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三菱の不正問題にはまだ続きがあるかもしれない。清水和夫が緊急寄稿

三菱の不正問題にはまだ続きがあるかもしれない。清水和夫が緊急寄稿

eKワゴン(写真:三菱自動車)

不正の全体像は語られていないと見るべき

今回の3代目「eKワゴン」から、日産自動車と共同で出資した合弁会社「株式会社NMKV」が組織上は開発を担当するが、実務的には三菱自動車が開発を担当していた。責任を重く感じた三菱自動車の相川哲郎社長は国土交通省で記者会見し、軽自動車4車種で燃費試験時に不正を行ったことを認めたのである。

VWのディーゼルスキャンダルと同じで、不正の現場は室内試験機(シャシーダイナモ)である。国が立ち会う公的な試験だが、測定コンピュータにインプットする、クルマ固有の走行抵抗(空気抵抗、機械の摩擦抵抗、タイヤの転がり抵抗など)のデータは各自動車メーカーが実車で測定したデータを入力する。その数値を不正に甘く申告すれば、シャシーダイナモの試験結果が良くなるわけだ。

しかし、例えばタイヤの転がり抵抗と実際の燃費の影響に関しては、日本自動車タイヤ協会(JATMA)の資料ではその寄与率がモード燃費走行時で10-20%と報告されている。つまり、転がり抵抗を10%少なくしても、燃費は1-2%しか改善されない。私の所見では、三菱自動車が会見で明らかにした5-10%の燃費偽証は、走行抵抗だけでは達成できないはずだ。つまり20日の記者会見では、相川社長以下ボードメンバーはすべてを話していない公算が大きい。

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