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電気自動車がアガリでいいのか? 人生最後に乗る「アガリのクルマ」

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電気自動車がアガリでいいのか? 人生最後に乗る「アガリのクルマ」

クルマ好きも、50代にもなると、自分のアガリのクルマは何だろうと、自問自答するようになる。最後は、若い頃から憧れていたあのクルマの香りを嗅ぎながら死にたいとか、いままで考えてもいなかった新しい世界のクルマに乗りたいとか、いろいろ考えるものだ。60代、70代ともなればなおさらだろう。

電動化オンリーの時代はあと10年もしないうちにやってくる。あっという間だ!

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真のアガリのクルマとは何か? 厳密にいうと、必然的にEVがアガリになってしまうので、アガリひとつ前のクルマということになるだろうか。この難題にモータージャーナリストの清水草一氏が大まじめに考えてみた。

文/清水草一
写真/トヨタ日産ホンダダイハツ、国土交通省、ベストカーweb編集部

【画像ギャラリー】やはり最後のクルマはスポーツカー!? 「新型 Z 」優先のアガリのクルマを写真でチェック!!

■究極のアガリのクルマは、完全自動運転のCO2排出ゼロ車

政府は2050年のカーボンニュートラルを目指しているが、クルマの使用する段階でCO2排出量を抑えるだけでなく、材料や部品、車両製造、燃料製造、EV車に供給する電気の発電など、LCAで発生するCO2をゼロにする、としているが、あと30年あまりで本当に実現できるのだろうか?(出典:自工会資料)

アガリ、つまり死ぬ寸前まで乗れるクルマは、自動的にコレになる。もちろんこんなクルマはまだ出ていないが、10年もすれば、これに近いものが出るだろう(たぶん)。

完全自動運転が実現してない段階なら、老いた自分を助けてくれる、”ほぼぶつからない”予防安全装置を備えたクルマでもOK。

加えて、世の流れはカーボンニュートラルであるから、死ぬまで安心して乗れるのは、EVであれFCVであれ水素エンジン車であれ、CO2を排出しないクルマだ。その両方が揃えば、死ぬ寸前まで乗れる「はず!」

つまり、真のアガリのクルマは、まだ見ぬ未来のクルマだ。それについて、あれこれ考えてもムダである。我々は、ただ世の流れに身をまかせていればいい。

世の中は、運転寿命を延ばす方向に動いている。我々には追い風が吹いている! アガリのクルマは、その追い風に乗って忽然と現れるはずだから、しぶとく免許を返納せずに、登場を待とう!  というわけで、我々があれこれ考えて楽しむべきは、「アガリのひとつ前のクルマ」だ。 それを、タイプ別に考察してみた。

■アガリの準備としての「初めてのハイブリッドカー」

燃費スペシャルの新型アクアB。WLTCモード燃費は35.8km/L。アガリの準備のクルマとして初めてのハイブリッドカーはいかがだろうか?

別にアガリの準備をする必要もないのだが、もしもあなたが、まだハイブリッドカーを愛車にしたことがないのなら、クルマ好きのヨロコビを広げる意味で、ぜひお薦めしたい。

今年、私の友人のフェラーリ用マフラー職人(52歳)が、中古のレクサスCTを購入した。彼は、自身5台のフェラーリを乗り継いだフェラーリマニア。電動化とは正反対の世界に生きてきたが、その彼が初めてハイブリッドカーを自家用車にして、その面白さに、“どハマリ”した。

「燃費計の数字を伸ばすのがメチャメチャ面白くって、頭の中の8割は燃費のことになりました。ガソリン価格が上がれば上がるほど、ヨッシャー! って思いますし(笑)」

私も初めて初代プリウスを買った時は、そのヨロコビの奥の深さに震撼した。クルマ好きほどハイブリッドカーにハマる! 燃費はいいし、飛ばさなくなるから安全。ゆっくり走れば走るほどヨロコビが増幅するのだから、老化しても頭脳ゲーム的に楽しめる。アガリのひとつ前のクルマとして大推薦である。

初代プリウスが登場してからすでに約四半世紀。日本にはハイブリッドカーがあふれている。そのどれを買っても、それなりのヨロコビはあると思うが、究極は現行型のヤリスハイブリッドだ。

とにかく燃費がケタはずれ! 実燃費でリッター40キロが狙える! いままでリッター10キロそこそこのクルマで満足していたクルマ好きにとって、それはまるで天上界。突如自分がオリンピック選手になったような感覚が味わえるはずだ。

しかもヤリスハイブリッドは、軽量コンパクトでスポーティゆえ、従来的なクルマのヨロコビも十分満たしている。ヤリスの毒虫顔がイヤなら、新型アクアもイイネ!

■災害に備えて、「コンパクトなクロカン4WD」

コンパクトな4WDのタフトはいかがですか?

