最高速度420km/h、ブガッティ シロンの量産モデル開発テストに同行
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office
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シロンは「ヴェイロン16.4をベースにしているが、単なる改良版ではない。1500psのハイパワーを実現するために、早い段階で基本コンセプトが変更された。「シロンはヴェイロン16.4とは、走りのキャラクターも含めて全く異なる新しいモデルなのです」とテストに同行するネツシル氏は語っている。
「レスポンスやドライバビリティが悪化するため、単純にターボチャージャーを大きくするようなことは避けたかったのです。最終的にはシーケンシャル制御のクアッド(4連)ターボを採用しました。排気ガスはフラップで制御され、低回転域ではプライマリーの小径ターボチャージャーへ、3800-4000rpmを境にセカンダリーの大径ターボチャージャーへ切り替えられます」
今回は、この過給システムが灼熱のデスバレーで想定通りに機能しているかも確認する。超高性能な16気筒エンジンは、しばしばスパークプラグがミスファイアする時もあったが、担当のゲーリケ氏は、イグニッションコイルからのデータを確認し、ドライバーにギアを変えてエンジン負荷を変化させるように指示を出す。故障の原因を探り、ラップトップでエンジン制御プログラムに対策を加えると、その後は全てが正常に作動を開始した。
続いて直射日光が容赦なく降り注ぐ丘の上の駐車場でゲーリケ氏は、「このような暑さの中で走行すると、ガソリンが温められて気化し始めます。そこでチャコール・キャニスター(一般的な車も装備するガソリン蒸気の吸着装置)を用いて放出を防ぐのですが、匂いはしないので十分機能しているようです」と満足そうな表情を見せた。
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