現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > そんな時代もあったね? バブルの象徴的存在「国産高級セダン」5選

ここから本文です

そんな時代もあったね? バブルの象徴的存在「国産高級セダン」5選

掲載 更新
そんな時代もあったね? バブルの象徴的存在「国産高級セダン」5選

■昭和の最後に起こった「シーマ現象」とライバル車

 昭和の終わり頃、バブル経済によって高級志向が高まりました。日産「シーマ」の売れ行きは“シーマ現象”とも呼ばれ社会現象となるほど。国産高級パーソナルサルーン人気に火を点けた日産「シーマ」と、そのライバル車たちを紹介します。

渋いデザインとハイパワーが似合う ちょいワルオヤジに乗ってほしい国産セダン5選

●日産初代「セドリック シーマ」「グロリア シーマ」FPY31型(1988年-1991年)

 1988年、青函トンネルの開業や東京ドーム開場などで「好景気」と日本人の誰もが思っていた頃、海外ではソウルオリンピック開催、イラン・イラク戦争停戦などさまざまな催しや記念毎が行われていました。

 日産は、高級セダン「セドリック」「グロリア」の上級仕様として、初代「セドリック シーマ」と「グロリア シーマ」(以降、シーマ)が発売。

 スタイルを重視した3ナンバー専用の4ドアピラーレスハードトップのボディーに、3リッターV型6気筒DOHCエンジンを搭載した「シーマ」は、NAモデルでも200ps、ターボモデルでは255psの高出力を誇りました。バブル景気や、1985年頃からの人々の中流意識の高まりから生まれた「ハイソカーブーム」の流れに乗って大ヒット作となるのです。

 全長4890mm×全幅1770mm×全高1380mmと、国産車離れした欧州車を思わせる流麗な外観を持つ、パーソナルオーナー向けの最高級4ドア車でありながら、ターボエンジン搭載車は車両重量1640kgのボディーに当時としては驚異的な加速を生み出します。

 日産「シーマ」のヒットによってトヨタ「ソアラ」、「クラウン」、「マークII」、ホンダ「レジェンド」など、他メーカーからも高級志向と高性能を兼ね備えたクルマたちが登場し、自動車市場は“シーマ現象”とも呼ばれました。

 なお、シーマはモデルチェンジを重ね、日産および海外のインフィニティブランドのフラッグシップモデルとしてハイブリッドシステムを備えた5代目「シーマ」を販売しています。

●トヨタ8代目「クラウン」S13x型(1987年 – 1991年)

 1955年の発売から、オーナードライバー向けの高級乗用車として代を重ねてきた「クラウン」は、時代の流れとともにボディーサイズや排気量を拡大。

 しかし、主力販売グレードは2リッターエンジン搭載車だったことから、5ナンバーサイズのボディーサイズに収められ、排気量の大きい3ナンバー車は前後のバンパーを大きくすることなどで外観上の差別化を図っていました。

 1987年に登場した8代目「クラウン」では、4ドアハードトップにドアやフェンダーまで専用部品となった3ナンバー専用の「ワイドボディー」をラインナップ。

 以前から、クラウンを嗜好する層が高級志向であったことや、一目で判る見た目の違いにより、3リッター直列6気筒DOHCエンジンを搭載する「ロイヤルサルーンG」が人気車種となります。

 1989年のマイナーチェンジでは、4リッターV型8気筒DOHCエンジンを搭載した「4000ロイヤルサルーンG」も追加され、後に登場する「セルシオ」や9代目「クラウン マジェスタ」に繋がる、トヨタの大排気量高級車路線を切り開きました。

■現在まで販売が続くロングセラーも

●トヨタ初代「セルシオ」XF10型(1989年-1994年)

 トヨタ「セルシオ」は、1989年に登場したオーナードライバー向けの高級車です。オーナー自身は運転しないことが前提だった「センチュリー」と「クラウン」の中間に位置するクルマです。

 アメリカ市場を主要マーケットとして立ち上げた高級車ブランド「レクサス」の「LS」としても販売し、日産「シーマ」に対抗して「クラウン」では満足できないユーザーを獲得しました。

「クラウン」の4リッターエンジン車と同様に260psを発揮する4リッターV型8気筒DOHCエンジンを搭載し、全長4995mm×全幅1830mm×全高1410mmのボディーサイズ。驚くべきはその静音性で、高速道路を走行しても静かさゆえに速さを感じないほどです。

 2代目、3代目とモデルチェンジを行い、日本国内でのレクサスブランドの参入にともない、4代目からは「レクサス LS」として販売されています。

●ホンダ初代「レジェンド」KA1/2/3/4/5/6型 (1985年-1990年)

 ホンダ初の3ナンバー登録車となったフラッグシップカーである「レジェンド」は、アメリカ市場を主要マーケットとして立ち上げた高級車ブランド「Acura(アキュラ)」の車種として1985年にデビューしました。

「高級車」の開発経験がなかったホンダがイギリスの「ブリティッシュ・レイランド」社と共同開発したモデルで、当初は4ドアセダンのみでしたが、1987年に2.7リッターエンジンを搭載。ボディーサイズは全長4775mm×全幅1745mm×全高1370mmです。

 高級車であることを演出する天童木工製「本木目パネル」の使用についてもブリティッシュ・レイランドの指導を受け、トップグレードには100%ウールモケットシートを装備するなど、内外装ともにヨーロッパの品のいい上級4ドアセダンのように仕上がりを見せています。

「レジェンド」は、日本初となった運転席用SRSエアバッグの搭載やサイドドアビームなど、安全装備の面でも充実しました。

 2015年に登場した5代目となる現在の「レジェンド」は、システム最高出力382psを誇る3.5リッターV型6気筒直噴i-VTECエンジンと3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」を搭載し、高級車としての道を歩み続けています。

