先代モデルのネガを潰した秀逸作が多数誕生
5月1日から新しい元号「令和」がスタートし、31年の長きに渡って続いた平成の元号が終わった。31年間続いた平成という時代はバブル景気の絶頂期と崩壊、阪神大震災や東日本大震災といった大規模災害、長かった不景気など、激動の時代であった。
令和になる前に振り返る! 平成の30年間に巻き起こったクルマのブーム8選
激動だったのは日本車の大躍進や次々と変わったユーザーの志向の変化など、時代を映す鏡とも言われるクルマも同じだった。そこで平成の終わりを期に、平成を駆け抜けたインパクトあるクルマを良かったほう、悪かったほう含めて振り返ってみたいと思う。平成元年から1年刻みで展開してきた本企画もついに15回目、平成15年のクルマを紹介する。 ■平成15年ってどんな年?
4月にタワーマンション、ホテル(グランドハイアット東京)、その他の商業施設から構成される六本木ヒルズが開業。阪神タイガースが18年振りのリーグ優勝を果たし、流行語大賞では未だに目にすることがあるお笑いコンビ“テツandトモ”の「なんでだろう~」が選ばれるなど、比較的明るい話題の多い年だった。
しかしバイクレース業界では、4月に鈴鹿サーキットで行われたMotoGP(ロードレース世界選手権)開幕戦で日本人ライダーの加藤大治郎選手が意識不明となる大クラッシュに遭い、二週間後に亡くなるという悲しい事故もあった。
1)トヨタ・プリウス(2代目)
初代モデルでハイブリッドカーというジャンルを切り開いたプリウスは、2代目モデルでハイブリッドカーの普及を目指すべく攻めたフルモデルチェンジを行った。
ボディ形状は4ドアセダンから空気抵抗の低減とキャビンスペースの両立を狙った5ドアハッチバックとなり、インテリアもボタンと電子制御の小さなレバーを組み合わせたエレクトロシフトマチックやプッシュボタンスタートを採用するなど、当時のプリウスのポジションに相応しい未来的なものとなった。
ハイブリッドシステムも高電圧化によるモーターのパワーアップなどにより、燃費と動力性能を同時に向上したTHS-IIに進化。発進や追い越し加速では2Lガソリンエンジン車と同等以上の瞬発力を確保した。
プリウスは2代目モデルからコンスタントに売れるクルマとなった。とくにモデルサイクル後半の2006年あたりからはガソリン価格が上がり始めたこともあり、登場から時間が経つに連れて尻上がりに販売が伸びたという珍しいクルマだった。今になると3代目モデル以降プリウスが日本の国民車的存在になった基盤は、2代目プリウスが作ったことがよくわかる。
2)トヨタ・クラウン(12代目モデル)
クラウンは11代目モデルあたりから歴史の長い高級車でよく挙がる、ユーザー層の高齢化という問題に直面していた。
この問題を解決すべく12代目クラウンは新しいプラットホーム、新開発のV6エンジン&6速ATの採用、スポーティなアスリート系を強調したイメージ戦略など、ゼロクラウンというキャッチコピーに相応しい若返りを行った。
この大改革は大成功を納め、12代目クラウンは景気なども考慮する必要もあるにせよ、近年もっとも売れたクラウンとなった。
3)ホンダ・オデッセイ(3代目)
初代モデルのキープコンセプトとなった2代目モデルに飽きのようなものが感じられつつあったオデッセイ。3代目モデルでホンダお得意の低床低重心プラットホームを採用し、全高を一番低い立体駐車場にも入る1550mmに抑えた一見ステーションワゴンに見えるミニバンへと、姿をガラリと変えた。
3代目オデッセイは低い全高ながらもシッカリ使える3列目を確保しながら、ステーションワゴン並みの高い走行性能も備えており、登場からしばらくは人気車となった。
しかしモデルサイクル中盤以降となると、ミニバンのなかでもスライドドアを持つ全高の高いモデルに支持が移ったこともあり、人気が長続きしなかったのはちょっと残念だった。
バカ売れ軽の礎となったクルマも誕生
4)マツダRX-8
前年の2002年のRX-7の生産終了でロータリーエンジン搭載車もなくなってしまったマツダであるが、2003年にモーターショーにも出展されたRX-8の市販化でロータリーエンジンも復活した。
RX-8はアメリカの保険料などの理由でRX-7のような2ドアではなく、フル4シーターの4ドアとなった。しかし開発陣は、4ドア化による走行性能の低下を抑えるべく、観音開きドアとすることでボディサイズを極力小さくした車体を開発。ロータリーエンジンも大きな弱点だった燃費と環境性能を劇的に向上させた2ローターNAのレネシスと呼ばれるものを開発し、時代に適合するものとなった。
RX-8は商業的にもまずまずの成功を納めたが、残念ながら2012年にロータリーエンジンとともに絶版となってしまった。マツダではロータリーエンジンの開発は着実に続けられているので、復活する日を楽しみに待ちたいところだ。
5)スバル・レガシィ(4代目)
2代目モデルあたりから、かつてのトヨタ・マークIIや日産スカイラインのような「一般的な日本人が買える最高のクルマの1台」というポジションを確立しつつあったレガシィは、4代目モデルでBMWやアウディといったプレミアムカーをターゲットに開発された。
具体的には各部の細かな改良や熟成はもちろん、アルミ素材や薄くて強い高張力鋼板の採用などによる100kg以上の軽量化、インテリアや塗装といった各部の大幅なクオリティ向上が図られた。また4代目レガシィは3代目までの5ナンバーサイズから3ナンバー幅となったが、全幅の拡大はわずかかつタイヤの切れ角が増え小まわり性能は向上しており、実質的な取り回しはむしろ向上している点も見逃せない。
4代目レガシィは入魂の作という言葉が相応しいクルマだけに、人気車となったのはもちろん、この年の日本カーオブザイヤーでは2代目プリウスとの激闘を制し、スバルとしては初の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したことでもメモリアルとなった。
6)ダイハツ・タント(初代)
「サイズが限られた軽自動車で室内空間を広げるには全高を高くするしかない」というハイトワゴンの先駆けとなったのはスズキ・ワゴンRの初代モデルだったが、初代タントは全高をさらに高い1700mm台前半に上げたスーパーハイトワゴンの先駆者である。
初代タントは走行性能こそ褒められたものではなかったが、高い室内高により使い勝手は抜群で、子育て層や高齢層から絶大な支持を集めた。また初代タントのあと、スズキ・パレット&スペーシア、ホンダN‐BOXといったライバル車が登場し、スーパーハイトワゴンが軽自動車における最大勢力となっていることからも初代タントが与えた影響の大きさがよくわかる。
なおタントはキープコンセプトながら近日中にすべてを一新した次期モデルとなるのが公表されており、次期モデルも非常に楽しみだ。
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