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ムラーノ・FF仕様、街乗りならこれで充分!

イヤラし過ぎず、野暮じゃない

価格は297万1500円と300万円を切る点も良い。ライバルのハリアーは、ほぼ同じ装備では300万円を超える。それにムラーノと比べると、ハリアーは若干街乗りSUVとしての艶が足りない。もちろんトヨタとしては艶っぽさを押し出したSUVなのだが、近頃の日産はデザインに長けていて、比べると時代の空気としてエロスなのはムラーノの方だと僕は思う。ハリアーは艶っぽさを感じないこともないが、そこはトヨタでどこかマジメな感覚が抜け切らない点が違うのだ。だからハリアーは後付けのパーツ次第で“夜仕様”への雰囲気を手に入れる。対してムラーノはそのままで十分、エロさがあっていい。

おそらくその背景には、日産の看板であるムラーノのどこかに、同社の高級車ブランドであるインフィニティの影を感じるからだろう。そこにはEXやFX、QXといったインフィニティのSUVが持つエレガンスや艶かしさといったエッセンスが少なからず感じられるのだ。もちろんハリアーも、海外ではレクサスブランドなのだが、本家レクサスのRXの存在や、一方のトヨタのヴァンガードの存在もあって、やや立ち位置が定まらない感がある。そうした背景を考え合わせると、やはりムラーノには街乗りSUVに相応しい雰囲気が漂っているのだ。

もし僕が自動車ジャーナリストをしていなくて独身だったら(笑)、こういう艶を感じるSUVで、ちょっとチャラいと言われながらもライフスタイルの良き相棒にするんじゃないかと思う。

というのも何だかムラーノには、良い意味で調子の良い感覚があってそれが不思議と魅力的に映る。夜の街でオンナのコを乗せて、いい感じの場所へ、というような時にイヤラし過ぎず、野暮ったくはならずの雰囲気がある。そしてそんな使い勝手で4WDかFFかは当然、論として不要なのだ。そんなことより、クルマを使うシーンでいかにスマートにいられるか? そう考えた時、艶のあるSUVは実に収まりがいい。

なんだか柄にもなく、雰囲気重視で記してしまったけど、実は僕もそういう世界に憧れているのだ、親爺だけど。いや、親爺だからか(笑)。

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