愛車を見せてもらえば、その人の人生が見えてくる。気になる人のクルマに隠されたエピソードをたずねるシリーズ第46回。前編では、俳優の南果歩さんが、懐かしの三菱パジェロと共演!
愛車購入のきっかけ
「うわぁ、いま見てもかわいいですね」と、笑顔を見せながら、南果歩さんが三菱パジェロ(2代目)に近づいた。
「私が乗っていたのはショートボディの白だったんですけれど、雰囲気はこの感じです。確か、新しいパジェロが出たばかりのときに購入したと記憶しています」
フルモデルチェンジを受けて2代目三菱パジェロが登場したのは1991年1月だから、南さんの記憶が正しければ、この年にパジェロを購入したということになる。
「30年ぶり? いえ、もっと経っているのか……」と、言いながら、南さんはパジェロのインテリアをのぞき込んだ。はじめての愛車としてパジェロを選んだ経緯を、免許取得にまでさかのぼって振り返った。
「運転免許を取ったのは、20歳か21歳のときです。当時、すでに仕事はしていて、ちょっと時間ができたんですね。これから仕事でも必要になるだろうから、いまのうちに免許を取っておこうと思ったんです。けれども、私には教習所にちょっとしたトラウマがあったんですよ。というのも高校生のとき、友だちと一緒に原付きの免許を取りに行って、私ひとりだけ落ちちゃったんです(笑)。でも2度目の教習所通いは楽しかったですね。助手席よりも自分で動かすほうが楽しいことに気づいて、普通自動車免許と普通自動二輪免許を一度に取りました」
運転免許は取得したものの、映画やテレビドラマへの出演が相次いでいたため、当時は自身で運転する機会はなかったという。
「仕事は電車で通っていて、たまにマネージャーさんが運転するクルマに乗せてもらうこともありました。ただ、忙しすぎた反動か、20代後半にさしかかったところで、“自分の時間を楽しみたい、そのためにはクルマがあったほうがいいのでは?”と、思うようになったんです。そこで、自分のクルマを買うことに決めました」
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「クルマに詳しい人にいろいろ相談すると、『フィアットはメンテが大変だよ』という話を聞いたので、だったらパジェロにしよう! ということになりました。パジェロが納車されたその日の夜に、友だちを誘って横浜にドライブに行ったのがいい思い出です。納車されてからは、夜、ちょっと気分転換したいときにパジェロで出かけるようになりました。青山墓地のそばにある『ウエスト』というカフェにはよく行きましたね。当時、私がパジェロに乗っているところを見られると、『ギャップがすごいね』と、言われたことを覚えています」
ここで、三菱パジェロというモデルが生まれた背景を簡単に紹介したい。
第二次大戦で大活躍したアメリカの「ジープ」を参考に、イギリスではランドローバー(現在のディフェンダー)、ドイツではメルセデス・ベンツの「Gクラス」が生まれた。日本では1952年に三菱がジープのライセンスを取得し、1953年から三菱ジープを生産することになった。
ジープを国産化することで得た4輪駆動車開発のノウハウを活かし、三菱は1982年にまったく新しいモデルを発表する。それが初代パジェロで、トヨタ「ランドクルーザー」やいすゞ「ビッグホーン」とともに、現在のSUV隆盛の礎を築いた。ちなみに、パジェロというネーミングは南米に生息する山猫に由来する。
初代パジェロの販売は好調で、ハイルーフやワゴンなどのバリエーションを増やしていった。そして1991年に登場した第2世代のパジェロが、南さんの最初の愛車になった。
「いまでも、当時の自分が購入できる範囲ではベストのチョイスだったと思っています。メカニズムのことはあまりわかりませんが、アクセルやブレーキを踏んだときのちょっと硬い感触が好きでしたね。ただ、パジェロも運転も好きでしたが、高速道路を走るのはあまり好きではありませんでした。クルマの運転が楽しいと思えるのは、頭の中でマップを描いて、どの道を通るかを考えることなんです。でも高速道路は自分で道を選べないので、運転していると飽きちゃいます」
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「パジェロには4年くらい乗ったのかな。その間に、何度か駐車場に停められないということがあって、それで次は小さなクルマにしようということで、紺色のフォルクスワーゲン『ゴルフ』に換えました。形も好きでしたし、丈夫だと聞いたのが決め手になりました」
1990年代の半ばということは、1991年から2002年まで生産されたゴルフIIIだろう。
「駐車場でも停めやすいし、便利でしたけれど、パジェロが“大型犬”だとするとゴルフは“小型犬”で、存在感としては小さくなってしまいましたね。そうこうするうちに、もうちょっと荷物が積めるクルマがいいねという話になって、BMW『3シリーズ』のワゴンを選びました。ビーエム(BMW)はすごく運転が楽しくて、3シリーズを3台乗りました。30歳代はビーエムと過ごしたという印象ですね」
こうして南さんは、第3世代(E46型)のBMW3シリーズを皮切りに、3台の3シリーズで30歳代を駆け抜けた。
「40歳に差し掛かるころに、(メルセデス・)ベンツの『Cクラス』のワゴンに換えました。正直、ベンツには興味がなかったのですが、知り合いのベンツに乗せてもらったときにすごく守られている感じがしたんですね。安全なクルマがいいだろうということで、Cクラスを選びました。一度、SUVタイプの『Mクラス(現GLEクラス)』というのにも乗りましたが、いまに至るまでずっとCクラスのワゴンで、いま乗っているのがたぶん5台目になると思います」
こうして、三菱パジェロでスタートした南さんのクルマ生活は、現在のところメルセデス・ベンツCクラス・ステーションワゴンで落ち着いている。ただし、南さんは次の時代も見据えている。自宅建築時、電気自動車用の充電設備を設置したというのだ。
後編となる次回は、今、興味があるという電気自動車に触れた!
南果歩(みなみかほ)俳優。兵庫県出身。1984年、映画『伽倻子のために』で主役に抜擢されてデビュー。以降、テレビや映画、舞台で幅広く活躍。『夢見通りの人々』で第32回ブルーリボン賞助演女優賞。著書に絵本「一生ぶんの だっこ」(講談社)、「乙女オバさん」(小学館)など。2011年東日本大震災以降、東北、熊本、能登など被災地に向けての絵本の読み聞かせを続けている。また、ボーカルを務めるNicochansデビューシングル「乙女オバさん」がAppleMusicSpotifyで配信中。
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文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.) ヘア&メイク・黒田啓蔵 スタイリング・坂本久仁子 編集・稲垣邦康(GQ)
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