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本命トヨタのEV 本気がついに見えた! 4社で包囲網 スバル版はどうなる???

掲載 更新 31
本命トヨタのEV 本気がついに見えた! 4社で包囲網 スバル版はどうなる???

 トヨタは、2021年4月19日、上海モーターショーにおいて、トヨタとスバルのEVの共同開発車、トヨタbZ4Xを発表した。いよいよ、巨人トヨタが新EVシリーズを立ち上げ、本格的にEVに本腰を入れる先駆けが今回発表されたbZ4Xということになる。

 すでにトヨタは2019年6月、スバルは2020年1月にそれぞれEVのコンセプトモデルを発表。トヨタはミドルクラスのSUVをスバルと共同開発し、スズキ、ダイハツとも協業で小型EVを開発すると発表している。

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 今回発表されたbZ4Xは、コンセプトモデルと発表されているがほぼ市販型に近い完成度を持つ。今後、トヨタはどんなEVを発表していくのだろうか? またbZシリーズはトヨタにおける新車計画にどんな影響をおよぼすのか?

 そして、bZ4Xのスバル版はどうなるのか考察していく。

文/大音安弘
写真/トヨタ ベストカー編集部

【画像ギャラリー】上海モーターショーで初披露! 新型EVクロスオーバー「TOYOTA bZ4X」コンセプトの全貌が明らかに!!

電動化へ加速するトヨタのEV専用新シリーズ、bZの第一弾

2021年4月19日、上海モーターショーにて世界初披露されたTOYOTA bZ4Xコンセプト。ハリアーとRAV4の「いいとこどり」をしたようなデザインだ

スバルと共同で開発したEV専用プラットフォーム「e-TNGA」を採用し、2022年までのグローバル投入を目指す

 トヨタは、2021年4月19日、同日開幕を迎えた中国・上海モーターショーにて、新型EVのコンセプトカー「TOYOTA bZ4X(トヨタ ビーズィーフォーエックス)」を世界初披露した。

 コンセプトモデル、bZ4Xは、トヨタが新たに展開するEVシリーズ「TOYOTA bZ」の第一弾モデルとなるクロスオーバーSUVだ。コンセプトと言いながらも、そのデザインは完成されており、市販型といえるほどの完成度だ。

 そのディテールには、RAV4やハリアー、C-HRといったスポーティ&クールなデザインを持つトヨタの人気SUVたちのエッセンスが感じられ、トヨタ車らしさもある。

 その一方で、LED薄型ヘッドライトに象徴されるグリルレスのハンマーヘッドデザインのフロントマスクは、従来のトヨタ車ともイメージが異なり、トヨタの新EVモデルラインへの強い想いと拘りを感じさせるところだ。

 この斬新なエクステリアの市販時の変更は、恐らく法規対応など最小限に留められるだろう。CセグメントSUVと思われるボディの構造は、EVのメリットを最大限活かすべく、ショートデッキ&ロングホイールベースに仕立てられている。これがDセグメントセダン並みの室内空間を実現するという。

 現実的なデザインに仕立てられているのは、インテリアも同様。広々した5人乗りのキャビンを備え、コクピットデザインやシートレイアウトも市販車に近い作り込みが図られている。

 特徴的なのが、「ステアリングバイワイヤ」技術を象徴する異形ステアリングホイールだ。すでにレクサスEVコンセプト「LF-Zエレクトリファイド」でも採用される機構で、ハンドルと操舵機構を切り離し、電子制御することで、スムーズかつ心地よいステアリング操作を可能とするもの。これもコンセプトに終わらず、最初の市場となる中国で実装することを明言している。

市販モデルはどうなるのか? 価格は500万円台!?

電子制御システム「ステアリングバイワイヤ」を採用した異形ステアリングホイール。操舵時に持ち替える必要がないうえ、デジタルメーターの視認性も向上する

インテリアは極めて市販車に近いデザインに作りこまれている

 気になるサイズや性能などのスペックは現時点では一切非公表。その開発コンセプトは「Activity Hub」とし、家族や友人と過ごすときやコミュニケーションを図る時の「絆」の役割を果たすとする。

 そこから、ロングドライブやSUVに求められる高い走破性、快適な移動空間が実現されていることが伺える。メカニズムについては、トヨタとSUBARUが共同開発した「e-TNGA」EV専用プラットフォームを採用。

 さらに駆動システムには、スバルと共同開発した新AWDシステムが搭載されるのも大きな特徴だ。先にレクサスで発表された「LF-Zエレクトリファイド」までの高性能車ではないだろうが、いろいろと想像を刺激する高い基本性能を備えていそうだ。また環境性能の向上を狙い、回生エネルギーの活用に加え、停車中の充電可能とするソーラー充電システムも用意されるようだ。

 ボディサイズは、現在、販売されているレクサスUX300e/C-HR EVの上、CセグメントのRAV4クラスと予想される。このクラスのライバルといえば、2021年6月に発売予定の日産アリア。アリアのボディサイズは全長4595×全幅1850×全高1655mmとされ、既存のSUVならマツダCX-5の全長4545×全幅1840×全高1690mmに近い。

 日産アリアはEV専用AWDシステム「e-4ORCE」を開発し、65kWh仕様の2WDは160kW(217ps)/300Nm(30.6kgm)、もっともハイパワーな90kWh仕様の4WDは290kW(394ps)/600Nm(61.2kgm)を用意する。

 日産アリアの価格は500万円台とされるが、2022年年央に発売予定のトヨタbZ4Xも同じくらいの価格になるのではないかと思われる。

2021年中盤に発売予定の日産アリア

スバル車のEVはどうなるのか?

