さらに過激になったアルファード/ヴェルファイア。走りや安全性能は?
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一 10
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運転席と助手席、2列目はエグゼクティブラウンジとエグゼクティブではないラウンジに乗って乗り心地をチェックしてみた。現行型のアル/ヴェルは快適な乗り心地を追求してリアサスに独立懸架のダブルウィッシュボーンという形式が採用されているのだが、その利点が生かされ、ミニバンにありがちな突き上げるような衝撃は入ってこない。ただし基本的に乗用車としては相当高い位置に座っているため、ロール時の乗員の頭の位置の移動量は大きい。
ミニバンの場合、ゆらゆらとソフトな乗り心地を優先させ、ダルなハンドリングとするか、多少ゴツゴツとした乗り心地となってもハンドリングをキビキビさせるかという二律背反は、高価な電子制御サスでも使わない限りついて回る。アル/ヴェルは、例えばメルセデス・ベンツVクラスあたりと比較すると明らかにソフトな乗り心地を優先させているが、ミニバンといえども多くはオーナードライバーとしての使われ方が多いため、ハンドリングは軽視してよいということにもならないそうだ。このあたり、さすがはラージクラスミニバンのベストセラーだけあって絶妙な落としどころでまとめられているなと感じた。
エグゼクティブラウンジ仕様の2列目シートが素材的にも形状的にも滑りやすく、減速の度に身体が前へずれ、座り直さないとどんどんだらしない格好になっていく。この点をエンジニアに指摘すると、2列目乗員のアイポイントを運転席のそれよりも高くするため、あまり沈み込むように座らせたくないためという答えが返ってきたものの、あまりピンとこなかった。もう少し全体的に後傾させて身体がずれるのを防止すべきではないだろうか。日産エルグランドの2列目シートには背もたれの上半分のみ角度を変える機構が備わっているが、あれは快適性とアイポイントの高さを両立させていると思う。ただし全体のおもてなし感は完全にアル/ヴェルの勝利。エグゼクティブラウンジは停車している際の快適性は乗用車随一だろう。
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