マスコミの論調に惑わされるな。独カルテル問題を冷静に読め
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫
最近、欧州で起きているEVブームの背景にはディーゼル車への風当たりの強さがあった。2016年から施行されたユーロ6(EU排ガス規制)は数値的には日米と同じレベルの規制値となったが、NOx(窒素酸化物)に関してはユーロ5までは日米のディーゼル規制と比かなり甘かったというのが事実だった。90年代中頃から始まった日独CO2削減レースの厳しさがその背景にあり、当時のドイツはすこし傲慢だった。日本のハイブリッドと戦うために、日米の排ガス規制(NOx)が厳しすぎるという批判も出ていたほどだ。
欧州でトヨタが旗揚げしたハイブリッド(2モーター)VSディーゼルという競争が始まったのは90年代後半。燃費では有利だがクリーン化が難しいディーゼルはついに、米国を発端としたVWディーゼルゲート事件に発展してしまった。私が参加していたクリーンディーゼル推進委員会(経済産業省・小泉内閣時代2002~2005年)では、ボッシュジャパンもメンバーだったが、日本の排ガス規制を緩めないとディーゼルは普及できないと堂々と発言し、その席にいた私は「ドイツ人に日本の大気汚染を引き起こす排ガス対策の緩和を言われたくない」と反論したこともあった。この問題はディーゼル車というよりも、自国の産業を有利に推し進めるドイツの傲慢さが根っこにあったような気がする。
しかし、メルセデスは最新2リッターディーゼルではRDE(リアルドライブエミッション)とWLTP(新しい燃費表示)を考慮した、スーパークリーンディーゼルを市販し、ディーゼルを新しいステージに進めている。日本では唯一マツダがクリーンディーゼルで奮闘する。ガソリンエンジンも更に燃費を高めるには、ディーゼルで培った排ガス技術が必要となる。内燃エンジンは厳しい逆風が吹くものの、EVとて順風満帆ではないことを多くの自動車メーカーは心得ている。世論の動向と各国の規制をにらみながら、全体最適が可能な(地球環境全体の最適化を図れるような幅広い)パワートレーンの開発が求められているのだ。
排ガス問題は社会の公益性に関わる問題なので、安全技術と同じように規制をクリアすれば「良し」ではなく、メーカーは低炭素と低排ガスという環境問題にベストを尽くしているかどうか。そこがユーザーがもっとも知りたいことではないだろうか。
ちなみにカルテル問題は米国のアンチトラストでも厳しく規制されているので、この問題は大西洋を挟んで波紋が広がりそうだ。
ログインしてコメントを書く
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
いざ冒険の旅へ。スバルで巡る八丈島ドライブ【フォレスター・クロストレック】
ハンドメイド「タイレルP34」とF3000「レイナード93D」を7月14日開催「サンブレフェスタ(道の駅おおた)」に展示決定!
待たせたな!! [新型フォレスター]は燃費大幅アップ間違いなし! スバルの次世代[e-BOXER]はトヨタのTHSをついに搭載へ
「高速のコース特性」が原因か。ルクレールとサインツがスペインGPの苦戦は上海に似ていると分析
ベスパ「LX 125 ABS」【1分で読める 原付二種紹介 2024年現行モデル】
一人でくつろぐには最高の空間! スズキ エブリイがベースの軽キャンパー
受注停止で待てないから即納中古は!? [ヤリスクロス]の中古がとんでもないことになっていた
HRC USが2025年からメイヤー・シャンクと提携しIMSAでの役割を拡大。2台のARX-06を投入へ
WTRアンドレッティ、2024年限りでアキュラ/HRC USとの提携を終了「別の方向に進む必要がある」
なんで!? バカ売れ[ヤリスクロス]も樹脂パーツだらけ!! 最近の新車に多いワケ
井戸田潤、メルセデス・ベンツ絶版「Gクラス 320」ショートボディに一目惚れで購入決断!?
履き替えた古いタイヤってどこいくの!?!? 廃タイヤの99%がキチンとリサイクルされている衝撃!! じつは超絶エコだった
ノアヴォク・セレナ失速とステップワゴン急上昇の理由。次の改良で上級グレード「エアーEX」登場か
【20周年記念車オーナーに激震?】「ゴルフR“8.5”」登場。買い物もこなせる超高速ハッチ
ホンダ新型「フリード」発売 購入検討時にチェックしておきたいポイント&シエンタとの価格差は?
【よく見りゃ大変化!】発売迫る新型BMW「X3」のデザインやお買い得度を現行型と比べた
大幅改良で走りが激変「ヴェゼル」の買いは最上級「Z」の4WD。新設定ハントパッケージの評価は?
日産の新型3列SUV「インフィニティQX80」が米で7月発売決定。打倒レクサスLXとして日本導入ある?
本当にスポーツタイヤ!? グッドイヤーの新作「アシンメトリック6」は静かで軽い“摩訶不思議”な万能選手だった
続々PHEV化で完成するレンジローバーの唯一無二の世界観。その裏で過激なV8モデルも準備中!?
BYDの新型セダン「シール」は乗るとどう? 中華高級EVのガジェット感とコスパは日本で通用する?