女性自動車ライターとして“色気”ではなく“女性視点” でクルマの魅力を伝えたい

写真：zencreation

たくさんの人にこの面白さを伝えたい！　そう強く思ったとき

田舎で生まれ育った私は、もしクルマを買うなら、親が懇意にしている中古車屋さんで、それなりに可愛らしく親を説得しやすい価格のクルマを買うのだろうとぼんやり思っていた。「クルマはデザイン以外変わらないし」と。ところが、たくさんのクルマに試乗してみるとどれもこれもまったく違う。ルンルンとリズムよく走るクルマもいれば、そっと寄り添ってくれるような優しいクルマも、手綱をグイグイとひっぱって遊びたがるクルマもいる。

デザインだけではなく、クルマの違いによって運転する楽しさを知った瞬間だった。クルマの仕組みを知るだけでも十分面白いのに、運転することがこんなに楽しいなんて。この素晴らしいものをみんなは知っているんだろうか？　クルマを購入するときに、以前の私のように何も知らずにただぼんやりと選んでいるのではないだろうか？　たくさんの人にこの面白さを伝えたい、知ってほしい！　そう強く思ってから数ヶ月後、私は引き寄せられるように自動車雑誌の編集部の門を叩いていた。