2020年の欧州販売台数でルーテシアがBセグメントのナンバー1、キャプチャーもSUVモデルナンバー1を記録した。ルノーは欧州で売れまくっている。
しかし、日本で売れている輸入車といえば圧倒的にドイツ車だ。そのため、欧州でもそれは似たようなものなのでは? というイメージがあるが、そうではなく、フランス車のルノーが人気なのだった。
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とはいっても、日本でフランス車のルノーは販売台数からみても一部の好きな人たちのブランドという印象は今でも強い。そんなルノー車が欧州で売れている理由は何か?
文/石川真禧照
写真/ベストカー編集部
【画像ギャラリー】ルノー『ルーテシア』とそのライバルたちを一挙公開!
■ルノーは欧州のブランド別ランキングで2位につけている!
2021年に入って、ルノーから届いたプレスリリースによると「ルノー ルーテシアが欧州Bセグメントモデルの販売ナンバーワンになった」という。さらにSUVのキャプチャーもナンバーワンになったというニュースが入ってきた。
ルーテシアは昨年で連続8年も販売台数でトップを獲得しているらしい。
ルーテシアは全幅1725mmのボディに1.4L直噴ターボエンジンを搭載。WLTC燃費は17.0km/Lで価格は236万9000円~
日本では輸入車の販売台数ベスト10といえば、ブランド別では、1位メルセデスベンツ、2位フォルクスワーゲン、3位BMW、4位アウディ、5位BMWミニとドイツ勢が続き、6位にようやくスウェーデンのボルボが入っている。ルノーは10位だ。
一方、欧州の市場を調べてみると、EUのなかでもっとも自動車が売れているのは、やっぱりドイツ。2019年の資料だが、ドイツは年間約360万台を販売して1位。2位はイギリスだが、販売台数は約230万台、3位はフランスで190万台だった。圧倒的にドイツの市場が大きいことがわかる。
ルノーがEUでトップセールスを達成するのにはドイツで売らなければ(売れなければ)ならないことになる。しかし、ドイツだって本国のメーカーがルノー車の競合車種を作っているはず。
ちなみにドイツ国内での販売台数をメーカー別に分けると、1位がフォルクスワーゲン、2位にメルセデスベンツ、3位がヨーロッパフォード、4位BMW、5位アウディという順位だった。ここでもルノーという名前は出てこなかった。
欧州車名別販売台数トップはゴルフ。全幅1800mmに達し、日本市場ではコンパクトとは呼ばれないサイズだ
しかし、EUでの車名別ランキングを調べてみると新たな事実が判明した。
EUでの車名別トップはフォルクスワーゲン ゴルフだが、2位にルノー ルーテシアが入っているのだ。3位はフォルクスワーゲン ポロ、4位フォード フェスタ、5位フォルクスワーゲン ティグアン、6位プジョー 208となっている。
さらにブランド別でもフォルクスワーゲンは1位だが、2位にルノーが入っているのだ。
■ルノー車はコンパクトなクラスで強みを発揮
日本では輸入車というと、フォルクスワーゲン、メルセデス、BMW、アウディなどが上位に入ってくるが、EUではフォルクスワーゲンに次いでルノーが入ってくるのだ。
その理由だが、ルーテシアが属しているBセグメントというカテゴリーがある。実は冒頭のプレスリリースでもわかるように、ルノールーテシアは、Bセグメントでトップを取っている。
この、セグメントというのは、いくつかの分け方の違いがあることを知っているだろうか?
セグメントというのは欧州でのカテゴリー分けになる。クルマの大きさで分類しているのだが、基準はボディ全長。
Aセグメントは3750mm以下、Bセグメントは3750~4150mm、Cセグメントは4150~4400mmという具合だ。Aセグはミニカー、Bセグはスモールカー、Cセグはミディアムカーとも呼ばれている。
Bセグメントは全長3750~4150mmなので、ルーテシアはヤリスやフィット、ノートなどの、日本市場でのコンパクトカークラスに近いサイズ感だ
これが英国ではAセグはマイクロカー/バブルカー、Bセグはシティカー/スーパーミニ。Cセグはスモールファミリーカーになる。さらにアメリカではホイールベースを基準にマイクロカー、サブコンパクトカー、コンパクトカー、ミッドサイズカーというようになる。
この表示でもわかるようにルノーがトップなのはBセグメントでのこと。ゴルフはCセグメントなのだ。それにしてもなぜフランス車がドイツでも売れているのだろうか。
■Bセグより小さなクラスではフランス車に一日の長あり
現地の人たちに取材をしたり、調査してみると、確かにドイツでもルノー車は売れていた。
ドイツでも若いファミリーなど30代以下の人たちは、収入も多くないので、購入するクルマも大きなクルマや高額なクルマは買えない。メルセデスベンツ、BMW、アウディもB、Cセグメントのクルマはあるが、価格は安くはない。
そこでフォルクスワーゲンやフォード、オペルなどが購入リストにあがってくる。ここにルノーやプジョーなどのフランス勢も入るのだ。なかでもルーテシアは室内サイズ、装備、デザイン、価格などのバランスがとれていることで、評価が高いのだ。
フォルクス ワーゲンポロ、フォード フィエスタ、オペル アダムといったドイツ車やフランスのプジョー208よりも人気があることになる。
フランス車といえば忘れてはならないのがプジョー。写真の『208』は、純ガソリン車とEVを同等にグレード展開するという、先進的な開発が為されたコンパクトカーだ
ドイツ車は上からCセグメントまではかろうじて世界でもトップレベルのクルマづくりができるのだが、その下のクラスとなると、フランス勢のほうが一日の長がある。
パリなどのように狭い道と駐車スペースのない街で育ってきたクルマづくりや、燃費に厳しいフランス人の間で育ってきたフランス車は特にBセグメントでは強い存在なのだ。
■ルーテシアが欧州Bセグで8年連続トップ! の裏に日産の存在がある
ルノーは2ボックスのファミリーカーだけでなく、欧州でも人気のあるSUVもキャプチャーのようなBセグメントで、人気を集めている。
欧州でも絶対的な存在と思われているドイツ車だが、セグメントによっては不得手とするカテゴリーがある。それがコンパクトカーよりも小さいスモールカー、Bセグメント。ルノーは8年連続でルーテシアがトップを獲得している。
なぜ8年前から欧州でトップのクルマになったのか? その陰には日産からの技術的アドバイスを受けていたことは間違いないようだ。実際に日産からの技術者がルノーに滞在していたのは事実なのだ。キャプチャーも然り。
ルノー躍進の裏に日産の協力があったのだ。
ルノーが欧州コンパクトカー販売台数で上位に躍り出た背景には、日産の協力があった
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みんなのコメント
良いと思う。トヨタや日産、ホンダ等はもっと
デザインに力を入れた方が良い。性能を向上さ
せるよりデザインを良くした方が消費者の目に
とまりやすいからね。
良さそうに見えます。
誰か詳しい人いらっしゃいますか。