若い頃は「災害なんぞオレとはカンケーねぇ」と思うものだが、年を取るほどに、備える気持ちが高まってくる。備えるだけでなんとなく楽しくなる。

災害への備えと言えば、やっぱりクロカン4WDということになるだろう。その究極は、登場したばかりのランクル300だ。なにしろ世界最強の信頼性を持つオフロード4WDなのだから! 新登場のディーゼルターボなら燃費も悪くない。GRなら顔付きもイケてる。中高年でもモテをあきらめない! みたいな気持ちにもなれる。

しかし、納車待ち4年(?)というのは大きなネックだし、60代、70代で、巨大なランクル300というのも、ちょっとキツくないですか? 人間、年を取るほどに、小さいクルマがうれしくなるものです。これは赤ちゃん返りなのでしょうか。

小さくて無敵のクロカン4WDとなると、現行ジムニーで異論はあるまい。でも、こっちも納車待ちが2年……。もちろん待ってもいいですよ。あるいはプレミア払って中古車を買ってもいい。ただ、ジムニーは3ドアだし、ATだと燃費はぜんぜん良くないし、なんだかんだと家族から不満が出るかもしれない。

そこで、ぐーっとレベルを落として、タフトの4WDモデルでどうでしょう? タフト、いいクルマですよ。シャーシはDNGA。ビックリするほどしっかりしている。

ライバルのハスラーより若干イイ! タフトで災害への備えになるのかと言われれば微妙だが、別にランクル300やジムニーなら生き残れるというわけではなく、日本では「フツーのクルマよりは多少水没に強い」くらいのものじゃなかろうか。ならタフトで良くないですか?

まあ、具体的な車種はみなさんの妄想におまかせします!

■最後のスポーツカーに、憧れのフェアレディZ!

2021年8月18日に北米で発表された新型Z(ニューヨーク・タイムズスクエア前)。400ps/474Nmを誇る3リッターV6ツインターボのVR30DDTTエンジンを搭載。日本発表は2021年末の予定

死ぬまでにもう一度、スポーツカーに乗りたい。子供も巣立った今ならそれが可能かも! と妄想している中高年は少なくないはずだ。

そんな時、黙って絶対的にオススメできるのは、軽量コンパクトで世界第一級に美しい現行ロードスターなのですが、もうさんざんオススメしてきたので、今回は新型フェアレディZを推したいと思います!

なにしろZだ。中高年にとってはZというだけで特別。昭和のカッコよさの結晶である。新型は初代へのオマージュ色が濃く、見ただけで若返る。

しかもエンジンは、ドッカーンとパワーが炸裂する400psのV6ツインターボ! しかもMT! まさに最後にひと花咲かせる感じである。新型Zに乗っておけば、次は自動運転のEVでも人生に悔いなし!

ATもあるが、新車で買える最後のMT車としてアガリのクルマにしたい!

■最後のオープンカーなら、オッサンにも似合う「コペン

4つの顔を持つコペン。左から順に、コペンセロ、ローブ、コペンGR SPORT、エクスプレイ。購入後着せ替えができる点も大きな魅力だ

全人類に絶対的にオススメできるオープンカーと言えば、現行ロードスターなのだが、すでにさんざん書いてきた。

それに、ロードスターには欠点がある。

あまりにもデザインが美しいので、乗っている自分がショボく見えるのだ。ロードスターの幌を、ためらいなく開け放てるオッサンは勇者である。

その点、コペンなら躊躇はいらない。なにしろコペンはぜんぜんあんまりカッコよくない。どちらかというとそのデザインはお笑い系だ。カッコよくないので、カッコつけてるようにも見えない。

オッサンが乗ると、これが実によく似合う。誰が乗っても、どこかお笑い芸人みたいに見えて、周囲の目も温かい。

それでいて、電動で手軽にオープンエアを楽しめる。もちろんサイズも小さいから、おじいさんになっても取り回しには苦労しない。オッサン向きのオープンカーならコペン!

■最後のカッコいいセダン系として「新型シビック

新型シビックは8月5日に正式発表され、9月3日発売される。今回はセダンはラインナップせず、ハッチバックのみ。ボディサイズは全長4550×全幅1800×全高1415mmと数値では先代よりわずかに拡大

オッサンは、昭和的価値観からどうしても抜けられない。たとえば、E30のBMW3シリーズみたいなコンパクトで端正なセダンが、ものすごくカッコよく見える。若かりし頃、「六本木のカローラ」は超高嶺の花であった。憧れたなぁ~。

もちろん、現行3シリーズもカッコいいですよ。先代3シリーズはもっとカッコいいです(私の愛車です)。プジョー508もカッコいいよねぇ。カッコいいセダンは、探せばいろいろある!

でも、新型シビックも、妙にカッコよくないですか? 正確には5ドアハッチバックだけど、あれってセダンの派生形だよね!? 先代シビック5ドアハッチとはぜんぜんフォルムの系統が違う! プジョー508とかBMW4シリーズとかの感じ!

国産車にああいうカッコいいセダン系のモデルって、他にない! あれを見たら、オッサンの血がたぎってしまう! アガリのひとつ前に新型シビックを! 1.5ターボなら6MTもある! 来年にはハイブリッドも出るそうです。

先代シビックは全体の3割がMTだったという。新車で6速MT車が買えるというのは嬉しい

■ピュアEVへの準備として、「先代プリウスPHV

2012年1月に発売された先代プリウスPHV。エンジンやモーターの出力は通常のプリウスと同じだが駆動用バッテリーを4.4kWhに大型化。EV走行は満充電で26.4km走行可能

個人的には、今はまだピュアEVを買う時期ではないと考えまする。なにせこれから短期間で長足の進歩が発生するであろう分野。今のEVはあっという間に旧式になる。たぶん。

でも、自分の車庫に普通充電が設置できる方なら、まずはプラグインハイブリッドを「アガリのひとつ前」にするのもオツではないか?

ただしあくまで「ひとつ前」なので、あんまりお金はかけたくない。ってことで、先代プリウスPHVがイイ! 現行プリウスPHVだと、中古でも200万~300万円しちゃうけど、先代なら100万円そこそこから買える!

100万円で、航続距離を気にせず乗れるプラグイン車が買えるのって、なんだかとってもお買い得だよね? 同時にハイブリッドのヨロコビも味わえるし。アガリのひとつ前感もバリバリだ!

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