早くも追われる立場になったテスラ。EVの進化から目が離せない
掲載 更新 carview! 文:塩見 智
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まずは下の映像。ベントレー・ベンテイガ、フェラーリ488GTB、そしてテスラ・モデルX P100Dという並み居るハイパフォーマンスカーに、カムフラージュしたクルマが0-60mph加速対決を挑んでは勝利し、最後に「MORE TORQUE TO COME」と挑発しています。公開したのはFaraday Future(以下FF社)というアメリカのEVベンチャーで、なんでも同社は元ジャガー・エンジニアのニック・サンプソン、元BMWのデザイナーであるリチャード・キムら、元大手自動車メーカーにいた人物が独立して立ち上げた企業で、LeTv社という中国のIT企業が出資しているようです。
FF社は2016年1月のCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)にFFZERO1というコンセプトEVを出展してその存在が知られるようになり、まもなく開幕するCES2017にも、おそらくこの映像のモデルなのでしょうが、新たなモデルを出展するようです。同社のEVの基本構造は、ラダーフレームがあり、ホイールベース内のフロアにバッテリーを敷き詰め、その上に自由なスタイルのボディパネルを被せ、駆動はRWDでも4WDでも自由自在という、まさにテスラのやり方そのまんまです。というかEVの理想のレイアウトを追求すると、だれが考えてもだいたいこんな感じになるのでしょう。
まっすぐの速さを競うのはいささか子供っぽいような気もしますが、わかりやすく高性能をアピールするには適しているのかもしれません。アメリカだし。それにテスラ・モーターズもつい最近まで加速性能を強調していました。ボクサーの挑戦者は事前の記者会見の際には最大限威勢よく振る舞うと相場が決まっているのです。
一時は雨後の筍のごとくたくさん生まれたEVベンチャーですが、わりとすぐ消え、残ったのはテスラくらいです。ここへきて、じゃあテスラと同じようにやればいいんだと、同じようなレイアウトで、より速いモデルをつくるフォロワーが出てきたということでしょうか。誰かが成功したらあとに続こうとする者が出てくるのは当然です。今後FF社が市販にこぎつけ、その内容が速さのみならず、使い勝手、快適性、安全性、高度運転支援機能など、総合的な魅力を備えていれば、テスラのシェアをいくらか奪うかもしれません。
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