プロ野球でも何でもいい。確かに日本にいたはずなのに、イマイチ思い出せない外国人、いないだろうか。ヤクルトに入団したワニ好き男、日ハムに入るもその年の6月に解雇され、漫画で「球拾いして帰った」と揶揄されたパソコンみたいな名前の男。
そんな名前やエピソードを言われると「いた、いた」と反応されがちな外国人。それはクルマ界にも存在する。
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日本で確かに販売されていたにもかかわらず、スッカリ脳ミソから零れ落ちがちな外国人=輸入車を「忘却の彼方度」とともに紹介したい。むろん★の数が多いほど、忘れられがちということだ。
ぜひ「いた、いた」と膝を打ちつつお読みいただきたい。
文:伊達軍曹(車両解説&採点)/写真:FIAT CHRYSLER JAPAN、MERCEDES-BENZ、DODGE、FORD、SUZUKI、LANCIA、HYUNDAI、RENAULT、DAEWOO、JAGUAR、ROVER、VW、OPEL、GM
【画像ギャラリー】1990年代に一部マニアが熱狂して大増殖したシボレーカプリス
クライスラー 3代目イプシロン
日本導入:フィアット・クライスラー・ジャパン
忘却の彼方度 ★★★☆☆
ランチアY(イプシロン)をクライスラーブランドで販売
ランチアブランドの小型車だったが、0.9Lのツインエアエンジンを積んだ3代目の日本仕様はクライスラーブランドとして新登場。
それが反発を呼んだが、すべては忘却の彼方へ!!
ダッジJC
日本導入:クライスラー日本
忘却の彼方度 ★★★★☆
本国でのジャーニーの車名はいすゞジャーニーがあったため日本では使用できず。JCは開発コード
北米ではダッジ ジャーニーの名で2008年に発売。
日本では2009年1月、商標の関係で「JC」との車名で発売された3列7人乗り車……ということを、今資料を読んで思い出した。
ダッジキャリバー
日本導入:クライスラー日本
忘却の彼方度 ★★★★★
キャリバーはプラットフォームをはじめ多くを三菱と共同開発
クライスラーの世界戦略車として開発され、日本では2007年6月に発売された2LのSUV的ハッチバック、というのも資料ほぼ丸写し。
このクルマについてまるで覚えてません……。
クライスラークロスファイア
日本導入:ダイムラー・クライスラー日本
忘却の彼方度 ★★★★☆
セダンの300CがEクラス、クロスファイアはSLKとパーツを流用
「ダイムラー・クライスラー」自体がすでに懐かしいが、とにかくクロスファイアは、初代メルセデス・ベンツSLKの部品を流用して「わずか2年で完成させた」という米独合作の2座クーペ。
が、わずか4年半で廃番に。ああ無情。
リンカーンLS
日本導入:フォードジャパン
却の彼方度 ★★★☆☆
FRのプラットフォームはジャガーSタイプと共用
ジャガーSタイプとプラットフォームを共用するリンカーンなりに欧州を意識したセダン。
エンジンは3L、V6と3.9LのV8。北米では売れたが日本では鳴かず飛ばずだった。
リンカーン3代目タウンカー
日本導入:近鉄モータース
忘却の彼方度 ★★★☆☆
Cピラーの形状が後席を重視しているのがアメ車らしくていい
フォード製フルサイズセダン3兄弟のリンカーン版。
かつて近鉄モータースが正規輸入していたが、その近鉄モータースも今はなき存在。諸行無常……。
フォード初代&2代目クーガ
日本導入:フォードジャパン
忘却の彼方度 ★★★★☆
2016年にフォードが日本撤退したことで日本での販売は終了
初代は2010年10月、2代目は’13年9月に発売されたフォードの世界戦略SUV。エコブーストエンジンは魅力的だったが、世界を制することなく廃番になってしまった。
シボレーオプトラ
日本導入:スズキ
忘却の彼方度 ★★★★★
スズキはGMクルマをたびたび導入しているが、オプトラは超レアモデル
GMがアジアと欧州を制すべく発売した2L級のセダン&ワゴン。
日本ではGMと提携していたスズキが2005年に輸入発売元となったがサッパリ売れず、そのまま黒歴史に。
BC編集部員「私の記憶に残る思い出の外国人その1」:本誌・ババ
VWシロッコ
3ドアHBに見えるが、VWではクーぺであることをアピールしていたシロッコ
もし家計にかなり余裕ができたら2台目としてすぐ買う!!
