最新パワートレイン事情まとめ。未来の主役はどれだ?
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久
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最後にFCV=燃料電池自動車にも触れておきたい。次世代自動車の本命と推されていながら、現状ではEVに押されている感もあるFCVだが、そこには依然として圧倒的なメリット、そして価値がある。
まず充填の速さ、そして航続距離の長さは、未だ大きなアドバンテージだ。もちろんEVでもバッテリーを多く積み込めば航続距離は伸ばせるが、それはパッケージング面でも充電時間の面でも、現実味が乏しいのは言うまでもない。
そもそも電気は、そのまま貯めておくことのできないもの。もしEVが爆発的に普及していったら、それらを走らせるための電気はどこから持ってくるのか。貯めておけない以上、発電してすぐに使わなければいけないのだが、そうすると需要が集中する時間と、そうでない時間の大きなギャップが生まれてしまう。
特に再生可能エネルギーを使う場合、発電能力は気象条件などにも大きく左右される。バッテリーに貯めておく手はあるが、だとしたら一体どれだけの量が必要なのか、それをどこに設置するのか?
そこで水素の出番だ。様々なかたちで発電された電気を一旦、水素へと変換して貯めておくのである。水素は貯められるし、自然放電もしない。エネルギー密度は高く、運搬も容易だ。必要な時にいつでも電気に変換して利用できるし、もちろんFCVにそのまま充填して走行すれば、一番効率的なことは言うまでもない。
次世代のパワートレインは、間違いなく電気駆動が主役になる。しかしながらEVが増えたら、火力発電も原発も増やすというのでは意味が無い。再生可能エネルギーで発電し、水素としてプールしておいて使うというのは、資源の無い日本にとってはとても有用だし、せっかくFCVの販売で先行したなら、国やメーカーは率先してそういうビジョンを示していくべきだろう。
現在はトヨタとホンダが先行しているFCVだが、そんなわけで自動車メーカー側は依然として次世代エネルギーの本命として、商品開発を進めている。メルセデス・ベンツは今年、FCVをプラグインハイブリッド化した「GLC F-CELL」の市販を開始する。ホンダと提携しているGM、そしてトヨタと組んだBMWも、2020年を目処にFCVを市販に移す予定である。そう、FCVはこれからが面白い。
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