中古で味わう4ドア・セダンの深い世界
4ドア・セダンは、最近欧州でもほとんど注目されていない。かつては誇り高かったセダンたちは、SUVの台頭により、ゆっくりと舞台の隅に追いやられつつある。
【画像】日本では希少? ハイセンスな4ドア・セダン【レクサスIS Fやサーブ9-3などを写真で見る】 全70枚
今では決してファッション性の高くないクルマだが、それが有利に働くこともある。新車は別として、中古車価格は流行ど真ん中のSUVと比べても手頃感があるし、何よりクルマそのものの魅力が深い。
そこで今回は、5000ポンド(約90万円)以内で買える、上品な4ドア・セダンを英国編集部が紹介する。日本でも手に入るモデルばかりなので、中古車探しの参考にしてほしい。
フォルクスワーゲン・ジェッタMk6
フォルクスワーゲンは2017年に6代目ジェッタを英国向けラインナップから除外し、パサートを唯一のセダンとして残している。ジェッタは、2017年1月1日から10月1日の間に英国でわずか379台しか販売されていないのだ。
2.0Lディーゼルエンジンは最高出力150psを発生し、普遍的ではあるがパフォーマンスと経済性を見事に調和させている。ゴルフよりもジェッタを選んだ方がお得だが、コンパクトセダンの市場が小さいため、売却に苦労する可能性もある。無難だが華のあるクルマなので、掘り出し物を掴みたい。
アルファ・ロメオ159
アルファ・ロメオの新型ジュリアには手が届かない、あるいはBMW 3シリーズやフォード・モンデオのような群衆についていけないという方には、159は一見の価値がある。ネタバレ注意:今回の21台の中で最も美しいセダンであることは間違いないだろう。
見た目ほど走りは良くないので、3シリーズのファンは今すぐ目をそらした方がいい。ディーゼルエンジンを搭載したアルファはやっぱり違和感があるが、その分、燃費はそこそこ期待できる。ディーゼルエンジンには「問題」があるが、中古車情報サイトで確認できる車両の走行距離を見れば、その実力は確かであるとわかるだろう。燃費の悪さに耐えられるなら、カリスマ的な3.2L V6を選ぶとよいだろう。
アウディA4
アウディA4の中古車価格は1000ポンド(約18万円)以下からあるが、5000ポンド(約90万円)の予算があれば、2008年から販売されているB8(4代目)を選ぶべきだろう。BMW 3シリーズやメルセデス・ベンツCクラスとの差を縮め、キャビンの品質や機能も顕著にアップしている。
エンジンにこだわらないなら、ほぼ間違いなく2.0Lのディーゼルを選ぶことになるだろうが、よりパワフルで経済的なものを求めるなら、3.0L TDIを探す価値がある。2.0L TFSIガソリンは、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIに搭載されているのと同じエンジンなので、見過ごさないように。
ボルボS60
何年経っても上品だ。ボルボS60は、特に「Rデザイン」仕様の場合、現代のドイツのライバル車よりも熟成が進んでいると言えるかもしれない。2014年のフェイスリフトでは、新しいマルチメディア・システム、新しいシート、新しいインストゥルメントパネルが採用され、新しい安全機能も搭載された。まぁ、ボルボらしいクルマである。
巧みな技術で排出ガスを抑え、性能を高めているからこそ、D4 DRIVeエンジンは選りすぐりのものだ。静かなアイドリングと、日常使用で20km/lの燃費を達成することもできる優れものであり、クルマ自体も3シリーズに代われる快適かつ安全なものである。
メルセデス・ベンツCクラス
このリストの中で、サロン・プリヴェで最も歓迎されそうなのは、メルセデス・ベンツCクラスだ。ゲストはウーバーのタクシーが来たと思うかもしれないが、クルマが溢れかえる欧州でも上品な選択であることに変わりはない。
中古車探しでのコツは後期型に時間と予算をかけること。W204世代のCクラスは、2007年から2017年まで販売されていた。ベストは期待通り、ディーゼルだ。C 220 CDIの2.2L 4気筒ディーゼルターボは、決まり文句のように、必要な要素をすべて揃えている。
ジャガーXタイプ
ジャガーXタイプの最期を悼む人はほとんどいなかったが、ジャガーのエントリーモデルであるXタイプは、本当に忘れ去られてもよいのだろうか? 必ずしもそうではないので、共同開発されたフォード・モンデオと一緒にしてはいけない。それに、Xタイプを「お上品なモンデオ」に過ぎないと断じるのは、不正確で不公平な話だ。
ディーゼルエンジンの導入は明らかに遅すぎたが、中古車市場にはたくさん出回っている。燃料代に余裕があれば、四輪駆動の2.5Lまたは3.0L V6が冬季も走れる安上がりなライフハックとなり得るが、優れたエステート(ステーションワゴン)を勧めるのは本稿の趣旨に反するだろう。