スポーティさと実用性もある3ドアHBで、奥ゆかしいリアのブリスターフェンダーが格好いいし好き。
直4、1.4Lツインチャージャーが標準というのも素敵すぎる。今後も私の記憶のなかに残るが、次期型、出ないのかしら?
ランチアデドラ
日本導入:ガレーヂ伊太利屋
忘却の彼方度 ★★★★☆
フィアットテンプラ、アルファロメオ155とプラットフォームを共用
アルファロメオ155などとプラットフォームを共有するランチアの1.6~2L級のFFセダン。
マツダの販売系列のオートザムでも売られたが、オートザム自体が忘却の彼方へ。
ランチア初代テーマ
日本導入:ガレーヂ伊太利屋
忘却の彼方度 ★★☆☆☆
最上級モデルのランチアテーマ8.32にはフェラーリ308のV8を搭載していた
アルファロメオ164などとプラットフォームを共用するセダンで、デドラ同様にガレーヂ伊太利屋とオートザムで販売。
ちなみにガレーヂ伊太利屋は輸入元ではなくなったが、今もフィアットの正規ディーラーだ。
ヒュンダイトラジェ
日本導入:ヒュンダイモータージャパン
忘却の彼方度 ★★★★☆
ヒュンダイは日本での販売に積極的だったが、成果を残せず撤退
本国では1992年から2007年まで販売され、日本では2001年から販売されたミニバン。
だが売れず日本導入から約2年の2003年にはチャルガ(バイバイという意味の韓国語)。
ルノースポールスパイダー
日本導入:フランス・モーターズ
忘却の彼方度 ★☆☆☆☆
ルノースポールブランドで販売された初の市販モデル。初期モデルはウィンドウシールドなし
えっ? このクルマはさすがにみんな覚えてるでしょ?
ヤナセの子会社だった輸入元「フランス・モーターズ」のことは完全に忘れてたとしても!
ヒュンダイジェネシスクーペ
日本導入:ジェネシス・ジャパン
忘却の彼方度 ★★★★★
リース・ミレンによってパイクスピークで世界記録も出した実績を持つ
「そう言われてみると」と思い出すヒュンダイの2LターボFRクーペで、ドリフト系業界人がこのクルマのために設立した会社が2010年から日本へ輸入。
GM大宇初代&2代目マティス
日本導入:マティス
忘却の彼方度 ★★★☆☆
マティスのデザインはイタリアの巨匠、ジウジアーロが手掛けた
初代はジウジアーロデザインで1998年に登場、2代目は2005年に登場したGM大宇のAセグ小型車。
初代はクルマ雑誌の広告でよく見た、気がする。
メルセデスベンツRクラス
日本導入:メルセデスベンツ日本
忘却の彼方度 ★★☆☆☆
ミニバンというよりも超高級3列シートワゴンとして今でもカルトな人気
ミニバンブームを背景に、Mクラスのプラットフォームを使って新たに作られたミニバン。
日本では2006年から2014年までと意外に長く"在籍"したが、さほどの結果は残せず。
BC編集部員「私の記憶に残る思い出の外国人その2」: 本誌・イイジマ
アルテガGT
アルテガGTの日本での新車価格は1189万円だった
2011年に日本に上陸したアルテガGTですなぁ。
企画で青山王子に乗ってもらおうと借りたわけですが、1100kgちょっとの軽量ボディに300ps/35.7kgmを発生するVW製3.6LのV6をミドに搭載しているわけで、走りは楽しかったです。
内装のデキはイマイチだったけど。
ローバー600
日本導入:ローバージャパン
忘却の彼方度 ★★★★☆
日本では2Lの620と2.3Lの623の2タイプが販売されていた
ホンダ アスコットイノーバと一部メカニズムを共用する英国製Dセグセダン。
忘れていたが、そう言えば1994年から1999年まで輸入されてた。
ジャガーXタイプ
日本導入:ジャガージャパン
忘却の彼方度 ★★☆☆☆
ジャガー初のステーションワゴンがXタイプだったが、ジャガーとしては安っぽくて不評
北米で売るべく作られたフォードモンデオとプラットフォームを共用するDセグ車。
