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三菱燃費不正問題の根源は何か? 試験の限界と企業倫理も考える

三菱燃費不正問題の根源は何か? 試験の限界と企業倫理も考える

写真:日産自動車

5回にわたって引き上げられた燃費目標

三菱自動車の「燃費届け出値の不正試験問題」は、最近になって急展開の様相を見せている。走行抵抗のデータ偽造。国が定めた方法(惰行法)とは異なる走行抵抗値の試験方法(高速惰行法)の採用。日産自動車が三菱自動車に資金支援。おまけに、5月18日にはスズキが走行抵抗を机上計算したデータを使っていたことが判明した。一連の不正や疑惑は分けて考えてみる必要がありそうだが、ここでは三菱自動車が何をしたのか考えてみたい。

まずは燃費不正だ。国が試験する際に必要な走行抵抗値は、メーカーが社内で測定したデータを申告するが、そのデータを意図的に偽造したと三菱自動車は認めたのである。

走行抵抗が小さいと燃費が良くなるので、上司から強いプレッシャーがかかって、燃費を誤魔化したというのが真相だ。燃費はエコカー減税の減税率を左右し、カタログや広告に表示されて販売に大きく影響する。結局、eKの燃費目標は5回も引き上げられて、いつの間にか燃費でクラストップになることがコミットされてしまった。 クルマの魅力は燃費だけじゃないのに、ユーザーも意味のない燃費競争に巻き込まれてしまった。

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