2021年6月
■2021年6月
フォルクスワーゲングループジャパンは、8代目となる「ゴルフ」を2021年6月15日に発表、同日より販売を開始した。
8年ぶりとなるフルモデルチェンジを受けたゴルフは、一見してゴルフだとわかるデザインを踏襲し、特徴的な太いCピラーも受け継がれている。ボディサイズは全長4295㎜×全幅1790㎜×全高1475㎜、ホイールベース2620㎜。先代に対して30㎜長くなったが、全幅は10㎜抑えられ、全高は5㎜低くなった。ホイールベースも15㎜短くなっている。
スリムになったラジエターグリルでフロントマスクはシャープさを増し、サイドはドアハンドルを経由してリヤへと伸びるシャープな“スライス”ラインも特徴のひとつ。また、ボディのあらゆる面が見直されたこともあり、新型の空気抵抗係数(Cd値)は先代の0.3から0.275に低減。改良された空力特性はさらなる低燃費に貢献し、風切り音の低減にも寄与するに違いない。
インテリアは最新のデジタル技術を投入し、クラスを超えたデジタルインターフェースを採用する。10.25インチの液晶ディスプレイを採用したデジタルメータークラスター“デジタル コクピット プロ”を標準装備。その横にインフォテイメントシステムを配置することでモダンかつスッキリとしたコックピットを印象づける。また、シフトレバーが先代よりも大幅に小型化され、スイッチ類も機能に応じてタッチスクリーン、タッチスライダーを用いるなど、クリーンなレイアウトとした。
パワーユニットは最高出力81kW(110ps)/5500rpm、最大トルク200Nm/2000~3000rpmを発生する1.0リッター3気筒ターボ、最高出力110kW(150ps)/5000~6000rpm、最大トルク250Nm/1500~3500rpmを発生する1.5リッター4気筒ターボを設定する。両ユニットにはフォルクスワーゲンとしては初採用となる48Vベルト駆動式スタータージェネレーターとリチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムが備わる。燃費性能は1.0リッターが18.6km/L、1.5リッターが17.3km/L(ともにWLTCモード)を実現している。
ドライバーアシスタンスシステムは充実しており、同一車線内全車速運転支援システム“トラベルアシスト”を標準装備。これは0~210km/hの範囲内で作動させることが可能で、静電容量式センサーによりステアリングホイールを軽く握っているだけで前走車との車間および走行レーンの中央維持をサポートする。さらにドライバーが運転中に意識を失うなど、万一の際でも車両を安全に停止させる緊急時停車支援システム“エマージェンシー アシスト”、乗員が降車時にドアを開いた際、後方から接近している車両や自転車などの障害物を検知すると、警告音とドアミラーハウジングの表示灯にて注意喚起を行う“エグジットウォーニング”も装備される。また、最適な配光を可能とした最新のヘッドライトシステム、LEDマトリックスヘッドライト“IQ.LIGHT”をオプション設定(テクノロジーパッケージ)としている。
ボディカラーは「ライムイエローメタリック」、「ドルフィングレーメタリック」、「ムーンストーングレー」、「キングズレッドメタリック」、「ピュアホワイト」、「アトランティックブルーメタリック」、「ディープブラックパールエフェクト」、「オリックスホワイトマザーオブパールエフェクト」の8色を設定。
グレード構成は1.0リッターが「eTSIアクティブベーシック」と「eTSIアクティブ」、1.5リッターは「eTSIスタイル」と「eTSI Rライン」の4グレードを展開する。
同年10月1日には価格改定を実施した。
■2022年1月
フォルクスワーゲン グループ ジャパンは、「ゴルフ」にディーゼルエンジンを搭載した「TDI」を2021年12月21日に追加、2022年1月7日に発売した。
今回追加されたディーゼルエンジンは、ツインドージング(デュアルAdBlue噴射)システムを採用し、窒素酸化物(NOx)の排出量を抑えながら従来よりも最大トルクを高めた最新世代のエンジン。ツインドージングシステムとは、直列に配置した2つのSCR触媒コンバーターから「AdBlue」を注入することで、窒素酸化物の排出量が大幅に削減される。最新の排気ガス浄化システムの採用に加え、各種の最適化を図ったことにより、先代モデルに対してNOxの排出量は最大80%削減されるという。
また、従来のTDIエンジンよりも低い回転数で最高出力、最大トルクを発揮し、レスポンスの向上とともにWLTCモード燃費20.0km/Lを実現している。搭載される2.0リッター直4ディーゼルターボは、最高出力110kW(150ps)/3000~4200rpm、最大トルク360Nm/1600~2750rpmを発生する。
