V8ヴァンテージ海外試乗 変えるもの変えないもの
掲載 更新 carview! 文:九島 辰也/写真:アストンマーティン
掲載 更新 carview! 文:九島 辰也/写真:アストンマーティン
今回の試乗では“スポーツパック”というオプション搭載車にも乗ることができた。5本スポークの軽量アルミホイールを履き、より減衰力の高いビルシュタイン製ダンパーを装備したモデルだ。バネレートも上げ、リアにはアンチロールバーも追加される(クーペのみ)。
このモデルで走り出してすぐに「何だこれ~」と思わず口走ってしまった。というのも、サスはガチガチで乗り心地がどうのこうのいうシロモノではないからだ。アストンの魅力にはあのしなやかなライド感覚が挙げられるが、このクルマにはそれがないといっても過言ではない。
そこで、なぜこういったオプションが必要なのかを問いただすと、彼らはマーケットニーズに応えたものだという。V8ヴァンテージオーナーの中には、このクルマをサーキット仕様にし、公道ではほとんど乗らない人も少なくないそうだ。普段は乗り心地のいいラグジュアリーサルーンや流行の高級SUVを利用するので、「V8ヴァンテージ」にはコンフォータブルなものは求めないという。
もちろん、そうでない人のためにオープンエアもあるのだが、このクルマが2シーターであることを考えれば、セカンド、もしくはサードカーとして購入される場面は多々あるだろう。現にヨーロッパでのMT比率が高いことを考えれば、こいつに“走り”が求められることは明らか。となると、このガチガチのスポーツパックの存在もわからなくもない。自らステアリングを握ってレースに参戦するベッツ氏率いるアストンマーティンとしては、そんなニーズに答えないわけにはいかないのだ。サルテサーキットで、24時間のほとんどをピットで過ごしたベッツ氏の行動を見ていれば、それも納得できる…。
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