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自動車メーカーはポスト・グローバリズムのクルマ作りを目指せ【2015総括&2016展望】

自動車メーカーはポスト・グローバリズムのクルマ作りを目指せ【2015総括&2016展望】

(写真:ロイター/アフロ)

グローバリズムに乗り遅れたくなかったタカタ

タカタのエアバッグ事業は1980年代後半にホンダの提案もあって始まった。ところが2000年頃になると、当時使われていた火薬の「アジ化ナトリウム」が毒物指定されてしまう。各エアバッグメーカーが代替品探しに苦労する中、タカタが目をつけたのは、低コストで高性能だが、温度と湿度に対して不安定な性質で知られ、自動車への利用は難しいと考えられていた「硝酸アンモニウム」だった。しかし、タカタは硝酸アンモニウムを安定化させる独自の製造法を開発し、小型・軽量・低コストなエアバッグの量産に漕ぎ着けたのである。

その後、急速に高まるエアバッグへのニーズと、自動車メーカーのグローバル化の波に乗って、ライバルメーカーを尻目にタカタは急成長を遂げる。しかし現在、高温多湿の地域を中心に、安定化したはずの火薬が暴発して死亡事故が発生し、この年末にも、8人目の死亡事故が米国政府によって認定されている。「もっと慎重に火薬の選定をしていれば」と悔やまれるが、当時はグローバリズムの波に乗り遅れまいと必死だったのだ。

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