毎月200店以上の新車ディーラーを回り、「生」の新車情報を届けてくれる流通ジャーナリストの遠藤徹氏。
今回はN-BOXの背中が見えてきた!? 破竹の勢いを見せるスズキ スペーシアの話題から。
快適で満足度が大きい! 家族で使える最新コンパクトハッチはどれ?
ほか、ヴェルファイア&エスクァイアいよいよ!? ノート含め日産車苦戦中…!!? などなど、注目車の情報盛り沢山でお届けします。
※本稿は2021年3月のものです
文/ベストカー編集部 写真/NISSAN、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』 2021年4月26日号
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■祝・100万台突破!!! スズキ スペーシアが絶好調でN-BOXの背後に迫る!!!!
スズキのスーパーハイトワゴン軽のスペーシアが快走しています。
軽自動車における今年1~2月累計の銘柄別ランキングは1位ホンダ N-BOX、2位スズキ スペーシア、3位ダイハツ タント、4位日産 ルークスとなっています。
ベスト3の同期間での販売(届出台数)累計と前年同期比はN-BOX 3万4960台(8.1%減)、スペーシア 2万8317台(7.4%増)、タント 2万5668台(4.3%減)と、スペーシアだけがプラスとなっています(ルークスは2020年3月登場)。
N-BOXとタントはともに2020年12月にマイナーチェンジして商品ラインナップを強化しましたが、両モデルともプラスに転じることができていません。それに対しスペーシアは2020年8月、ひと足先にマイナーチェンジしたことでプラスに転じています。
スペーシアのみが好調なのは2019年12月にSUVテイストの「スペーシアギア」を追加し、スペーシアカスタム、スペーシア標準と合わせて3シリーズ構成とし、全シリーズにマイルドハイブリッドを搭載したのが寄与しています。
3シリーズの受注構成比は現在カスタム40%、標準とギアが30%ずつでともに堅調な販売推移となっています。1~3月の決算セールでは1.8%の超低金利残価設定クレジット(かえるプラン)を設定し、これを利用すると10万円相当のサービスパックが付いてくるのもプラス要因です。
これによってトップセラーのN-BOXを着実に追い上げており、どこまで迫れるか注目されます。
軽3強唯一のプラスとなったスペーシア。ひょっとしてひょっとする!!?
■ダイハツ、今年末にもタントにハイブリッド車を設定か
ダイハツは今年末にもタントをビッグマイナーチェンジし、EV走行可能なストロングハイブリッド車を設定する方針のようです。
軽自動車ではスズキ、日産&三菱がマイルドハイブリッドを実用化していますが、ストロング方式は現状存在せず、搭載されれば最高レベルの燃費性能となるでしょう。
ストロングハイブリッドは技術的には各社とも実用化が可能なレベルにあるようですが、軽自動車ではコストアップへの対応がとても難しい状況です。
2モーターやリチウムイオンバッテリーの組み合わせだとガソリンNA車に比べて50万円以上も高くなり、販売増が期待できない可能性があります。
このため当初は1モーターでコスト高を抑える工夫をするものと思われます。
トヨタからの技術導入とダイハツ独自開発の両方で実用化を目指しており、最終的にどちらを選んでいるかはまだ明らかになっていません。
打倒ライバルを標榜するタントの秘密兵器がストロングハイブリッドだが、価格面の調整が急務
■ヴェルファイア、エスクァイアは年内で生産中止へ!?
