エンジンでしか味わえない喜び
高回転の内燃機関の音に勝るものはない。レブカウンターの針が赤に近づくにつれ、背筋がゾクゾクと震えてくる。
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今回は、市販車に搭載されているエンジンの中で、最も高回転型のユニットを紹介する。いずれも歴史に名を残すであろう名車ばかりだが、中にはレブリミットが5万rpmを超えるものもある……。
ランボルギーニ・ウラカンSTO – 8500rpm
「スーパートロフェオ・オモロガータ」の名を冠するランボルギーニ・ウラカンSTOは、非常に特別な存在だ。サーキット走行に特化したSTOの心臓部は、他のウラカンと同じ5.2L V10で、回転数の上限は8500rpmとなっている。最高出力は640psで、0-100km/h加速を3.0秒で達成できる。
ランボルギーニのV10エンジンを特徴づけているのは、目がくらむようなレブリミットではなく、レッドラインに向かって走る姿である。ターボエンジンを搭載したライバル車とは異なり、ウラカンは自然吸気だ。4輪駆動ではなく、後輪のみを駆動するため、重量においても優位性がある。
マクラーレン570S – 8500rpm
マクラーレンの3799ccツインターボV8は、これまでにも特別なユニットであることが証明されてきた。570Sの場合、8500rpmまで気持ちよく回るが、ピークパワーの570psはその1000rpm前で発揮されるので、ドライバーは変速する前に少し余裕を持つことができる。
ピークトルクはさらに低いところから発揮され、5000~6500rpmで最大61kg-mとなっている。車名の由来となった馬力との組み合わせにより、570Sは発進から0-97km/h加速を3.1秒で達成し、最高速度は328km/hに達する。
アウディR8 V10 – 8700rpm
アウディR8は、5.2LのV10エンジンをランボルギーニと共有しているが、子会社よりも特別なものを身内に望んでいたようだ。ウラカンの最高回転数が8500rpmであるのに対し、R8の最高回転数が8700rpmなのはそのためだろう。
最高出力の570psは8000rpmで発揮され、7速Sトロニックでシフトアップが必要になるまでの有効なマージンを確保する。アウディによると、各ピストンの速度は毎秒26.9mで、これは時速に換算すると96km/h以上になる。
フェラーリF12tdf – 8900rpm
究極のマシンに車名をつけるなら、それは特別なものでなければならない。フェラーリF12tdfはまさにそんなモデルだ。1960年代の250GTへのオマージュともいえるルックスに加え、ボンネットの中には標準の512から40psアップした780psの6262cc V12エンジンが搭載されている。
このエンジンは、機械的な摩擦を減らすために工場で慎重に調整され、モーターの内部部品には軽い素材を使用した。その結果、最高8900rpmまで回転しながらも、この上なくスムーズなエンジンとなっている。
ホンダS2000 – 8900rpm
スーパーカーでなくとも、目の回るようなレブリミットを楽しむことができるのがホンダS2000だ。1999年、ホンダの50周年記念に発売されたS2000は、当時世界最高水準のリッターあたり125ps(合計250ps)の自然吸気エンジンを搭載。このパワーを得るためにはエンジンを酷使しなければならず、8900rpmまで回す喜びを知れるのはこの時だ。
これだけのパワーと高回転域の楽しさは、ホンダの可変バルブタイミング機構「V-TEC」によって実現された。しかし、2004年にホンダは耐久性を考慮してピーク回転の上限を8200rpmに下げたため、それまでに比べてやや平凡な印象を受けるようになった。
フェラーリ458 – 9000rpm
2009年、F430の後継モデルとして登場した458は、世界に大きなインパクトを与えた。スタイリングだけでも十分に素晴らしいものだったが、フェラーリは先代モデルとの違いを明確にするため、4.5L V8に570psを発揮させ、9000rpmという驚異的なレッドラインを設定したのだ。
