マニアックな愛車遍歴を持つ自動車ライターが選んだ「いつか所有してみたいクルマ3選」
掲載 carview! 文:伊達軍曹 60
掲載 carview! 文:伊達軍曹 60
クルマ好きなら誰もが知る数々の名車を所有してきた自動車ライターの伊達軍曹。自他共に認める筋金入りのクルマ好きである彼が「いつか所有してみたいと思っているクルマ」とは? 今回は厳選した3台と、その理由を語ってもらう。
過去、狂ったように中古の輸入車ばかりを乗り継いできた。
いや世の中には私以上の数を乗り継いだ猛者など星の数ほどいらっしゃることは重々承知だが、それでもランチア「デルタHFインテグラーレ エボルツィオーネII」や964型のポルシェ「911カレラ2」、シトロエン「2CV」などの歴史的名車に乗り(※最後の2CVは「歴史的名車」と呼ぶには少々微妙かもしれないが)、メルセデスやBMWなどの一般的な(?)ドイツ車、ブッソーネV6エンジンを搭載したアルファロメオ等々、さまざまな「ステキな車」に乗ってきたことだけは確かだ。
そうなるとしばしば言われるのが、「それだけ乗れば、もうほかに“買いたい車”なんてないでしょ?」ということだ。
……何を言っているのだ。私を、いや車好きの情念をナメてもらっては困る。いまだ私は「買いたい車だらけ」であり、心の中は「あのときアレを買っておけば良かった……」という後悔の念でいっぱいだ。
ということで、特にお役には立たないかもしれないが、そんな私が「ずっと買いたいと思ってました!」という車のいくつかをご紹介しよう。
>>シトロエン 2CVってどんなクルマ?
>>ランチア デルタってどんなクルマ?
>>アルファロメオ GTVってどんなクルマ?
ミニといっても今BMWが作っているやつではなく、英国車であった“元祖”のほうである。
今となってはまったくもって古くさい設計であり、「BMW製のと違って本当にミニ(小さい)」であるため、人も荷物も大して収容できず、ついでにうるさい車でもある。
だがあの「まるで若き日の俊敏で強い身体の動き」を取り戻したかのような錯覚に襲われるダイレクトな操縦感覚は、元祖ミニのあのサイズとあの作りでしか味わえないものである。そのため、「今なお万難を排して手に入れる価値あり!」と断言できる。
しかし私は「元祖ミニ、入手すべし!」と吠えてから約20年、いまだ買えないままでいる。
カネならある。いやもちろん大して持ってないが、200万円ぐらいでローバー ミニ(←往年のオースチンとかモーリスじゃなくてもぜんぜん構わない)を買う程度のカネならあるのだ。
だが「それでも買えないままでいる」という事実は、「あの小ささ」を日常の中に受け入れるだけの度量と勇気が、私にないことを示している。
情けない話である。大きな荷物を運ぶ必要があるときなどは、近所に腐るほどあるカーシェアリングのステーションを利用すればいいだけの話なのに。本当に、自分が情けない。
現行型スズキ「スイフト」に、スポーツチューンが施されたK14C型1.4L直4直噴ターボエンジンを搭載し、その他もろもろのチューンおよび補強も行われた素晴らしい小型ハッチバックである。
いわゆるホットハッチだが乗り心地は十分に良好で、荷物や人を収容するのも決して不得手ではない。そして価格も性能から考えると手頃すぎるほど手頃であるため(←いちばん安いやつなら車両本体188万5400円だ)、あれは確か4年前、carview!の仕事で試乗した瞬間に即決した。「これは買うしかない……!」と。
だが前述のとおりあれから4年。私はいまだスイスポを買えないままでいる。
カネならある。いやもちろん大して持ってないが、総額200万円ちょいぐらいでスイフト スポーツの「スズキ セーフティ サポート非装着車」を買う程度のカネならあるのだ。
だが「それでも買えないままでいる」という事実は、「車のダウンサイジング」を受け入れるだけの度量と勇気が、私にないことを示している。
情けない話である。仕事で書く原稿の中では「時代はダウンサイジング!」みたいなことを言っておきながら、自身は「まあまあ立派に見える車に乗る」という生活から降りることを躊躇しているのだ。
ダサい。本当に、自分がダサいと思っている。
言わずと知れた世界的スポーツカーでありながら「普段づかいもぜんぜんイケる」というのが、1960年代からドイツのポルシェAGが製造販売し続けているポルシェ「911」というRR車(エンジンを後ろに搭載し後輪を駆動するクルマ)だ。
リアに搭載される水平対向6気筒エンジンが水冷化された以降の世代を購入したことはないが、空冷時代のやつは乗っていた。964型(5世代前のやつ)のカレラ2である。残念ながら5MTではなくティプトロニックだったが、それでもポルシェ911は心の底から「最高!」と吠えることができる車だった。
RRゆえに「すぐスピンする」などという都市伝説もあるが、それはレーサーレベルの速度域か、素人が無茶をした場合の話であって、私ごときの一般的なドライバーが多少ぶっ飛ばしたところで、ポルシェ911のリアはひたすら安定している。超絶オン・ザ・レールである。
しかしながら走行フィールにはなぜか軽快感のようなものもあって、エンジンは、フェラーリのような色気こそないが、その代わりに「高性能な兵器」をぶっ放したときのような快感がある(←ぶっ放したことないですが。そして自衛戦争以外のすべての戦争に反対ですが)。
そんなポルシェ 911は、やはり「もう一度欲しい!」と強烈に思ってしまう車のひとつだ。そして私事になるが、964型カレラ2をNさんという方が営むお店で購入し、数年後にまたNさんのお店に買い取ってもらった際、私はNさんにこう言った。
「これからしばらくラテン車に乗ることになりますが(※私は911からデルタに乗り替えた)、必ずまた911に戻ってきますので、数年間だけ待っていてください! 押忍!」
しかし私はNさんに誓ってから12年、いまだ911を買えないままでいる。
カネならある。いやもちろん大して持ってないが、車両950万円ぐらいで991型カレラの前期型(要は先代911のターボ化される前の世代)を――もちろん超長期ローンで――を買う程度のカネならあるのだ。
だが「それでも買えないままでいる」という事実は、車というものへの月々の出費ウェイトが高まることを、私が恐れていることを示している。
情けない話である。かなり高い買い物ではあるが、「ビールを発泡酒に変える」「肉・魚と野菜は特売品のみを買うようにする」「洋服を買うのは年に1回程度とする(しかもしまむらかワークマン限定とする)」などの経費節減策を真剣に遂行すれば、買って買えないことはない買い物なのだ。
それなのに今日も私はこれから、発泡酒ではなくキリンラガービールを飲む予定でいる。
本当に情けない話ばかりで大変恐縮ではあるのだが、それでも私はこの後、キリン ラガービール(350ml缶)を飲みながら「フォルクスワーゲン ゴルフ カブリオのクラシックラインも欲しいなぁ」とか、「いやオープンカーならもう一度マツダ ロードスターを買うか?」「……でもやっぱホンダ ビートだろ!」等々の、果てることのない妄想にふけるのだ。
おそらくは免許を返納するまで、この調子が続くのだろう。
<終わり>
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