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世界のワイルドすぎるクルマ 43選 後編 平凡からかけ離れた異端児たち

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世界のワイルドすぎるクルマ 43選 後編 平凡からかけ離れた異端児たち

フィアット・ムルティプラ

1998年に登場した2代目ムルティプラは、2列6人乗りという独特なシート配置を持つ、ひときわフレンドリーで社交的なミニバンであった。

【画像】奇抜すぎたクルマたち【ワイルドで革新的なデザインのモデルを写真で見る】 全100枚

先代の600ムルティプラに敬意を表してか、フィアットはこの新型車に極めて特異な外観を与えた。英国で販売されたモデルには、リアウインドウに「Wait until you see the front!(フロントエンドにご期待ください)」というステッカーが貼られていた。

しかし、この外観は一般受けが悪かったようで、2004年以降、ムルティプラはオーソドックスなデザインになった。面白さは失われてしまっている。

フォードRS200

フォードが生産した中で最も過激なクルマの1つであるRS200。ラリーに参戦するために作られたモデルで、低く構えたボディ、ミドマウントのコスワース製ターボエンジン、四輪駆動システムを備えている。

RS200はWRC世界ラリー選手権の参戦を見据えていたが、1987年の劇的なルール変更により、参加資格は失われてしまう。

しかし、21世紀に入ってもさまざまなモータースポーツに挑み続けた。生産中止から30年以上経った現在でも、その姿は極めて新鮮で、現存する個体は大変貴重である。

ホンダ・インサイト

今となっては、ハイブリッド車とそうでないクルマとで外観が異なる必要はない。しかし、1999年に初代インサイトを発売したホンダは、違いを見せつける必要があると考えた。

超空力的なフォルムとスパッツで覆われた後輪から、2年前にデビューしたトヨタ・プリウスよりもはるかに特異な存在に見える。ただ、10年後に発売された2代目インサイトは、ごく普通のクルマに見えてしまった。

ハドソン・イタリア

デトロイトのハドソンとミラノのカロッツェリア・ツーリングによる共同開発車。メカニカルパーツは、生産中止となったばかりハドソン・ジェットに由来するもの。ジェットはいかにも平凡なセダンであり、イタリア人はこのデザインセンスを許さなかったらしい。

ヘッドライトの上に取り付けられたエアスクープが最大の特徴だが、それを抜きにしても、中央が逆V字になったフロントバンパー、部分的に隠れたホイールなど、多くのディテールが非常に目を引くクルマであった。しかし、残念なことにハドソン・イタリアはあまり売れなかった。1953年と1954年にわずか26台が生産されたのみである。

ハマーH1

AMジェネラル社が開発・製造したHMMWV(High Mobility Multipurpose Wheeled Vehicle、ハンヴィー)の民間版であるH1。とにかく巨大で、燃費が良いとは言えないH1は、アーノルド・シュワルツェネッガーが愛用したことでも話題を呼んだ。

ハマーというブランドは、GMCが販売するハマーEVで復活を遂げようとしている。いずれも大型だが、時代の流れで電気モーターとバッテリーを搭載している。

イセッタ

1950年代から60年代にかけて各社が製造したバブルカーの中で、最もわかりやすいクルマの1つがイセッタであろう。有名なのは、フロントエンドがドアになっており、リバースギアがない(バックができない)こと。そのため、ドライバーはこの2点を考慮して駐車場を選ぶ必要がある。

イセッタは多くの国でライセンス生産されたが、特に重要なのは2社。イソ社(後に非常にパワフルなスポーツカーで有名になる)によって作られ、後にBMWが引き受けている。BMWは多くの変更を加えたが、基本設計はそのままであった。

KTMクロスボウ

クロスボウ(X-BO)は、バイクやレーシングカーで知られるオーストリアのKTMが初めて製造した市販四輪車である。アウディ製エンジンを搭載するミドシップのフォルムは、ロードカーやサーキットカーとしての性能を追求したものであった。

KTMの多くのバイクと同様、クロスボウの外観はデザインパートナーであるキスカが手掛けている。キスカはKTMと同じくオーストリアに本社を置き、上海にもオフィスを構えている。

ランチア・ストラトス

1960年代後半から1970年代前半にかけて、ランチアのラリープログラムはフルビア・クーペをベースとしていた。このフルビアに代わって1973年に登場したのが、ストラトスである。