フォード・フォーカス
フォード・モンデオを勧めるのは、あまりにも簡単だ。優れたクルマであることは多くの読者がご存知だろうし、欧州の中古車市場にはたくさんの車両がある。しかし、英国編集部は慣習にとらわれず、見過ごされてきた4ドアのフォーカスを推したい。
フォーカスのセダンは、なんというか、より成熟したドライバーが乗る傾向があるので、丁寧に扱われてきた個体、そして点検履歴に裏打ちされた個体を期待できる。ハッチバックと同じようによく走り、それ以上に優れていると言う人もいるほどだ。
レクサスIS
レクサスISは、中古車市場で最も存在感の薄い車種の1つである。エグゼクティブ・セダンというよりもラグジュアリーカーという印象が強いので、中古車がドイツのライバル車よりも安い傾向にあるのは驚くべきことだ。英国では、レクサスは特定のドライバーを惹きつけるので、買い手が少ないということなのだろう。
ハイライトは上品なインテリアで、エンジンやトランスミッションは長所とは言えないものの、優れたボディコントロールと正確なステアリングを持つ。2.2L 4気筒エンジンは比較的優れた燃費を実現し、ランニングコストも安いはずだ。後席のスペースが限られていることと、トランクが比較的小さいことが、ISのマイナスポイントだろう。
フォルクスワーゲン・ボーラ
1999年に発売されたフォルクスワーゲン・ボーラは、BMW 3シリーズから顧客を誘引するためにデザインされたスポーツセダンだ。英国のコンパクトセダン市場があまりにも小さいため、なかなか実現できなかったが、ボーラはプラットフォームを共有するゴルフよりも走りが良いのだ。これは、硬めのサスペンションとタイトなボディコントロールのおかげである。
質感も素晴らしく、インテリアは上質の極みとは言い難いものの、現代のゴルフと同じように堅実に感じられる。しかし、走行距離の多い個体では、レザーが少々たるんで見えることがある。また、一部のモデルで採用されている「ウッド」トリムは、まさに「マーマイト(好き嫌いが分かれるもの)」だ。
シトロエンC5
シトロエンは「まぎれもなくドイツ的」という広告キャンペーンで非難を浴びたが、C5は明らかにドイツ製セダンから顧客を引き離すためにデザインされたクルマだ。先代よりもプレミアム感が増し、フランス車らしくない、スタイリッシュな外観に仕上がっている。これは、フランス製セダンをどう見るかによって、プラスになることもあれば、マイナスになることもある。
ダイナミクスよりも快適さと装備を重視するなら、シトロエンC5は一見の価値がある。ハイドラクティブ3サスペンションは、フォード・モンデオというよりメルセデス・ベンツSクラスに近い乗り心地を実現し、3.0L V6 HDiエンジンは、もし見つかれば最高のユニットである。もし見つからない場合は、2.0L HDiがパフォーマンスと経済性を最もよく調和させている。
セアト・エクシオ
セアト・エクシオのルーツがアウディであることは、見た目からもわかるだろう。2009年に発売されたエクシオは、旧型のアウディA4を改良したもので、価格は新型A4より6000ポンドも安かった。しかしエクシオには、名前の違いとセアトのバッジ以上のものがあったのだ。インテリアはA4カブリオレから流用され、サスペンションにも手が加えられ、異なるフィーリングを与えている。
エクシオ・スポーツには、より低く、より硬いサスペンションが無償オプションとして設定されたが、これを最大限に活用するには、ゴルフGTIの2.0L TSIエンジンが必要だ。ディーゼル車の販売に偏っているため、ガソリン車を探すのに苦労するが、年を追うごとに魅力が増しているように思う。
メルセデス・ベンツEクラス
4代目となるメルセデス・ベンツEクラスは、今やしっかりと予算の範囲内に収まっている。とはいえ最低でも2495ポンド(約45万円)が必要なので、このリストでは最も高価なクルマの1つではあるが、その分、広い室内空間とハイレベルの快適性が得られるだろう。Eクラスは格調高いクルマだ。
古さを感じさせないダッシュボードは、スクリーンに支配された現代のクルマと違って歓迎すべきものだ。エントリーグレードのSEでも、ヒーター付きフェイクレザーシート、パーキングセンサー、Bluetoothなどが装備されているが、上位のアバンギャルドになると、より高級感を得ることができる。走行距離が多いからと敬遠する必要はない。ディーゼル車の多くは、高速道路で楽に距離を積んできた。
ボルボS40
ボルボS40(2004~2012年)は、第2世代のフォード・フォーカスとプラットフォームを共有しており、兄弟車ほどのきらびやかなダイナミクスを期待してはいけないが、先代よりもはるかに運転が楽しくなっている。