458がトップギアでピーク回転に達した場合、速度は325km/hに達する。モーターの高速回転を助けるために、ピストンにはグラファイトコーティングが施され、摩擦を抑えてシリンダーの上下運動を滑らかにしている。
レクサスLFA – 9000rpm
LFAは、レクサスの技術力とブランドを世界に知らしめるべく、コストを惜しまずに開発された。その心臓部には、9000rpmまで回る4.8L V10エンジンが搭載されている。このエンジンの回転は素晴らしく速く、6速トランスミッションで変速するたびに回転数が激しく変化するため、アナログ式では追いつかず、デジタル式のレブカウンターを使用しなければならなかったほどだ。
最高出力560psを誇り、LFAにのみ搭載されているが、このエンジンはヤマハとの共同開発によるものだ。二輪車で培った高回転型エンジンのノウハウを活かし、コンロッドやバルブにチタンを使用することで軽量化を実現した。また、同排気量のV8に比べてピストンを小型化・軽量化するためにV10を採用しているのもそのためだ。
ポルシェ991型911 GT3 – 9000rpm
GT3は、ポルシェ911シリーズの中でも最も魅力的なモデルの1つであり、ドライブのたびに感覚が刺激されるクルマだ。その理由のほとんどは、4.0Lエンジンが9000rpmまで回転することにある。ピークパワーは8400rpmに達するので、それ以上回す必要はないが、その音につられて毎回レッドラインに到達してしまう。
911 GT3がレースで鍛えられた血統であることは、エンジンの仕様を見れば一目瞭然で、カップのコンペティションカーにも近い。GT3は、ポルシェのモータースポーツ部門がレーシングカーと同じ生産ラインで製造している。
ポルシェ918スパイダー – 9150rpm
V型8気筒というレイアウトは、高回転型のエンジンを作ろうとする開発陣が最初に選択することはあまりない。しかし、ポルシェは常に挑戦を続けており、918スパイダーには4.6LのV8エンジンが搭載されている。
このエンジンは多くのV8よりも小型であり、各ピストンはシリンダー内で高速で上下することが可能だ。608psの最高出力は8600rpmで得られるが、スロットルを踏み続けると、9150rpmでリミッターがかかる。
フェラーリ・ラ・フェラーリほど高回転ではなく、パワーも劣るが、0-100km/h加速のタイムは、ラ・フェラーリの3.0秒に対して、918スパイダーは2.8秒と勝っている。
フェラーリ・ラ・フェラーリ – 9250rpm
ラ・フェラーリのエンジンは、F12tdfと同じ基本ユニットをベースにしているが、限定生産のハイブリッド・ハイパーカーが同じ性能でいいはずがない。6.3L V12エンジンは、より軽量な内部部品で構成され、レブリミットは9250rpmまで引き上げられた。最高出力800psは9000rpmで達成される。
これだけのパワーをターボチャージャーなしで発揮するのだ。ラ・フェラーリはハイブリッドならではの電動アシストも利用することで、0-100km/h加速を3.0秒で駆け抜け、最高速度は350km/hに達する。
スズキ・カプチーノ – 9300rpm
スズキ・カプチーノの小さな3気筒エンジンが、9300rpmのレッドラインまで回転しているときの音は、人生で最も素晴らしい体験の1つである。アグレッシブに運転しても、決して速いクルマではないが、その音を楽しみながら次のギアに入れ、また同じことを繰り返すことに夢中になるので、気にならないだろう。
さらに良いことに、657ccのターボエンジンは、64psの出力とピーク時の最高回転数を最大限に活用しても、運転免許証を脅かすようなことはない。最高速度は150km/hなので、安心してその高速回転を楽しむことができる。
ホンダS800 – 9500rpm
ホンダのモータースポーツ、特に二輪レースでの経験は、S800に大きな影響を与えた。コンパクトな2シーターのスポーツカーで、MGミゼットやトライアンフ・スピットファイアへの対抗馬として開発されたのかもしれないが、その791cc 4気筒の猛烈な回転数には、英国ののんびりとしたエンジンはかなわない。
