ホンダF1復帰からの新NSX計画。個体電池やニュル最速はもはや既定路線だ!
掲載 carview! 文:編集部/写真:ホンダ技研工業 134
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2026年からのF1への復帰を表明したホンダ。同社がエンジンサプライヤーとして活動を終了したのは2021年で、4年のブランクを経て最高峰フォーミュラの舞台に戻ることになる。果たしてホンダのF1復帰にはどのような意味が込められているのか。また、モータースポーツの世界にも電動化の波が押し寄せるなか、そこに投入される技術は市販車に生かされるのか。ホンダの未来予想図を探ってみたい。
ホンダの発表によれば、復帰の決め手はF1が2026年にレギュレーション変更を行い、100%カーボンニュートラル燃料を使用することや、電動化比率を引き上げるなどの新ルールが設けられるため。具体的に2026年にF1主催団体のFIAは、最高出力の50%をエンジン、残り50%は電動モーターがまかなうというレギュレーション変更を予定している。一方ホンダは、「2040年までに電気自動車(EV)・燃料電池自動車(FCEV)の販売比率をグローバルで100%にする」と掲げており、両者の進む方向性には共通項が多い。
<写真:ホンダの三部敏宏社長とアストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチームのローレンス・ストロール会長>
となると俄然気になるのが、F1マシンから市販車への技術のフィードバックだ。特に、昨年ホンダは、バッテリー電気自動車(BEV)のフラッグシップスポーツを、2030年までに市場投入すると発表しており、終売となった「NSX」の次期型が、BEVとして登場するのは既定路線といえる。ということで、ホンダのF1復帰と、そのテクノロジーが市販車にどう反映されるかは、ホンダファンならずとも注目必至のポイントだ。
まず言えるのは、次期NSXに搭載される高出力モーターや、レースレベルでの電力の蓄電&出力を実現するバッテリーには、F1由来の技術が生かされる可能性が高いということ。なぜなら、ホンダはF1復帰の発表のなかで、「F1から得られる技術やノウハウは電動フラッグシップスポーツの競争力に直結する可能性を秘める」と自身で述べているからだ。
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<写真:NSX最終モデルとなったタイプS>
ホンダがこれまでに投入したNSXのスペックを見ると、従来型で最高出力610ps、最大トルク667Nmを達成している。次世代型あるいは新生代フラッグシップスポーツに投入するとなると、従来を上回る出力と、運動性能の向上に寄与するコンパクトなバッテリーが必要となるだろう。
また、F1参戦後ノウハウが蓄積された段階で市販化されるという段取りを考えると、次期NSXのデビューは2020年代終盤になると見られる。となると、その頃にはバッテリー技術が進化している可能性が考えられ、画期的な全固体電池が実用化されているかもしれない。
次期NSXのキャラクターはこれまでと同様に、コーナリング性能の高さを重要視したクルマになると考えられる。この点に関しては既にホンダのプレミアムブランド「アキュラ」の米国部門幹部も明らかにしており、テスラやルーシッドといったEVメーカーのハイパワーモデルとは一線を画す存在になりそうだ。
>>ホンダF1復帰で期待高まる。“F1技術を応用した新型NSX”登場の可能性
<写真:米超高級EVのルーシッド エアー>
また、NSXというからには、にはニュルブルクリンクにおける“EV最速”の称号は欲しいところ。この点、現在の最速ラップはつい先日テスラ「モデルSプラッド」がマークした7分25秒台だが、このままではNSXの開発関係者やファンは到底納得しないだろう。そこで軽量化を徹底したニュルアタック用のサーキット志向グレードも用意される可能性が濃厚で、場合によっては、伝説の「タイプR」復活の可能性も否定できない。
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<写真:初代NSXに設定されたNSX タイプR>
<写真:テスラ モデルS プラッド>
というわけで、発売はまだ5年以上先と見込まれる次期NSX。今後、開発が進むにつれ、ホンダからも新たな情報が明かされる可能性が高く、引き続きホンダの動向には注目が必至だ。
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