日本の自動車産業を支える軽自動車。家族1人に1台という地域では維持費も安く、経済性にも優れる軽自動車は必需品だ。
しかし小さな車体は安全性という面ではやはり不利なのはたしか。しかし、自動ブレーキの登場で安全面でもめまぐるしい変化が起こっている。
変わった? 変わってない? NSX 改良新型 見た目はプチ変でも中身は激変!?
「どの会社も似たようなもんでしょ?」と思う人も多いかもしれないが、実はふたを開けてみるとかなりの差があるのも事実。
軽自動車の自動ブレーキの安全性ベスト3を紹介。これを読めば軽自動車の自動ブレーキ性能丸わかりです!!
文:永田恵一/写真:ホンダ、スズキ、日産、YouTube(独立行政法人自動車事故対策機構)
■その自動ブレーキ、気休め程度の効果しかないかも!?
今や自動ブレーキは新車を買うなら「付いていて当たり前」の装備で、自動ブレーキの性能がクルマを買う際の重要なチェックポイントにもなりつつある。
自動ブレーキはまだ新しい分野のため、文字通り日進月歩な上に性能差も大きく、「どれがいいのか?」が分かりにくい装備でもある。
中でも軽自動車は免許取りたての初心者から高齢者まで特に幅広いユーザーが乗るジャンルだけに高性能な自動ブレーキの必要性が一層高いのもあり、自動ブレーキの競争も激しい。
その反面で登録車以上に性能の差も大きく、優秀な自動ブレーキを選ぶのは難しい。上の動画はN-ONEの自動ブレーキテストだが、ご覧のように時速20km/hまでの対応となっている。
もちろんないよりは断然あったほうがいいのだが、同じホンダのN-BOXは50km/hでの停止も可能にしているなど同一メーカーでも車種間で差がある。
当記事では軽自動車の自動ブレーキの性能を紹介しながら、ベストな自動ブレーキを持つ軽自動車を選出する。
まずは各社の自動ブレーキ性能をまとめてみた。性能表示は独立行政法人自動車事故対策機構による自動車アセスメント「JNCAP」をベースに行った。
新型車など一部JNCAP未評価車は同様のシステムを搭載する車種にて引用した。
■ホンダは業界随一の自動ブレーキを装備
1. シティーブレーキアクティブシステム(周囲の情報収集のためのハードウェアはレーザーセンサー)
【搭載車種】
S660、N-BOXスラッシュ、N-ONE、N-WGN。
【備わる機能】
・30km/h以下での車両に対する衝突回避&被害軽減
・2ペダル車の誤発進抑制機能
【性能】
(以下、N-WGNのJNCAPの予防安全アセスメントの結果より)
停止車両への追突防止:20km/hならば停止
※最も安価かつ簡易なレーザーセンサーを使うタイプはどのメーカーのものでも30km/h以上では作動せず、歩行者への対応もないため、現在の基準では古い印象を隠せない。
2. ホンダセンシング(周囲の情報収集のためのハードウェアはミリ波レーダー+単眼カメラ)
【搭載車種】
N-BOX、N-VAN
【備わる機能】
・車両、対向車、歩行者に対する衝突回避&被害軽減
・前後の誤発進抑制機能(2ペダル車)
・路外逸脱抑制機能
・歩行者事故低減ステアリング
・30km/h以上で作動する先行車追従型のアダプティブクルーズコントロー&LKAS(車線維持支援システム、それぞれ2ペダル車のみ)など、合計10種類
【性能】
(以下、N-BOXのJNCAPの予防安全アセスメントの結果より)
・前方停止車両への追突防止:50km/hで停止
・大人の歩行者の単純な飛び出し:60km/hで停止
・子供の単純な飛び出し:40km/hで停止
・大人の陰からの飛び出し:35km/hで停止
■日産&三菱はホンダと同等の優秀さ
e-Assist/三菱、日産/インテリジェント エマージェンシーブレーキ(機能は同じ。周囲の情報収集のためのハードウェアは単眼カメラ)
【搭載車種】
eKワゴン、eKスペース、デイズ、デイズルークス
三菱&日産の軽自動車の自動ブレーキはホンダのシティーブレーキアクティブシステムなどと同様のレーザーセンサータイプだったが、2018年5月の一部改良で日産車の自動ブレーキが使っている単眼カメラタイプに変更。
劇的どころではない性能向上に加え、アライアンスによる「高性能なものを大量生産により安価に提供する」という大きな目的が達成されていることはとても高く評価できる。
【備わる機能】
車両、歩行者に対する衝突回避(対車両/約10km/hから80km/h、対歩行者/約10km/hから60km/hで作動)&被害軽減、前後の誤発進抑制機能。
上級グレードには車線逸脱警報システム、「ハイビームの積極的な使用を自動で行う」オートマチックハイビームも装備される。
【性能】
三菱&日産の軽自動車に付くようになったまだ新しい自動ブレーキはJNCAPの試験を受けておらず、同じシステムを使うノートの最新モデルのJNCAPの試験結果を引用する
・停止車両への追突防止:50km/hで停止
・大人の歩行者の単純な飛び出し:60km/hで停止
・子供の単純な飛び出し:40km/hで停止
・大人の陰からの飛び出し:45km/hで停止
・子供の陰からの飛び出し:40km/hで停止
■スズキは搭載車種は限られるが新システムは優秀だ
