自動車デザインの常識を疑え。ゴルフやパンダはアジアでも名作と呼べるのか?
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久
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創造性についてはどうだろう。ヨーロッパのクルマのデザインはどちらかと言えば継続性重視と言える。優劣を言いたいわけではなく、個人的には、そうだからこそゴルフだったり911だったりが好きではあるのだけれど、見方によってはいつも変わりばえしないと評することもできるはずだ。
しかしながら、時々思い立ったように大波がやってくる。今回のフランクフルトショーでBMWが見せた次世代モデル達を見ると、まさにかつてのバングル革命以来の、大掛かりな変化が訪れそうな気配が感じられる。しかしながら、一旦テーマが決まれば、あとはそれをフォローするのが基本で、大きな変化は許されないというのも、過去に様々な、特にジャーマンブランド達で見てきた通り。丸いライトに角がついたりというのが、果たして良いデザインなのか? 一連のミニ、特に「クロスオーバー」辺りの苦しさを見ても、そんな思いがもたげてならない。
あるいはそのミニ、「ザ・ビートル」「フィアット 500」のように思い切りレトロ路線に振れることも起こる。日本は新しさを追いすぎると言われるけれど、果たしてどちらが健康的だろうか? まあ個人的にはレトロも、決して嫌いなわけではないのだけれども…。
ブランドの統一感についてはどうか。たとえばメルセデス・ベンツ。ラインナップが「C」「E」「S」クラスの3つのセダンと「SL」、「Gクラス」程度で、販売台数も今の200万台の数分の1だった頃には、あるいはすべてが似たデザインでも良かったかもしれない。BMWだって、アウディだってそうだ。
けれど今は、台数規模が違い過ぎる。いくら単体では美しく、カッコ良くても、同じテーマのデザインが街に今までになくあふれてしまったとしたら、ブランドにとってポジティヴなことではないだろう。現に今だって、「C」「E」「S」クラスには似過ぎて区別がつかないという批判が出てきているのである。
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