製造品質は非常に高く、4気筒と5気筒のディーゼルをはじめ、エンジンの種類も充実している。当然のことながら、どのモデルにも安全装備と標準装備が豊富に備わっている。SEグレードの2.0Lディーゼルなら、S40に必要なものはすべて揃っているはずだ。
サーブ9-3
英国の中古車情報サイトで検索すると、サーブ9-3は走行距離25万km前後の個体の割合が高いことに気づく。それは、サーブ最期の世代の9-3に、昔ながらのDNAが引き継がれていることを証明するものだ。実際、9-3はサーブの最高傑作の1つだった。
走行距離よりも、コンディションで選ぶこと。大切にされてきた初期型もあるが、放置された後期型が見つかる可能性も高い。ツインターボの1.9 TTiDエンジンは、優れたパフォーマンスを発揮しながらも、日常的な使用では20km/hという現実的な燃費を実現している。
ホンダ・レジェンド
シルクが眼の前にあるのに、なぜコットンを手に入れるのか? ホンダ・レジェンドを宇宙から来たクルマに分類するのは無理があるかもしれないが、3.5L V6エンジンを搭載したシルクのように滑らかなセダンであり、欧州のディーゼル車の代替品として歓迎できるだろう。
豪華な標準装備の数々、スーパーハンドリングAWD、そして2005年でありながら運転支援システムも用意されている。優れた製造品質、個性的なキャビン、適度に主張するスタイリングが、このレジェンドのハイライトである。
ローバー75
目利きがいれば、素晴らしい品を手に入れることができる。中古車市場がローバー75のポテンシャルに気付くのもそう遠くはないだろう、現在の価格が破格の安さと言える、未来のクラシックカーだ。
BMWはローバー75のために特注のプラットフォームを用意し、頑丈で耐久性のあるディーゼルエンジンを供給して、造作なく50万km近く走れるようにした。1.8Lよりも2.5L V6ガソリンの方が好ましいが、上質感と洗練性が見事にブレンドされているクルマは他にほとんど見られない。
ヴォグゾール・オメガ
ヴォグゾールの大型セダンとしては最後のモデル。残念ながらドイツ車のライバルセダンとの戦いに敗れて消えてしまったが、オメガの中身がオペルと同じであることを考えると、これはいささか皮肉な話である。
4気筒エンジンは、このような大きなクルマには少しそぐわない感じがするが、2.5L、3.0L、3.2LのV6エンジンの方がお勧めしやすい。また、大型のエグゼクティブ・セダンに求められる、望ましい装備の数々も揃っている。6気筒のディーゼルエンジンも一見の価値がある。
フォルクスワーゲン・フェートン
パサートはご存知だろう。英国編集部がおすすめするのは「パサート・プラス」のフェートンだ。リチャード・ブレムナー記者が2018年に次のように書いている。「数年の間に価値が大きく下がったからといって、必ずしもお買い得というわけではない。その数年後にはおそらくまた価値を下げるだろうから。そして、末期的な赤痢にかかった人のように、体重を落とし続けるだろう」
だからといって、英国編集部は、中古車情報サイトで安いフェートンをじっくりと眺めることを邪魔するつもりはない。
レクサスGS
画像にあるポロとの関連はよくわからないが、レクサスGSが中古セダンとして優れた選択肢であることは確かだ。今回の予算では、ISとLSの中間に位置する2代目か3代目のGSが適しているだろう。
あるいは、予算を2倍にすれば、3.5L V6ハイブリッドを搭載したGS 450hを購入することもできる。BMW 5シリーズのような興奮はないが、造りの良さ、インテリアの雰囲気、乗り心地の良さに魅了されるはずだ。
アウディA8
減価償却は素晴らしい。欧州最安と言われるダチア・サンデロの新車価格よりも安く、アウディのフラッグシップモデルを購入することができるのだ。
地球を何周もしたような走行距離の個体を買う覚悟があるなら、2010年式のアウディA8が3000ポンド(約55万円)程度で購入することができる。誘惑に負けそう? わたしもだ。
BMW 5シリーズ
一番いいものを最後まで取っておいた……というわけではない。「ゴルディロックスの原理」という経済学用語をご存知だろうか? 上級・中級・低級の3つのグレードの品があったら、真ん中の中級がよく選ばれる。つまり、人は「ちょうどいい」と思われるものを手に取る傾向にある。
さてさて、BMW 5シリーズは、BMWのセダンの中でゴルディロックス的な位置にある。3シリーズでは小さすぎ、7シリーズでは高級すぎるとしたら、5シリーズはまさに「ちょうどいい」存在なのだ。
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みんなのコメント
でも、そのレクサスよりトレックeバイクの方が幸福度は高い
読まなければ良かった。