1.レーダーブレーキサポート(周囲の情報収集のためのハードウェアはレーザーセンサー)
【搭載車】
アルト全般、ラパン、ハスラーのGグレードの2ペダル車、エブリイワゴン&バン
【備わる機能】
・30km/h以下での車両に対する衝突回避&被害軽減
・2ペダル車の誤発進抑制機能
【性能】
(以下、ラパンのJNCAPの予防安全アセスメントの結果より)
停止車両への追突防止:20km/hで停止。
2.デュアルカメラブレーキサポート(周囲の情報収集のためのハードウェアはステレオカメラ)
【搭載車】
ハスラーのXグレード
【備わる機能】
・車両、歩行者に対する衝突回避
・誤発進抑制機能
・車線逸脱警報機能
・ふらつき警報機能
・先行車発進お知らせ機能
【性能】
(以下、ハスラーのXグレードのJNCAPの予防安全アセスメントの結果より)
・停止車両への追突防止:50km/hで停止
・大人の単純な飛び出し:55km/hで停止
・子供の単純な飛び出し:40km/hで停止
・大人の陰からの飛び出し:45km/hで停止
・子供の陰からの飛び出し:25km/hで停止
3. デュアルセンサーブレーキサポート(周囲の情報収集のためのハードウェアは単眼カメラ+レーザーセンサー)
【搭載車】
ジムニー、スペーシア、ワゴンR
【備わる機能】
・車両、歩行者に対する衝突回避(対車両/約10km/hから100km/h、対歩行者/約5km/hから60km/hで作動)&被害軽減
・誤発進抑制機能
・車線逸脱警報機能
・ふらつき警報機能
・先行車発進お知らせ機能
・ハイビームアシスト
【性能】
(以下、ワゴンRのJNCAPの予防安全アセスメントの結果より)
停止車両への追突防止:50km/hで停止
大人の歩行者の単純な飛び出し:15km/hで停止
大人の陰からの飛び出し:30km/hで停止
※ジムニーはまだJNCAPの試験を受けておらず、同じシステムを使うワゴンRとスペーシアでも若干性能差はある
■ダイハツは少し遅れ気味だが軽トラックに設定の積極性は◎
SAIII(周囲の情報収集のためのハードウェアはステレオカメラ)
【搭載車】
コペン以外商用車も含め全軽自動車に設定(軽トラックのハイゼットトラックには軽トラック用にチューニングされたSAIIItが設定される)
【備わる機能】
・車両、歩行者に対する衝突回避&被害軽減(対車両/約4km/hから80km/h、対歩行者/約4km/hから50km/hで作動)
・2ペダル車の誤発進抑制機能
・車線逸脱警報
・先行車発進お知らせ機能
・オートハイビーム
【性能】
(以下、ミライースのJNCAPの予防安全アセスメントの結果より)
・停止車両への追突防止:40km/h程度なら停止できる模様
・大人の歩行者の単純な飛び出し:35km/hで停止
■【まとめ】結局どの自動ブレーキ装着車が優秀!?
JNCAPの成績とJNCAPのテストにはない夜間の歩行者への対応などの要素を総合してベスト3を選んだ。
・3位 ホンダN-BOX
日産&三菱に対し同等の性能を保持しているものの、夜間の歩行者と子供の陰からの飛び出しに対応していないのを減点材料とし3位。
N-BOXは上動画のように大人の物陰からの飛び出しには35km/hまで対応しているものの、同様のケースでの子どもの飛び出しには対応していない。
2017年デビューで新しいイメージの強い現行型N-BOXながら、自動ブレーキの進化のスピードの速さには驚かされる。
・2位 ホンダN-VAN
N-BOXのホンダセンシングに対しN-VANのホンダセンシングは夜間の歩行者にも対応するが、子供の陰からの飛び出しには対応していないと思われるため、今回は対歩行者の自動ブレーキの性能にウエイトを置き2位とした。
N-BOXと同様の自動ブレーキを採用しているものの、その動作性能を高めることで夜間の歩行者検知にも対応した点は評価できる。
・1位 三菱eKワゴン/eKスペース、日産デイズ/デイズルークス
前述したようにJNCAPで評価がまだされておらず、予想性能ということになってしまうことはご了承願いたい。
新しい三菱&日産の軽自動車用自動ブレーキは夜間の歩行者にも対応し、日中の歩行者の飛び出しに対する性能もN-BOX、N-VANのホンダセンシングの上を行くはずだ。
JNCAPの成績を中心に評価すると上記のような順になる。自動ブレーキの性能に特化した三菱&日産の新システムはたしかに優秀であるが、ホンダセンシングにもアドバンテージがある。
それは自動ブレーキ昨日での対向車と正面衝突を避けられない状況でホンダセンシング車が減速し、被害軽減に絶大な効果を発揮する機能、高速道路を使った長距離移動時などに非常に有難いアダプティブクルーズコントロール&LKASといったものだ。
そのためホンダセンシングと三菱&日産の新しいシステムの性能差、総合評価はユーザーが重視するポイントや欲しい機能の優先度によって評価が変わるくらいの僅差といえる。
総合すれば、軽自動車の自動ブレーキの性能はホンダと三菱&日産の新しいタイプがスズキ、ダイハツを大きくリードしており、しばらくはこの両社が牽引していくことになるだろう。
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