●トヨタ初代「アリスト」 JZS14x型(1991年 – 1997年)

 1991年、「クラウン」のモデルチェンジ時に登場した上位車「クラウン マジェスタ」と同時に「アリスト」がデビューします。

「クラウン マジェスタ」と「アリスト」はシャーシが共通ながら、「クラウン マジェスタ」は3リッター直列6気筒DOHCエンジンと4リッターV型8気筒DOHCエンジンを搭載した、日本人の価値観における「高級車」だったのです。

 対して、「アリスト」は当時のトヨタ最速マシンだった「スープラ」と同じ280psを発揮する3リッター直列6気筒DOHCツインターボエンジン搭載グレードを用意。「アリスト」は国産最速セダンの名をほしいままにし、昭和の終わりから続いていた日産「シーマ」の人気を奪いました。

 1993年からはトヨタの高級車ブランド「レクサス」からも米国市場向けに「GS300」として登場、1997年に発売された2代目「アリスト」の米国版向けでV型8気筒エンジンを搭載する「GS400」がアメリカでレクサスの人気を不動のものにしていきます。2005年からは、国内でも「レクサス GS」として現在に至っています。

 近年、セダンの人気が落ちているといわれていますが、最近の調査では今回紹介した当時の高級セダンモデルの中古車に、若年層の注目が集まっているなど、いまなお心奪われるなにかがあるのかも知れません。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

タイトルに王手のフェルスタッペンが苦戦、ミディアムで17番手「タイヤが機能せず氷の上を走っているよう」/F1第22戦
タイトルに王手のフェルスタッペンが苦戦、ミディアムで17番手「タイヤが機能せず氷の上を走っているよう」/F1第22戦
AUTOSPORT web
見かけ倒しでもいいじゃん! ルックスと性能が釣り合わないスポーツモデル5選
見かけ倒しでもいいじゃん! ルックスと性能が釣り合わないスポーツモデル5選
ベストカーWeb
2025年WEC暫定エントリーリストが発表。ハイパーカーは2社が撤退もLMGT3と同数の18台が参戦
2025年WEC暫定エントリーリストが発表。ハイパーカーは2社が撤退もLMGT3と同数の18台が参戦
AUTOSPORT web
【角田裕毅F1第22戦展望】昨年の反省をもとにセットアップを2種類用意。FP2で「だいたいの方向性は見つかった」
【角田裕毅F1第22戦展望】昨年の反省をもとにセットアップを2種類用意。FP2で「だいたいの方向性は見つかった」
AUTOSPORT web
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
ベストカーWeb
勝田貴元、パンクで後退も挽回「まだ諦められない。ファンの声援が力になる」/ラリージャパン デイ2
勝田貴元、パンクで後退も挽回「まだ諦められない。ファンの声援が力になる」/ラリージャパン デイ2
AUTOSPORT web
いよいよ正式発表!? デザイン一新の[新型フォレスター]登場か! トヨタHV搭載でスバル弱点の燃費は向上なるか
いよいよ正式発表!? デザイン一新の[新型フォレスター]登場か! トヨタHV搭載でスバル弱点の燃費は向上なるか
ベストカーWeb
荒野にポツンと1軒のカフェ!?…25ドルでキャンプサイトを確保。オーストラリアはトレイルも何もかもナメてかかってはいけません!【豪州釣りキャンの旅_10】
荒野にポツンと1軒のカフェ!?…25ドルでキャンプサイトを確保。オーストラリアはトレイルも何もかもナメてかかってはいけません!【豪州釣りキャンの旅_10】
Auto Messe Web
ローソン初日15番手「路面コンディションに苦労。今日の学習を役立て、トップ10に食い込みたい」/F1第22戦
ローソン初日15番手「路面コンディションに苦労。今日の学習を役立て、トップ10に食い込みたい」/F1第22戦
AUTOSPORT web
ボッタス、PUエレメント交換で5グリッド降格が決定。RB勢はエキゾーストを交換/F1第22戦
ボッタス、PUエレメント交換で5グリッド降格が決定。RB勢はエキゾーストを交換/F1第22戦
AUTOSPORT web
タナクが王座目指して猛加速。僚機2台はクラッシュ&失速、トヨタに選手権逆転の光明【ラリージャパン デイ2】
タナクが王座目指して猛加速。僚機2台はクラッシュ&失速、トヨタに選手権逆転の光明【ラリージャパン デイ2】
AUTOSPORT web
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
AUTOCAR JAPAN
北米の自動車博物館ハシゴ旅! 往年のF1GPカー「ペンスキーPC-1」に出会えて大感激!!…が、展示車両数の多さにすべてを見ることができずに大後悔…
北米の自動車博物館ハシゴ旅! 往年のF1GPカー「ペンスキーPC-1」に出会えて大感激!!…が、展示車両数の多さにすべてを見ることができずに大後悔…
Auto Messe Web
角田裕毅 初日10番手「一日のなかで状況を好転させ、方向性を見出した。Q3進出のため調整を続ける」/F1第22戦
角田裕毅 初日10番手「一日のなかで状況を好転させ、方向性を見出した。Q3進出のため調整を続ける」/F1第22戦
AUTOSPORT web
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
くるまのニュース
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
AUTOCAR JAPAN
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
Auto Messe Web
WRCラリージャパンで発生した“一般車両コース侵入事件”、FIAは「非常に深刻な問題」として調査へ。来季大会にも暗雲
WRCラリージャパンで発生した“一般車両コース侵入事件”、FIAは「非常に深刻な問題」として調査へ。来季大会にも暗雲
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

630.0787.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

28.8550.0万円

中古車を検索
シーマの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

630.0787.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

28.8550.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村