キングオブアウトドアミニバン! 三菱 デリカD:5のグレード選び
掲載 carview! 文:伊達軍曹/写真:三菱自動車 12
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登場から丸16年もの歳月が経過しているベテランのミニバン、三菱「デリカD:5」が根強く売れ続けています。
もちろん華々しい台数が売れているわけではないのですが、2019年から2021年までの3年間は平均月販台数1278台と、「古いモデル」であることを考えればかなりの健闘。そして2022年1月~11月は前年以上の伸びを見せ、月平均で約1400台も売れるという結果になりました。
根強い人気の理由は、2019年2月に行われたビッグマイナーチェンジが功を奏したというのももちろんあるでしょうが、それと同時に「悪路も普通に走れてしまうミニバンである」というデリカD:5の唯一無二の個性が、ある種のユーザーの心をとらえ続けている――ということなのでしょう。
本稿では、そんなデリカD:5の最新世代の様子とおすすめグレードなどを、あらためて整理したいと思います。
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ビッグマイナーチェンジ前のデリカD:5
現行型デリカD:5が発表されたのは、2007年1月の東京オートサロンでのこと。市販バージョンは、2005年10月の東京モーターショーで発表された「三菱コンセプト-D:5」ほどの月面探査車っぽいビジュアルではありませんでしたが、程よく個性的でギアっぽい(道具っぽい)デザインと抜群の4WD性能が受け、発売から1カ月で月間目標台数の3倍を超える7500台を受注。以降、一部改良を重ねながら長らく販売が続けられました。
そんなデリカD:5が大きく変わったのは2019年2月のこと。このとき行われたビッグマイナーチェンジにより、フロントまわりは三菱の当時の最新デザインコンセプト「ダイナミックシールド」とマルチLEDヘッドライトを組み合わせたものに変更。インテリアも、インパネのデザインが水平基調のものへと一新されました。
既存の2.2L直4ディーゼルターボエンジンも改良され、最大トルクは360Nmから380Nmに増強。そしてそれまでの6速ATから新開発の8速ATに変更されたことで、動力性能と燃費性能の強化が図られました。また自慢の4WDシステムにも「ヨーレートフィードバック制御」を加え、ハンドル操作に対する車両挙動の正確さが高まっています。
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このビッグマイナーチェンジでは、三菱の予防安全技術パッケージ「e-Assist(イーアシスト)」も新たに設定。歩行者も検知可能な衝突被害軽減ブレーキや、全車速対応のアダプティブクルーズコントロール、レーンチェンジアシスト機能を備えた後側方車両検知警報システムなどが、ドライバーをアシストするようになりました。
当初は「電気ひげそりみたいだ」的な酷評もされた新デザインのフロントマスクでしたが、結局のところユーザーや三菱ファンには受け入れられましたし、非ユーザーの見方を含めた“市民権”のようなものも、今や立派に獲得しているように思えます。
そして新生デリカD:5はその後も地道な改良を重ね、2022年11月にはアウトドアに好適な定番の特別仕様車「JASPER(ジャスパー)」を発売。
そのJASPERにも搭載される三菱独自のAWC(オール ホイール コントロール)思想に基づく4WDシステムの安心感と実力の高さなどから、デリカD:5は登場から丸16年がたった今も、「ウチの車はコレじゃなきゃダメなんだ!」と考えるユーザーを年間1万組以上、生み出し続けているのです。
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現在販売されているデリカD:5のグレードと、それぞれのプライスは下記のとおりです。
【デリカD:5】※標準車
●M|400万1800円
●G|410万3000円
●G-Power Package|433万9500円
●P|447万5900円
【デリカD:5 アーバンギア】※洗練されたイメージを目指したデザインライン
●G|423万600円
●G-Power Package|446万7100円
●P Edition|457万7100円
【特別仕様車】
●JASPER|442万5300円
これらのなかから「おすすめグレード」を検討したいわけですが、標準車とアーバンギアの違いはメッキグリルやフロントリップなどのデザイン部分のみですので、とりあえず標準車に絞ったうえで話を進めることといたします。
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もっともベーシックな「M」もエンジンや足回りは上級グレードと同じですし、先進安全装備の類も、基本的には上級グレードと同レベルです。しかし「8人乗りしか選べない」「運転席パワーシートや前席シートヒーター、マルチアラウンドビューモニターなどの“あると嬉しいオプション装備”が付けられない」という仕様になっていますので、正直ちょっと寂しいものはあります。
ひとつ上の「G」になるとホイールサイズは16インチから18インチになり、Mでは選べなかったオプション装備も選択できるようになります。そして8人乗り仕様のほかに、2列目がキャプテンシートとなる7人乗り仕様も選べるようになりますが、残念ながら「エレクトリックテールゲート」は選択不可です。
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「G-Power Package」は、文字どおり運転席パワーシートや前席シートヒーター、ステアリングヒーター、エレクトリックテールゲートなどの“パワー系装備”が標準装備となるグレード。またG以下では選択できない「後側方車両検知警報システム」と「後退時車両検知警報システム」も、G-Power Packageではオプションとして選択可能です。
最上級グレードの「P」はいわゆる全部盛りで、インパネ&ドアトリムアクセントパネルの木目も「サバ杢」という洒落たものが採用されます。
以上のなかで、ちょっと寂しい「M」を除けば、どれを選んでもOKとは思います。しかしもっとも好バランスなのは、冬場のアウトドアであると嬉しいステアリングヒーターや、ラゲッジスペースにアウトドアグッズを出し入れする際に重宝するエレクトリックテールゲートが標準装備となる「G-Power Package」か、あるいはそれをベースとする特別仕様車「JASPER」でしょう。
最上級グレードの「P」も、G-Power Packageとの価格差は約13万6000円でしかありませんので、いっそそちらを選ぶのも悪くない選択です。しかし「本籍地はアウトドア」と言えるデリカD:5に。サバ杢のウッドパネルやメッキのアウタードアハンドルなどが本当に必要かどうかは、人それぞれの価値観や美意識によって変わるかと思います。
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デリカD:5のライバルとなる車種は……「不在」というほかありません。ミニバンのなかでも際立ってスクエアなフォルムの中に人員と荷物をしっかり収容し(ちなみにデリカD:5も3列目は成人も普通に座れるサイズです)、なおかつ本格オフローダーにも近いニュアンスで悪路をガンガン走って行けるという車は、デリカD:5以外には存在しません。
そのように「唯一無二である」というのが、冒頭でお伝えしたとおり、デビューから丸16年がたってもいまだこの車がよく売れ続けている最大の理由です。
まぁ強いて言うならマツダ「CX-8」のディーゼルターボエンジンを搭載する4WD車が、デリカD:5と少し被る部分がある車かもしれません。
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CX-8のディーゼル4WDもかなりいい車であることは間違いありませんし、主に都市部で使用することを想定するのであれば、デリカD:5ではなくCX-8を選んだほうが、おそらくは幸せになれます。
しかし「アウトドア」で使うこともかなり多そうなのであれば――3列目や2列目シートもたたんでフラットモードにした際の縦方向の余裕が圧倒的で、なおかつこの種の車としては抜群の悪路走破性能を有しているデリカD:5こそが、「もっとも好ましい一台」ということになるでしょう。
設計年次としては古いのですが、これを超える使い勝手を持つ車は、今なおなかなかありません。ご検討中の方は、ぜひそのまま突き進んでください。
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