最上級グレードを加え7速AT化や先進装備を進化させた「日産 キャラバン」。ハイエースとどっちを選ぶ?
掲載 更新 carview! 文:編集部/写真:望月 浩彦 144
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10月20日、日産のワンボックス「キャラバン」がビッグマイナーチェンジを果たしました。早速、改良点を見ていきましょう。
まず今回を機に、モデル名が「NV350キャラバン」から「キャラバン」へとシンプルになりました。日産によれば、世の中に広く馴染んでいる「キャラバン」のほうがブランディングしやすいとのこと。リアハッチのエンブレムもシンプルに「CARAVAN」になり、よく見ると前後のNISSANロゴも、昨年刷新された新意匠になっています。
また、ライバルであるハイエースの最上級グレード「ダークプライムII」(324万1000円、特別仕様車)に対抗するべく、新たに最上級グレードの「グランド プレミアム GX」(319万2200円、カタロググレード)が、従来の最上級グレード「プレミアム GX」の上に設定されました。
今回改良を果たしたのは2.0Lガソリンモデル。トランスミッションが5速から7速に多段化され、マニュアルシフトモードが追加されたのが最大のニュースで、動力性能や燃費性能(10.0→10.5km/L)が改善。ライバル(ハイエース)は6速ATなので、ギア段数で1段上回り、WLTCモード燃費(ハイエースは10.7km/L)や加速性能は僅差で負けるものの、高速走行時の静粛性で勝るとしています。
ちなみにディーゼルモデル(開発中)の発売時期は現在未定で、こちらは引き続き従来モデルが「NV350キャラバン」として販売されます。ちょっとややこしいかも。
先進安全性能も今風に引き上げられ、衝突被害軽減ブレーキは歩行者にも対応(改良前は車両のみ)、新たに踏み間違い防止アシスト、ハイビームアシスト、標識検知機能、ふらつき警報などが全車に追加されました。またEXグレード以上では標準装備のアラウンドビューモニターの性能が高められ、「キックス」「ノート」も採用する新世代のデジタルルームミラーが追加されています。
コロナ禍やアウトドアブームで乗用ワンボックスのニーズが広まったこともあり、シートの快適性にも手が入りました。運転席は全車標準で骨盤や胸郭(きょうかく)を支えるスパイナルサポート機能付きに変更。座面はウレタンが二重になり、長時間乗っても疲れにくくなりました(運転席&2名掛けの助手席)。実際に編集が座っても、フカっとしたクッションの厚みと適度な支えられ感が印象的。寒冷地仕様ではライバルにない前席シートヒーターがOP設定され、全グレードの座面・背もたれにウイルスや菌の増殖を抑制する抗菌加工も施されます。
デザインではフロントグリルとフロントバンパーが刷新されました。ボディカラーは「ピュアホワイトパール」と「ミッドナイトブラック」、「ステルスグレー」の3つの新色が追加されたほか、細かな擦り傷からの復元力をもつスクラッチシールドも特別塗装色として採用されています。
また、インテリアはダッシュパネルが2トーンから黒基調のモノトーンになり、メーターパネル中央のマルチインフォメーション画面は3.5→5インチに大型化されました。ATセレクターやシフトゲート、フラットボトム形状になったステアリングなどの品質感も高められています。
ちなみに価格感はロングボディ プレミアム GX(6名定員)で302万3900円と、MC前の同名グレード比で6万500円高となっています。
トランスミッションをはじめとする動力性能や先進安全性能をライバル並みに高め、ライバルに並ぶ最上級グレードの「グランド プレミアム GX」を新たに設定、ライバルを上回る快適なシートを装備した新型キャラバン(ガソリンモデル)。もともとのアドバンテージである後席の5:5の分割機構(プレミアムGX以上で標準、ハイエースに分割機構はなし)との合わせ技で、3名乗車で利用したい乗用やアウトドアユースでも、その魅力がクローズアップされそうです。
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