リアに横置きされた2.5Lのフェラーリ・ディーノV6エンジンは、そのファンタスティックな外観とマッチしている。ストラトスは、コーナーのたびにスピンしそうなほど、運転に手こずるクルマだ。しかし、エンジンを切ってじっとしていても、野性味あふれるクルマであることに変わりはない。

メルセデスAMG G 63 6×6

紆余曲折はあるものの、現在のGクラスは1979年に発売されたGワーゲン(オフロード車を意味するゲレンデヴァーゲンの略)を起源とすることは間違いない。

その過程で興味深い進化が多く見られる。Gクラスの中で最もワイルドなのは、6つの駆動輪を持つAMG G 63 6×6であろう。5.5L V8ツインターボエンジンを搭載し、0-100km/h加速は舗装路で6秒、ラフロードでもおそらくそれほど長くない時間で達成する。

メルセデスの予想に反して、6×6は2013年から2015年にかけて100台以上が売れた。

メッサーシュミット

イセッタが最もよく知られたバブルカーだとすれば、最もワイルドなバブルカーはメッサーシュミットKR175とKR250に違いない。テリー・ギリアム監督の近未来映画『未来世紀ブラジル』でも、その奇抜な外見から、メッサーシュミットが使用されている。

メッサーシュミット社の関与は、名前と工場を提供した程度であった。実は、このクルマは航空エンジニアのフリッツ・フェンド(1920-2000)が設計したもので、戦争で手足を失った人たちの移動手段として開発されたのだが、低価格のクルマとして幅広い購入者にも好評だった。

MGメトロ6R4

メトロは1980年から1998年まで、英国のさまざまなブランドで販売された小型ハッチバックで、後にローバー100と呼ばれるようになる。その中で、どれが最もワイルドなモデルかは議論の余地がない。MGメトロ6R4は、あらゆる点で他モデルと異なっている。

リアに3.0L V6エンジンを搭載し、四輪駆動システムを採用。大胆にエアロダイナミクスを追求したが、実際の空力効果については激しい議論が交わされた。

日産キューブ

3代目となる日産キューブは、日本以外でも同じ車名で販売された。そのキュートなルックスは、日本ではすんなり受け入れられたものの、欧州や北米では過激に映った。

日産はこのクルマについて、後方視界が「素晴らしい」という大胆な主張を行ったが(簡単に反論された)、販売の助けにはならなかった。キューブは普通のクルマではなく、デザイン・オブジェとして広告を打った方が理にかなっていたかもしれない。

米国では5年、英国ではわずか2年の販売にとどまった。

プジョー205 T16

ほぼ同時代のMGメトロ6R4と同様、205 T16は従来の小型ハッチバックを贅沢に改造したモデルであった。

1.8Lターボエンジンをリアに搭載し、四輪駆動システムを追加、エアロダイナミクスを大幅に向上させ、リアボディを一体化することでエンジンとトランスミッションの整備を容易にするなど、小さな205を大変身させた。

T16は、プジョーが1985年と1986年の世界ラリー選手権のドライバーズタイトルとマニュファクチャラーズタイトルを獲得するきっかけとなった。

プジョー402

1935年当時の基準では、プジョー402は驚くほど合理的なクルマであった。特にヘッドライトは、ラジエーターグリルの裏側、空気の流れをできるだけ妨げない位置に取り付けられている。現代にあてはめれば、安全性の観点から売るに売れないデザインである。

しかし、1930年代には、そんなこと誰も気にしなかった。実際、プジョーは同じ1930年後半に、より小型の202と302に同じデザインを採用している。202は戦後も数年生きながらえたが、奇抜なヘッドライト配置はその後二度と使われることはなかった。

プリムス・プロウラー

一般にホットロッドといえば、工場出荷後、オーナーによって大規模な改造が施されたクルマのことを指す。プリムス・プロウラーは、顧客が手にする前からホットロッドとして作られた珍しい例である。

スタイリングは紛れもなくレトロだが、シャシーにはアルミニウムを使用している。大型の(そして騒音の大きい)V8エンジンではなく、3.5L V6エンジンを採用したことは批判されたが、プロウラーは性能よりもスタイルに重きを置いているのだ。

2001年にプリムスブランドが消滅した後、クライスラーとしてさらに2年間販売され、合計1万1702台が製造された。

ポンティアック・アズテック

どんな製品でも、生産に入る前に誰かがチェックして、「うん、いいんじゃない」と認めなければならない。ポンティアック・アズテックの場合、なぜこのような姿になったのかは、自動車史の中でも大きな謎の1つである。

