伊ランボルギーニは、同社が過去に生産した「エスパーダ」および「イスレロ」の誕生50年を記念し、同モデルのオーナーを招待し、母国イタリアを巡るツーリング企画を開催した。
エスパーダは、ランボルギーニ初の4座モデルとして1968年のジュネーブモーターショーでデビュー。カロッツェリア・ベルトーネによるスタイリングは、4名分の居住スペースを確保しつつ、エレガンスを漂わせるもの。フロントに積まれたV12エンジンはその大柄なボディを250㎞/hに到達させた。
同年のジュネーブモーターショーでデビューしたもう1台のランボルギーニは、2+2のレイアウトを持つイスレロだ。リトラクタブルヘッドライトが特徴のこのグランツーリスモは、エスパーダと同じくV12エンジンを積み、名車「400GT」の後継として高い人気を誇った。
今回のツーリングは、メーカーのクラシックカー部門「ランボルギーニ・ポロ・ストリコ」が企画したもの。9月7日にペルージャをスタートし、ウンブリア、トスカーナを経由してローマに至る800㎞の行程を走るというもの。ミントコンディションの20台超の車両が集まり、なかには際立ったヒストリーを持つ個体も存在した。
そのひとつは、シャシーナンバー9300の1973年式「エスパーダS」。現オーナーは1977年に中古車として手に入れると、ファミリーカーとして通勤や子どもの送迎に長年使い続けた。今回、オーナー夫婦が金婚式を迎えるにあたり、その大切な愛車をレストアし、ツーリングへ参加したという。何とも心温まる物語だ。
次は、シャシーナンバー6435の1968年式「イスレロS」。この個体は70台のみが生産されたイスレロSのなかでも貴重な右ハンドル仕様で、1969年に新車で英国人オーナーが購入し、1993年に現オーナーである子息に譲られた。メンテナンスのためイングランドからサンタアガタ・ボロネーゼのランボルギーニ本社まで毎年運転されているというから驚きだ。
ほかにも参加した各車はいずれも素晴らしい来歴を持つものばかり。オーナーの愛情がランボルギーニブランドの礎石となっていることを改めて認識するイベントとなった。