装備は充実しており、同一車線内全車速運転支援システム“トラベルアシスト”、デジタルメータークラスター“デジタルコクピットプロ”といった先進装備はベースグレードの「TDIアクティブベーシック」から全車に標準。また、「TDIアクティブアドバンス」にはLEDマトリックスヘッドライト“IQライト”、ヘッドアップディスプレイ、純正インフォテイメントシステム“ディスカバープロ”を標準装備。その他、上質なトリムや電動パノラマスライディングルーフなどのオプションが選択可能な「TDIスタイル」、スポーティ仕様となる「TDI Rライン」がそろう。
2021年12月22日には「ゴルフ」のスポーツモデルとなる「GTI」の導入を発表、2022年1月7日に発売した。
新たに追加されたGTIには最高出力180kW(245ps)/5000~6500rpm、最大トルク370Nm/1600~4300rpmを発生する2.0リッター直4ガソリンターボを搭載。7速DSGとの組み合わせにより、WLTCモード燃費は12.8km/Lを実現している。
電子制御油圧式フロントディファレンシャルロックと電子制御式ディファレンシャルロック“XDS”を統合制御することが可能なビークルダイナミクスマネージャーの採用により、より正確なハンドリングをもたらしたとされる。さらにオプションのアダプティブシャシーコントロール“DCC”を選択することで乗り心地をコンフォートからスポーツまで、段階的に調整することが可能となっている。
エクステリアはフロントグリルからヘッドライトへとつながる赤いストライプが施され、X字型に配置されたフォグランプとともにGTIの個性を主張する。また、エアインテークやボディ全周を取り囲むように設置されたフロントスポイラーやサイドシルの専用アイテムを装備。タイヤは225/40R18サイズが標準となり、オプションで235/35R19サイズが選択可能だ。
インテリアはタータンチェック柄のファブリックに、ヘッドレスト一体型のスポーツシートを採用。また、パーフォレーテッドレザーを採用した専用ステアリングには赤いアクセントとGTIエンブレムが装着される。標準装備のデジタルメータークラスター“デジタルコクピットプロ”にもタコメーターを中央に配置したGTI専用のグラフィックが施される。
ボディカラーは「キングズレッドメタリック」をはじめ、全7色を用意する。
2022年4月1日には価格改定を実施した。
同年8月9日には一部仕様変更をするとともに、価格改定を実施した。
今回の一部仕様変更では、「eTSI アクティブ ベーシック」、「TDI アクティブ ベーシック」、「eTSI アクティブ」、「TDI アクティブ アドバンス」、「eTSI スタイル」、「TDI スタイル」にフロントセンターエアバッグを追加。USB type Cポートの給電機能をUSB PD規格に対応(最大45W)させた。またインテリアトリム(ドアトリム、ドアアームレスト、センターアームレスト)の素材を変更して、質感を向上。「eTSI スタイル」と「TDI スタイル」に設定のグレー内装時のトリムを一部グレーからブラックに変更した。
■2023年4月
フォルクスワーゲンジャパンは2023年4月4日、日本へのフォルクスワーゲン正規輸入70周年を記念し、主力モデルである「ゴルフ」をベースとした特別仕様車「プラチナムエディション」の導入を発表した。
日本におけるフォルクスワーゲンの歴史は、1953年の「ビートル」の愛称で親しまれた「タイプ1」108台と、「トランスポーター」と呼ばれる「タイプ2」3台の正規輸入から始まった。その後70年間で累計180万台以上のフォルクスワーゲンが日本市場へ正規輸入されているという。
70周年記念を意味する「Platinum Jubilee」にちなんで名づけられた今回の特別仕様車は、通常モデルのオプションとして人気の装備を多く標準としながら、価格アップを抑えたリーズナブルな仕様となっている。特別装備には、ダイナミックコーナリングライトや純正インフォテイメントシステムの「ディスカバープロ」、ヘッドアップディスプレイなどがある。また、これまでスポーツグレードである「GTI」、「R」のみにオプション設定となっていた「アダプティブシャシーコントロール”DCC“」を18インチアルミホイールとのパッケージオプションとして選択可能とした(eTSI アクティブを除く)。
特にクリーンディーゼルエンジンを搭載する「TDI」は、ガソリンエンジン搭載グレードと比較してもリーズナブルな価格設定としたという。
2024年2月7日には価格改定を発表、同年3月1日から実施した。