アズテックは、見た目が見た目だけに過小評価されがちだが、クロスオーバーSUVとしての実力は折り紙付きである。しかし、2001年に発売されたときから、今日に至るまで「醜いクルマ」として記事のネタになるという役割を担い続けている。

構造を共有するビュイック・ランデブーは、比較的オーソドックスなスタイリングを備えている。当然というべきか、売上はアズテックを圧倒的に上回った。

ポルシェ911 GT1

ポルシェ911で最もワイルドなのは、1990年代後半に生産されたGT1だろう。議論の余地はない。その差は歴然だ。実際、GT1は当時の911とはほとんど関係がない。

スポーツカーレースのために開発されたGT1だが、ポルシェはホモロゲーションのために、ストラッセンバージョン(ストリートバージョンの独語)と呼ばれる公道走行可能なモデルを少量生産することを義務づけられたのである。

第三者機関によるテストでは、0-100km/h加速のタイムが3.9秒、最高速度は307km/hに達している。これは、20世紀のロードカーとしては驚異的な数字である。

ラディカル

英国のラディカルは四半世紀にわたってスポーツ・レーシングカーを製造しており、その多くは公道走行が可能である。サーキットを走らせても違和感がなく、一般道では通行人の注目を集めること間違いなし。

ラディカルはまた、経験豊富なエンジンビルダーでもある。RPE V8は、スズキ・ハヤブサのエンジンを2基、共通のクランクケースに収めたもので、他社製のヒルクライム用シングルシーターにも使用されている。

ルノー5ターボ

前述のように、MGメトロ6R4とプジョー205 T16は、普通のハッチバックを極限まで発展させたものである。この両者に先駆けて1980年に登場したのが、ルノー5ターボだ。標準のルノー5とは対照的に、1.4Lのターボエンジンを乗員の後ろに搭載し、後輪を駆動するものであった。

世界ラリー選手権では4勝を挙げたが、アウディ・クワトロに代表される四輪駆動化の波にもまれ、苦戦を強いられた。アルピーヌ/ゴルディーニ・ターボやGTターボなどは前輪駆動で、外観こそよく似ているが中身は大きく異なる。ルノーの次のミドエンジン・ハッチバックはクリオV6であった。

タルボ・ラーゴT150 SSティアドロップクーペ

20世紀半ば、もし自分のクルマに最高に素晴らしいボディを載せたかったら、パリを拠点に2人のイタリア人が経営するコーチビルド会社、フィゴーニ・エ・ファラッシと連絡を取ることをお勧めする。

フィゴーニ・エ・ファラッシの作品は、ほとんどすべて、本稿で紹介してもいいくらいだ。今回ピックアップするのは、タルボ・ラーゴT150をベースにした1938年のティアドロップクーペ。ジュゼッペ・フィゴーニ(1892-1978)が好んだエレガントで流れるような曲線を含む、驚くべきデザインだ。美しいかどうかは好みの問題だが、人目を引くことに異論はないだろう。

ヴォワザンC25エアロダイン

航空業界のパイオニア、ガブリエル・ヴォワザン(1880-1973)は、空飛ぶ機械に熱狂しており、自動車会社を「アヴィオン・ヴォワザン」(英語ではヴォワザン・エアロプレーン)と命名したほどだった。

彼の作品にはオーソドックスなデザインもいくつかあるが、1923年に発表された驚異的なレーサー、C6ラボラトワールをはじめ、エアロダイナミクスに魅せられた非常に奇抜なデザインも多かった。

その要素は、ヴォワザンC25エアロダインにも顕著に表れている。エレガントでありながら、シュッとした愛らしさがある。ラジエターグリルとフロントフェンダーをつなぐポリッシュドメタルのバーは、ヴォワザンの他のモデルにも採用されている。

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みんなのコメント

2件
  • 異端とか醜いとかのランキングで必ずあがるムルティプラだが、そんなに醜いだろうか?
    最新安全装備で一回り小さく今発売してくれたら絶対買いたい。
    巷にあふれるチンドン屋のようなガキっぽいスタイリングの車より余程魅力的だと思う。


  • とても面白い記事でした。
    次回も楽しみにしています。
    オートカージャパンは、僕の生きがいです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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