美しきSUV「ヴェラール」に試乗。インパクトをもたらす4つの理由とは?
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:小林 俊樹
外観に魅了されつつ乗り込むと、インテリアにもサプライズが用意されていた。大人4人を余裕で収めるキャビンスペースもさることながら、上質なレザーをふんだんに使ったインテリアは、そこかしこに「日用品を芸術品の域にまで高める」という英国流クラフトマンシップが息づいている。レザーの手触り、色、匂いは最高にラグジュアリーだし、ピッと揃ったステッチも美しい。その他、メタルパーツや樹脂パーツにいたるすべてのパーツに、デザイナーの美意識とクォリティへのこだわりが色濃く反映されている。
とはいえ、インテリアはもともとレンジローバーが得意とする領域。レンジローバーやレンジローバー・スポーツはもちろん、弟分のイヴォークだってかなり素晴らしい出来映えだ。そんななか僕の目を釘付けにしたのが新しいインフォテインメントシステムだった。核となるのはセンターコンソールの上下にある2つのタッチスクリーン式液晶ディスプレイ。「Touch Pro Duo」と呼ばれるこの最新システムは、ナビも音楽も空調も走行モード選択もタッチスクリーンを通して行うため、物理的なスイッチはほとんどない。加えてエンジンオフ時は液晶が真っ黒(iPhoneの画面オフ時に近い黒)になるので、およそクルマのセンターコンソールとは思えないシンプルな佇まいを見せる。この美しさは必見だ。
イグニッションをオンにすると上側のモニターが起き上がりつつ、上下のモニターが点灯する。ときおりレスポンスの鈍さを感じることもあったが、表示は美しく、かつロジックもわかりやすい。求める機能を選択したあとは左右の大型ダイヤルで操作をするようになっているため、たとえばオートエアコンの温度設定などはブラインド操作も可能。この種のモダンなシステムは新しさを追うあまり、ときとして操作性が置き去りにされるケースがあるが、「Touch Pro Duo」は使い勝手にもきちんと配慮が行き届いている。ただしステアリング上のタッチスイッチは操作にコツが必要で、数時間の試乗では自由自在に使いこなすまでには至らなかった。
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