアップするレーサーの秘伝テクニックと同じだ。

その結果、エンジンはMP4-12Cの600ps/600Nmを上回る650ps/678Nmにパワーアップ。また、エンジンパーツには高ブースト圧に耐える独自のピストンも採用された。ちなみに、MP4-12Cオーナーはコンピューターのプログラムの無償アップデートが適用される。

エクステリアも空力的に洗練されたフロントスポイラーを使うことでMP4-12Cと差別化されている。タイヤは650S専用のピレリPゼロ・コルサ。P1やF1ゆずりの技術であるエアブレーキを下げて空気抵抗を軽減するDRSの採用や、軽量化も実現した(MP4-12C比マイナス6kg)。

マクラーレンが得意とするシャシー性能も妥協はない。独自技術のプロアクティブ・シャシー・コントロール(PCC)サスペンション・システムは、4つのダンパーの縮み側と伸び側を、左右・前後と互いにオイルラインでリンクさせることでフラットライドを実現するが、650Sではダンパーが強化されている。このように、乗り心地とダイナミクスを高い次元で両立することこそ、マクラーレンのエンジニア達の重要な仕事なのだ。

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