排気量は小さくても、8000rpmで70psを発揮し、最高速度は160km/hに達したのだから、S800のエンジンはすごい。また、全力のエンジン音を楽しまずに走らせれば、約15km/lという驚異的な燃費を実現できた。
マツダRX-8 – 9500rpm
ロータリーエンジンは、シリンダーの中でピストンが上下するのではなく、中央のシャフトの周りを三角形のローターが回転する仕組みになっているため、高回転に適している。マツダは、RX-8やRX-7に代表されるロータリーエンジンを長年にわたって独自に開発してきた。過去にマツダをル・マン優勝に導いたという輝かしい経歴もある。
RX-8に搭載されている235psの1.3Lロータリーエンジンは、2つのチャンバーが同じセンターシャフトを共有しているツインローターデザインだ。このデザインは、RX-8が9500rpmのレブリミットに向かって加速しているときの独特のエンジン音にもつながっている。また、トルクは約22kg-mと細いため、しっかり走らせるには回転を上げる必要がある。
アリエル・アトムV8 – 1万600rpm
アリエル・アトムV8が有する数字はどれもぶっ飛んでいる。最高出力507ps、重量550kg、静止状態から97km/hまでの加速にかかる時間はわずか2.3秒だ。また、停止状態から160km/hまでの加速は、ブガッティ・ヴェイロンよりも速い。中でも特に目を見張るのは、レブリミット1万600rpmのエンジンだ。
スズキの二輪車「ハヤブサ」の4気筒エンジンを2基、クランクシャフトを共通化して開発された3.0Lのユニットである。ピークトルクは7750rpmで発揮。また、わずかにおとなしいモデルを選択した場合、レブリミットは100rpm低い1万500rpmに設定されている。
ゴードン・マレーT50 – 1万2100rpm
ゴードン・マレーは中途半端な妥協を許さないため、スーパーカーのT50を製作する際には、自然吸気のV12エンジンを搭載する必要があった。コスワース・エンジニアリング社が設計した3.9LのV12は、1990年代のF1エンジンのようなサウンドと回転数を誇り、最高回転数は1万2100rpmに達する。
最高出力は660psで、多くのハイパーカーに比べると控えめに見えるが、軽量であることが助けとなっている。また、ダウンフォースを得るために、マレーがF1で提唱した「ファンカー」のアイデアを採用している点も見逃せない。
クライスラー・ターバイン – 4万4600rpm
1960年代初頭は、航空機の進歩により「ジェット・エイジ」と呼ばれており、米国ではクルマのスタイリングにもその影響が現れていた。その中でただ1台、ジェット機の技術を全面的に受け入れたのが、クライスラー・ターバインというクルマだった。ガスタービンエンジンのテスト車両として55台のみが製造され、10台が廃棄処分を免れたという。
タービンエンジンの出力は130psと控えめだが、最大トルクは58kg-mもあり、中型の2ドア・セダンをそれなりに走らせるには十分だった。しかし、残念ながらクライスラーはこのプロジェクトに信頼を寄せず、タービンエンジンが真価を発揮する前に頓挫してしまった。
ローバー・ジェット1 – 5万6000rpm
市販化には至らなかったが、ローバー・ジェット1は1950年代の英国自動車産業の可能性を垣間見せる魅力的なモデルだった。航空界ではジェットエンジンが文字通り離陸しつつあったが、ローバーはこれをクルマに応用し、P4をベースにガスタービンエンジンを搭載したジェット1を製作したのである。
エンジンは2軸タービンで、それまでのローバーの中で最高の147psを発揮した。0-97km/hは11.0秒で、当時としては非常に速いものであった。5万6000rpmまで回転するこのエンジンに刺激を受けたローバーは、BRMと共同で6万5000rpmのタービンエンジンを搭載するル・マン・レーシングカーを開発したが、こうした開発から市販車が誕生することはなかったのである。このプロトタイプは現在、ロンドンの科学博物館に展示されている。
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バイクなんて、250cc4気筒は20000回転とか普通だった