ディーゼル・スキャンダルから1年。自動車の歴史が変わる予兆を感じる
掲載 更新 carview! 文:河村 康彦
掲載 更新 carview! 文:河村 康彦
近い将来に、量販型のピュアEVを発売する――VWやダイムラーが、まるで口裏を合わせたかのように謳い始めると共に、「VWが全従業員の5%をリストラ」という報道にも驚愕したことがいまだ印象に残る2016年。ちなみに、VWリストラの件は果たしてどのようなセクションに属する人がそこに当てはまるのか極めて気になるところでもあるが、これもまた自動車の歴史が変わる予兆のひとつであるように受け取れてならないものだ。
一方で、だからこそ「この先、これまで経験したことのなかった”何か”が起こるのではないか?」という期待も膨らむというもの。新しいコンセプト、新しいデザイン、そして新しいテクノロジー……と、これまでの常識を覆す”何か”と出会える可能性が、今、大きく高まっている予兆を感じるのだ。
自動車が誕生したばかりの黎明期、人々は様々な動力を考え、様々なデザインを考え、そして様々なテクノロジーを採用するに至った。が、後に「これこそが本命」と判断されるものが生まれると、誰もがそれをこぞって採用し、結果としてその多くが”似たもの同士”になった、というのがこれまでの歴史でもある。
そう、もしかすると自分たちは今、もう一度「新時代の自動車黎明期」に立ち会えているのかも知れない。そして皮肉ではあるものの、VWの“ディーゼル・スキャンダル”は、その引き金を引く一端になったのかも知れない、と自分はそう真剣に考えているのだ。
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