トランプ大統領登場は日本の自動車産業にどんなインパクトを与えるのか?
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫
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スバルやマツダのような輸出型メーカー(日本の工場で生産して輸出する)は円安の恩恵を受けるという人もいるが、決して喜んではいられない。たとえばマツダはメキシコにコンパクトカーを生産する工場を持っているが、NAFTA(北米自由貿易協定)の行き先が不透明となってきた。加盟国のメキシコ、カナダ、アメリカの3国で相互に自由貿易を行ってきたが、労働賃金が安いメキシコの雇用には貢献するが、アメリカの労働者のためにはならないとトランプは考えていて、NAFTAの協定内容を再交渉する意向を示しているからだ。新たな合意が得られなければ、NAFTAから離脱するとも主張している。メキシコやカナダに工場を持つマツダ、トヨタ、ホンダ、日産などの日本メーカーにとって、NAFTAの行方は非常に気になるだろう。
日本メーカーはNAFTA加盟国のメキシコやカナダに進出する以前からアメリカにいくつも工場を持っているので、アメリカ人の雇用にも貢献してきた。だがトランプは日本メーカーの進出自体が気に入らない。アメリカの自動車メーカーが衰退したのは日本メーカーが悪いと言いたげなのだ。実際には、アメリカの自動車産業は自らの内部要因で衰退したと見るのが公平だと思う。GM破綻の最大の原因はレガシーコスト(退職者の年金や医療保険など)が重くのしかかったことにあった。また、自動車よりもITや宇宙産業にシフトした国家戦略の結果も大きい。
日本や世界の自動車産業にとってトランプが描く強いアメリカがどんな影響を及ぼすのかはまだ分からない。2017年1月のデトロイトショーにビッグサプライズでトランプが表敬訪問するかもしれない。まだ正式に大統領になっていないタイミングで、日本政府はいちはやくトランプと会談したわけだが、自由貿易を訴える日本はTPP反対のトランプとどう向き合うのか? ビジネスマンとして手腕を発揮してきたトランプに、日本のモノ作りはアメリカの成長に不可欠であることをアピールできたことを願う。両国が手をとることで、Win-Winの関係を築くことができれば幸いだ。
イギリスのEU離脱宣言、トランプ大統領の誕生から読み取れるのはグローバリズムの終焉ではないだろうか。ポストグローバリズムを真剣に考える時期かもしれない。
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