アルファード/ヴェルファイアは4月28日にも一部改良し、グレード&ボディカラーを統合するなど商品ラインナップを再編、ヴェルファイアは特別仕様車「Zゴールデンアイズ」のみにして、カタログモデルを廃止します。
これで今後販売台数の急減は必至で、年内いっぱいでの生産中止を決めることになりそうです。すでにアルファードとの5年後のリセールバリューは20万円以上もの格差が生じています。
一方エスクァイアは現時点で販売が大幅なマイナスになっていることから、同様に年内での廃止が検討課題です。
1~2月の登録台数ではヴォクシーが1万3760台で前年同期比11.9%増、ノアは7781台(同8.2%増)とともにプラスと好調なのに対してエスクァイアは2452台(同61.5%減)と激減状態にあり、モデル廃止は秒読み状態にあると言ってもいいでしょう。
これが最後…!? トヨタ ヴェルファイアの特別仕様車「Zゴールデンアイズ」
■評判上々も日産 新型ノートが伸び悩む理由
日産の新型ノートが苦戦を強いられています。
首都圏にある日産販売店筋は、「新型ノート自体の商品評価は高いが、問題はe-POWER車だけに絞ったので、価格がバカ高くなり、ユーザーが絞られてしまったので販売が伸び悩んでいるのがネックになっている」と指摘しています。
従来モデルは低価格のガソリン車も設定されており、e-POWER車の販売構成比は60~70%でした。つまり30~40%が低価格のガソリン車を売っていたのに、その分がゼロになってしまったために売れゆきが伸び悩むのは当然ともいえるでしょう。
それをe-POWER車でカバーするため、仕切り価格を引き下げ、可能な限りリーズナブルな価格設定にしていますが、実際は販売店のマージン幅も引き下げられているので値引きに余力がなくなり、車両本体価格からの値引きは5万円以内が限界。ライバル車との価格競争力がなくなっている側面もあります。
1.2Lガソリン車は女性、法人、レンタカーなどの安定需要があったので、伸び悩みの要因として挙げられます。
e-POWER専用となった新型ノート。評価、満足度とも高いがガソリンモデルがないことで伸び悩み
■新型ヴェゼルに1.9%の残価設定クレジット
ホンダは4月22日に発表、発売する新型ヴェゼルの増販を後押しするため、1.9%の残価設定クレジットを設定する方針です。
通常の実質金利3.5%を1.9%に引き下げることで、従来に比べてガソリン車で10万円、ハイブリッドで20万円程度値上げする車両本体価格の負担増をカバーする狙いがあります。
フィット、ビッグマイナーチェンジしたオデッセイにも同様の低金利策を実施しており、これに倣ったものです。
次期型ヴェゼルはすでに3月上旬に先行予約の受付を開始し、初期の予約分は5月に入ってからの納車と好調な出足になっています。
現在のところ、モノトーンカラーで最上級Zを中心に売れていて、受注構成比の80%がハイブリッド車で占められています。
買う気はなくとも(!?)なんとなく売れ行きが気になるヴェゼル。快進撃をみせてほしい!!!
■シビック5ドアモデルの在庫車はほぼ売り切り状態に
ホンダは現行シビック5ドアについて、最終モデルの生産分の受注を打ち切りました。国内在庫を売り切った販売店も多く、買えないケースも目立っています。タイプRもすでに日本割り当て分を売り切っています。
ホンダは次期型モデルについて今夏の8月に5ドア、10月にタイプRを投入する方向で開発を進めています。
これまでイギリス工場で生産したモデルを輸入していましたが、すでに生産を打ち切っており、次期型はタイ製か国内製に切り替えるものと思われます。
ホンダ シビック5ドア。新型を待つか、いま買ってしまうか…!!?
■ノートの上級モデルのオーラは今夏に発売先送り!?
日産はノートの上級プレミアムバージョンであるノートオーラの発売を当初予定の3月から今夏の8月頃に先送りする方針のようです。コロナ禍による半導体関連のパーツ供給遅れで生産開始に滞りが生じているためです。
同社は今年のニューモデルでは6月に新型電気自動車アリア、9月頃次期型エクストレイルの投入を予定していますが、両モデルの投入スケジュールについても今後変更が生じる可能性があります。
昨年11月24日に発表、12月23日に発売した新型ノートも、生産車の供給遅れで、登録実績は前年を下回る状況が続いており、当面はこのペースでしか生産できないのが実情です。
こうしたことから今年の日産の新車販売は昨年に続き苦戦が予想されます。
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みんなのコメント
しかも結果として間違ってた情報も多く、信憑性も低い。