2020年1月20日に開催されたスバル技術ミーティングで披露されたスバルのEVのモックアップモデル。フロントグリルのヘキサゴン(6角形)形状は、スバルの六連星をイメージしたもので、現在のスバル車全般に採用されているデザインとの共通性がある

前後フェンダーのブラックアウトされたアクセントも、スバルデザインのベースとなる「ダイナミック&ソリッド」を表現したもので、コンセプトモデルVIZIVアドレナリンと通じるものがある

スバルが2020年1月のスバル技術ミーティングで発表した、トヨタとスバルが共同開発するEVのSUVについてのプレゼンテーション資料

 もちろん、スバルもEV専用のプラットフォームの共同開発に加え、そのプラットフォームを活用したCセグメントSUVの計画を2019年6月に公表しており、2020年1月に開催した「スバル技術ミーティング」では、デザインスタディのモックアップモデルをサプライズ披露している。

 トヨタ版とスバル版がどの程度、差別化が図られるのは現時点では不明だが、スバルのEVコンセプトはスバルの六連星をイメージしたヘキサゴングリルが特徴。しかし、絞り込んだボディサイドのフォルムと強調されたホイールハウスに、デザインの共通点を見出せる。両社のカラーがどのように反映されるのかも楽しみだ。

モーターとアクスルの位置は固定する一方でホイールベースや前後オーバーハングは可変式とし、さまざまなモデルバリエーションが展開できる。BセグからDセグまで幅広いEVが作られることだろう

トヨタがEVに本気を見せたら手ごわいとライバルメーカーは戦線恐々!?

トヨタが2019年6月に発表したEVの電動化プラットフォームe-TNGAを採用した4つのモックアップモデル。写真左からシエンタクラス、RAV4クラス、カムリクラス、ハイランダークラス

 トヨタは、「bZ4X」を日本と中国での生産が予定されており、2022年年央までに中国の発売を皮切りにグローバルでの展開を行っていく計画だ。

 上海モーターショーでのプレゼンテーションでは、今後の電動化戦略についても言及。2015年9月の国連サミットで採択された「SFGs(持続可能な開発目標)」の2030年までの達成に加え、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、モビリティカンパニーとして、各国政府や業界団体など様々なステークホルダーと連携して取り組み、より良い未来の実現のために、チャンレンジしていくとした。

 そのためには、世界初の量産ハイブリッドカー「プリウス」を1997年に投入した時のように、さらなる環境車の普及に努めことが必須だ。

 トヨタは、「サスティナブル(持続可能)な移動手段をプラクティカル(実用的)な形で提供する」という考えのもと、国や地域などの環境に合わせた最適な電動車を提供すべく、HV、PHEV、EV、FCVという電動車のフルラインアップ化を推進していく。

 具体的には、現在、乗用車・商用車合わせて、HV45車種、PHEV4車種、EV4車種、FCV2車種の合計55車種の電動車ラインアップを2025年までに70車種程度に拡充していく予定だ。

 電動車のフルラインアップ化のなかでEVは15車種を計画しているが、そのうち7車種が、今回発表されたEVシリーズ「TOYOTA bZ」となるという。

 この新EVシリーズは、顧客のニーズに応じた様々な大きさとスタイルのEVを導入するために、それぞれの得意分野を持つ自動車メーカーが参画し、共同開発を進めている。

 そのパートナーは、電気自動車メーカーとして存在感を強める中国の「BYD」、小型車を得意とするダイハツやスズキ、そして、bZ 4Xにも採用するEVプラットフォームと電動4WDシステムを共同開発したスバルの4社が含まれている。

 現在、EVのサブブランドを持つ自動車メーカーはVW(ID.)、BMW(i)、メルセデス・ベンツ(EQ)、アウディ(e-tron)などがあるが、トヨタの新EVシリーズ、bZシリーズはまさに“遅れてやってきた巨星”。単に電気モーターに切り替えるだけでなく、EVの魅力を最大限発揮させる新たなクルマ作りの取り組みをアピールするもので、今後EVがメインストリームとなっていくことを示唆したといえる。

 しかも、それぞれの得意分野を活かした協業による新EVモデル群の展開は、トヨタが本気で地球環境を改善し、守りたいという意思でもある。

 一見、そのための現実的な選択のように思えるが、実はおもしろい未来が待っている可能性も高いと思う。それを見せてくれたのが、トヨタとSUBARUが共同開発したスポーツカー「86/BRZ」の存在だ。

 単なる供給や仕様変更とせず、それぞれが理想とするスポーツカーを協力して開発する姿勢は、クルマ作りの新たな革新を生み、基本を共有しながらも、86/BRZという異なる個性を生みだした。

 それだけに、bZシリーズと他社で展開されるEVのキャラや棲み分けにも期待が膨らむ。その第一弾は、スバルとの共同開発車である。単に新たな環境車の登場ではなく、トヨタとスバルの個性が、どんな形で発揮されるのかも楽しみで仕方ない。

【画像ギャラリー】上海モーターショーで初披露! 新型EVクロスオーバー「TOYOTA bZ4X」コンセプトの全貌が明らかに!!

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みんなのコメント

31件
  • EVリリースされてもインフラがもっと整わないと普及しないような気がします。
  • EVの普及の鍵になるのは一つに充電に関わるインフラ整備の進み具合と
    あとは積み込む電池の価格。
    どちらも今はネックになっているが数年の内に劇的に改善する可能性もあり。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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