日本では2001年から販売されたが、日本でも北米でもあまり売れず。
ローバー75
日本導入:ローバージャパン/MG Rover Nippon
忘却の彼方度 ★★★★☆
ローバー75はセダンとステーションワゴンのツアラーをラインナップ
1999年発売のDセグだが、BMWがローバーから撤退したため輸入中止。2003年に再発されたが、今度はMGローバー本体が破綻。とほほ。
ルノーウインド
日本導入:ルノー・ジャポン
忘却の彼方度 ★★★★☆
かつての名チューナーのゴルディニの名を冠したモデルもあった
トゥインゴをベースとした電動回転格納式ハードトップ採用モデル。
2011年7月に堂々"来日"したが、2013年5月には早くも"帰国"。謎の瞬間来日だった。
オペルカリブラ
日本導入:ヤナセ
忘却の彼方度 ★★☆☆☆
ドイツツーリングカー選手権をはじめモータースポーツで活躍したカリブラ
日本では1993年11月から1997年末まで販売されたクーペ。
市販版のことは忘れても、ツーリングカー選手権やDTM選手権での姿を覚えている人は多いはず!!
オペルスピードスター
日本導入:日本ゼネラルモーターズ
忘却の彼方度 ★★☆☆☆
オペルスピードスターはロータスと共同開発
オペルの自動車生産100周年を記念して作られたオープン2シータースポーツで、日本では2003年に80台のみを限定販売。
ほぼ見かけなかったが、強烈な印象は残した。
フォード初代&2代目プローブ
日本導入:オートラマ
忘却の彼方度 ★★★★★
今となってはリトラクタブルヘッドランプが郷愁を誘う
フォードとマツダが共同開発したクーペ。
初代は1990年から、2代目は1992年から懐かしのオートラマで販売された。日本人の1割しか覚えてないと思うが……。
オペルメリーバA
日本導入:日本ゼネラルモーターズ
忘却の彼方度 ★★★☆☆
日本では2004年に販売を開始し、2006年にオペルの日本撤退でジエンド
2004年、ミニバン大国日本にやってきたオペルの5人乗り小型ミニバン。
無理やり3列にしなかった姿勢は◎だが、オペル撤退により2006年、"帰国"を余儀なくされた。
BC編集部にいた懐かしの外国人: 編集部ウメキ
ヒュンダイXL(ポニーエクセル)
私がベストカー編集部にバイトとして潜り込んだ1989年6月当時、編集部の社用車としてナゾの左ハンドルコンパクトカーが1台あった。
当時のヒュンダイは三菱の技術協力があって、ポニーエクセルは2代目ミラージュをベースとしており、1.5Lエンジンも三菱のエンジンだった。なるほどねぇ~!!
ドアを開けるとイタ車みたいな甘い(?)香りがした。日本車のニオイではない。ドイツ車のニオイとも違う。
走るとすべてが『古い日本車』だった。緩い感じの操舵感にブワンブワンの乗り心地。ブレーキも甘い。ATも大雑把で変速ショックも大きい。そう、乗った感じは1970年代前半のクルマって感じでしたね。
BC編集部では白のボディカラーのエクセルが社用車として使われていた
★ ★ ★
この企画、時代を遡ればもっと多くのモデルが候補に挙がったろうが、それではキリがないので比較的記憶に残っていそうな1990年代以降のものを中心に紹介した。
が、にもかかわらず「いたな? そんなの」と思わされたクルマが多かったのではなかろうか。
現代に生きる我々がそんなクルマにできることは、ま、線香あげることくらいだな。
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みんなのコメント
アレっ?て思うところ沢山あって、それがデフォルトの設定か不具合かが分からない、ある意味滋味深いクルマだった。
幼少期に写真で見て憧れた、ストラトスと同じメーカーなので、気に入って買って乗っていたので満足してた。今はいい思い出^^