F8トリブートはフェラーリ最後のV8ガソリン車か。パワー向上でウラカンより720Sがライバルに
掲載 更新 carview! 写真:菊池 貴之
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スペシャルシリーズ(高性能限定モデルのこと)を除くフェラーリのV8モデル史上で最強となる2シーター・ミッドシップ「F8 トリブート(Tributo)」が日本でも発表されました。価格は3245万円です。
ちなみに“トリブート”は敬意や賞賛を表すことで、40年以上にわたるフェラーリの歴代V8モデルに対するオマージュ的な意味合いなんだとか。なにか限定モデル風ですが、「488 GTB」の正式な後継モデルです。
外観デザインからわかるように、F8 トリブートは先代488のビッグマイナーチェンジ版とも言えます。その488は「458 イタリア」のビッグマイナーチェンジ版なので、F8 トリブートは基本設計から10年を経ていることになります。
まあ、次世代プラットフォームを使うのは5月に発表されたフェラーリ初のプラグインHVモデルにして本命の「SF90 ストラダーレ」であり、トリブートは純ガソリンモデルの延命策なのかもしれません。
3.9L V8エンジンは488 GTB比でパワーが50ps/トルクが10Nm向上し、限定モデルの「488 ピスタ」と並ぶ720ps/770Nmへと引き上げられました。ボディは40kg軽量化され、空力性能も10%向上。
488のライバルとされた「ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテ」との比較では、出力で80ps、トルクで170Nm上回り、0-100km/h加速こそ2.9秒と同等ですが、最高速度は20km/h差をつける340km/h。数値的にはマクラーレンの高性能ライン「720S」(3338万3000円)とイーブンで、価格も488比で175万円アップとなっています。
また、ハイテク関連ではブレーキ制御システムのFDE+(フェラーリ・ダイナミック・エンハンサー)や、車両姿勢制御のSSC(サイドスリップ・アングル・コントロール・システム)が最新世代にアップデート。
こうなるとランボルギーニも黙っていないような!? V8ターボエンジンがリッター200psオーバーの800ps時代に突入するのが先か、ハイブリッド化が先か? 時代の流れ的には後者でしょうか。
エクステリアは488 ピスタが採り入れたフロントダウンフォースを増加させるSダクトの進化版を採用して、ダウンフォースなどの空力性能を向上。ブレーキ冷却口が設けられたフロントスポイラーは先代より複雑になり、ヘッドライトはLEDデイタイムライトが縦に並んだ特徴的なデザインから、ライト前端に細いラインLEDを配したシャープなものになりました。
また、ポリカーボネート製リアウインドウには、歴史的V8モデル「F40」のデザイン要素を現代風にアレンジしたルーバーも追加され、エンジン冷却効果を高めているとのこと。さらに初代V8フェラーリとして知られる「308 GTB」に由来する丸目2連のテールライトも採用。このあたりが歴代V8モデルへのトリブートを名乗る所以ですね。編集的にはガソリンV8シリーズの最後を締めくくる意味合いも感じましたが、いかがでしょうか。
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