トップ3以外は好不調交差。10月マーケット概況

ココも気になる！その１

ハイブリッド車攻勢で復調を狙うホンダに注目

　3月の大震災で生産拠点の直接的被害を含め、大きな打撃を受けたホンダ。3月に発売予定だった「フィットシャトル」が6月にずれ込むなど、ニューモデル投入スケジュールにも影響を及ぼした。しかし当初の見通しより、生産レベルが早期に回復。6月16日に発売となったフィットシャトルも6月4555台、7月3324台、8月4574台、9月7369台、10月6360台と月間販売目標4000台を上回る売れ行きとなり、10月には軽乗用車を含めた乗用車全体で4万3954台、前年同月比24.7％増とプラスに転じた。

　こうした回復基調を牽引しているのがハイブリッド車（HV）だ。「CR-Z」は10月末時点で1～10月累計6072台、前年同期比28.6％と落ち込んでいるが、「フィットハイブリッド」は8万6899台（シャトルハイブリッド2万1244台含む）と、フィットシリーズ全体で49.3％を占める売れ行きと絶好調。HVのおかげで、前年同期比も114.3％（販売台数は17万6234台。全乗用車中2位を堅持）と前年を上回る売れ行きだ。そして10月28日は、今やフィットに並ぶ売れ筋モデルとなった「フリード（スパイク含む）」にHVを追加。10月は販売日数が少なかったが1571台売れ、発売後2週間で2万台超の受注と、月間販売目標1万台を大きく上回る好スタートとなっている。

　現在ホンダでは、「フリードハイブリッド／フリードスパイクハイブリッド」を含め、「インサイト」、フィット、フィットシャトル、CR-ZとHVラインナップは計6モデルになっているが、4～9月期累計のHV比率は35.6％まで上がっている。フリードHVの販売本格化に加え、年末から年度末にかけてエコカー減税終了前（12年3月末）の駆け込み需要も予想されるだけに、11年度全体では軽乗用車を除くと、ほぼ半数までHV比率が拡大する見通しだという。トヨタが年末に発表予定のコンパクトHVとのバトルを含め、HVがどこまで伸びるのか要注目だ。